海外FXの取引ツール「cTrader」とは?「cTrader」の16のメリットデメリット「MT4・MT5(メタトレーダー)」との違いを徹底解説!

海外FX業者が導入している取引ツール・トレードプラットフォームは、「MT4・MT5(メタトレーダー)」が主流です。95%以上の海外FX業者が「MT4・MT5(メタトレーダー)」でサービス提供していると言っても、過言ではありません。しかし、「MT4・MT5(メタトレーダー)」とともに海外FX業者が提供している取引ツールに「cTrader」というものがあります。今回は「cTrader」について解説します。

「cTrader」とは?

「cTrader(シートレーダー)」とは

英国のロンドンに本社があるソフトウェア開発会社のSpotware Systems Ltdが開発した「ECN口座」向けのトレードプラットフォームのこと

を言います。

「ECN取引」を前提に開発されたトレードプラットフォームであり、高速約定・板情報・ワンクリック注文など、「MT4・MT5(メタトレーダー)」にない機能を多く揃えている特徴があります。

そのため、海外FX業者の中でも、ECN口座を取り扱っている業者は

  • STP口座 → 「MT4・MT5(メタトレーダー)」
  • ECN口座 → 「cTrader(シートレーダー)」

と使い分けを前提に「cTrader(シートレーダー)」を提供しているのです。

「cTrader」のメリットデメリットには

  • 「cTrader」を利用するECN口座のメリット
  • 「cTrader」を利用するECN口座のデメリット
  • 「cTrader」の取引ツールとしてのメリット
  • 「cTrader」の取引ツールとしてのデメリット

があります。

一つずつ、具体的に解説していきます。

「cTrader」を利用するECN口座のメリット

メリットその1.透明性の高さ

海外FX業者の取引方法には

  1. STP取引(ストレート・スルー・プロセッシング)
  2. ECN取引(エレクトニック・コミュニケーションズ・ネットワーク:電子取引所取引)

の2種類が存在します。

海外FXの取引方法の違いを比較。STP取引とECN取引

STP取引とは

投資家から受けた注文を海外FX業者が他の銀行やLPなどのカバー先に流す仕組み

ECN取引とは

インターネット上に投資家(銀行やLP含む)が集まり、参加者同士が注文を出し合って、合意したときに注文が実行される仕組み

です。

ECN取引は、日本で導入されているのは「株取引」です。「売り手」と「買い手」を直接マッチングさせて、価格が折り合ったところで約定する仕組みです。

海外FX業者は、スプレッドにマークアップ(上乗せ)して、収益を得るのではなく、外付けの取引手数料を取って、後は、ほぼスプレッドゼロで提供しているのです。

「どのくらい海外FX業者が手数料を抜くのか?」が明示されている分、透明性の高い取引手法となっています。

メリットその2.出来上がりのトレードコストが安い

「ECN口座はスプレッドが狭い」

とよく言われるのですが、それは当然で「取引手数料」を外に出して請求するので、スプレッドは狭くなるのです。

重要なのは

スプレッド + 取引手数料 = 出来上がりのトレードコスト

なのです。

多くの場合、出来上がりのトレードコストも、ECN口座の方が安く設定されることが多いのです。

実際に当サイトで計測しているスプレッドの観測データを見ると

海外FX業者のスプレッドをリアル口座の同環境観測データで比較/本当にスプレッドが狭い海外FX業者は?

「cTrader」を提供しているAXIORYの場合

今月の平均スプレッド

  • AXIORY/STP口座:1.5pips
  • AXIORY/ECN口座:0.6pips

となっています。

AXIORYのECN口座の取引手数料は、片道3ドル・往復6ドル(0.6pips相当)ですから

出来上がりのトレードコストは

  • AXIORY/STP口座:1.5pips + 取引手数料:0.0pips = 1.5pips
  • AXIORY/ECN口座:0.6pips + 取引手数料:0.6pips = 1.2pips

「ECN口座」の方が出来上がりのトレードコストも安いのです。

メリットその3.約定拒否なし

ECN口座というのは

「売り手」と「買い手」を直接マッチングさせて、価格が折り合ったところで約定する仕組み

を採用しています。

そのため、STP口座で起こりやすい「約定拒否(リクオート)」という概念がそもそもないのです。

メリットその4.取引制限なし

STP口座の場合は

  • スキャルピング禁止
  • 両建て禁止
  • 自動売買禁止
    ・・・

など、海外FX業者の都合によって、取引に制限を設けているものも少なくありません。

しかし、

ECN口座の場合は

  • スキャルピングOK
  • 両建てOK
  • 自動売買OK
    ・・・

「取引制限なし」のものがほとんどです。

ECN口座では、海外FX業者も、外付けで手数料を取っているので、何をしても構わないのです。

取引量が増えれば増えるほど、手数料収益が上がるので「取引制限なし」としている海外FX業者が多いのです。

「cTrader」を利用するECN口座のデメリット

デメリットその1.注文に応じる相手がいなければ約定しない

前述した通りで、ECN口座は

「売り手」と「買い手」を直接マッチングさせて、価格が折り合ったところで約定する仕組み

です。

そのため、相手方がいなければ、注文しても、マッチングすることがなく、注文が約定しないのです。

ただし、多くのECN取引では、相手方に「LP」や「銀行」も参加させていることがほとんどですので、流動性の心配はそれほどありません。活発に取引が行われています。

デメリットその2.ECN口座の方が口座開設条件が厳しい

海外FX業者では

  • STP口座
  • ECN口座

の両方を用意しているところが多いのですが、多くの海外FX業者で

  • ECN口座の最低入金額がSTP口座よりも高く設定されている
  • ECN口座の最低取引量がSTP口座よりも高く設定されている

ことが多いのです。

ECN口座の方がSTP口座よりも、投資経験の豊富な投資家が利用するべきもの

と考えられているのです。

「cTrader」の取引ツールとしてのメリット

メリットその1.板情報が見れる

「cTrader」には

「板情報」を表示する

機能があります。

「cTrader」では、3種類の「板情報」が表示可能です。

  1. スタンダードな板情報(Standard DoM)
  2. 出来高加重平均価格の板情報(VWAP DoM)
  3. 価格別の板情報(Price DoM)

ECN取引だからこそ、「板情報」が表示できるのですが・・・

「板情報」が見れるということは

  • 他の投資家がどの価格帯で注文を入れているのかがわかる
  • 他の投資家が「買い」「売り」どちらに傾いているのかがわかる
  • 自分が大量に発注した場合、いくらで約定できるのかがわかる

というメリットがあります。

投資材料がSTP口座の投資家よりも増えることになります。

また、大口の取引でも、あらかじめ約定価格が見えているのですから、トレード戦略も描きやすいのです。

メリットその2.ワンクリック注文ができる

「MT4・MT5(メタトレーダー)」にも、ワンクリック注文はありますが、

「cTrader」では、至る所にワンクリック注文が設置されています。

  • ウォッチリスト
  • チャート
  • 板情報
  • ポジション管理
    ・・・

どこからでも、瞬時にワンクリックで注文できるので、チャンスを逃さずにトレードすることができます。

また、注文方法を

  • ワンクリックで注文
  • ダブルクリックで注文
  • 無効

で設定することができるので

ワンクリックで自動的に注文されてしまうのが怖いという場合には、ダブルクリック注文に変更すると良いでしょう。

メリットその3.一括決済・ダブルアップ注文・途転注文ができる

「MT4・MT5(メタトレーダー)」にない機能として

  • 複数ポジションを一括で決済できる「一括決済(全決済)」
  • 保有ポジションと同じ取引量を注文する「ダブルアップ注文」
  • 保有ポジションと逆の注文をする「途転注文」

などがワンクリックで対応可能になります。

「MT4・MT5(メタトレーダー)」でも、スクリプトを入れれば、「一括決済(全決済)」は可能ですが、これは順番に決済していくだけの機能になるので、同時に決済できる点では「cTrader」の方が優れているのです。

また、「ダブルアップ注文」「途転注文」なども、ワンクリックで注文できるので、非常にスピーディーな注文機能が備わっていると言っていいでしょう。

メリットその4.分割決済ができる

  • 一つのポジションをすべて決済させるのではなく、一部の金額のみを決済させる「分割決済」

も可能です。

2ロットのポジションを持っていて、思惑通りにチャートが動いて、利益が出ている状況で、まだトレンドが伸びるかもしれない。

という状況であれば

  • 1ロットは利確して
  • 1ロットは保有して、さらに利益を伸ばす

というトレード戦略も、上級者は多用します。

「MT4・MT5(メタトレーダー)」では、ポジションを小分けに保有しておくしかできませんが、「cTrader」は、まとめて保有したポジションでも、その一部だけの「分割決済」ができるのです。

メリットその5.時間を日本時間に簡単に設定可能

「MT4・MT5(メタトレーダー)」の場合は、デフォルトでは、時間は海外FX業者のサーバー時間に設定されています。

  • ロンドンの海外FX業者
  • キプロスの海外FX業者
  • オーストラリアの海外FX業者
    ・・・

で、「MT4・MT5(メタトレーダー)」の時間は異なるのです。

日本人であれば、日本時間でトレードしたいものですが、「MT4・MT5(メタトレーダー)」の時間を日本時間に直すためには「時間表示インジケーター」をインストールして、設定する必要があるのです。

「cTrader」であれば、

JST 日本標準時 UTC+0900

を選択するだけで、簡単に日本時間に切り替えることができます。

メリットその6.図形が使いやすい

「MT4・MT5(メタトレーダー)」にも、
「cTrader」にも、

チャート内に図形(水平線・トレンドライン・長方形・フィボナッチ・高値安値ライン)などを引く機能は備わっています。

使いやすいのは断然「cTrader」です。

「MT4・MT5(メタトレーダー)」は、図形を描いた後に変更したり、削除する場合に、ぴったり線の上にマウスの矢印が載らないと選択できないのですが・・・

「cTrader」は選択の範囲を広くとっているので、外すことなく、さくさく図形の選択・移動・変更・削除ができます。

図形の使いやすさも、「cTrader」の方が優れていると言えます。

メリットその7.時間足が多い

「cTrader」では、26種類の時間足をデフォルトで選択することができます。

  • 1分足
  • 2分足
  • 3分足
  • 4分足
  • 5分足
  • 6分足
  • 7分足
  • 8分足
  • 9分足
  • 10分足
  • 15分足
  • 20分足
  • 30分足
  • 45分足
  • 1時間足
  • 2時間足
  • 3時間足
  • 4時間足
  • 5時間足
  • 6時間足
  • 8時間足
  • 12時間足
  • 日足
  • 2日足
  • 3日足
  • 週足
  • 月足

自分のトレード戦略に合わせられる選択肢が広いのです。

「cTrader」の取引ツールとしてのデメリット

デメリットその1.自動売買が難しい

「MT4・MT5(メタトレーダー)」の良い点は

自動売買ストラテジー「EA(エキスパート・アドバイザー)」の開発が容易であること

です。

「MT4・MT5(メタトレーダー)」は、多少のプログラミング知識があれば、容易に自己流の自動売買プログラミングが開発できたので、ここまで普及したのです。

「cTrader」も、cAlgoという開発プログラムツールがありますが、使いやすいとは言い難いのです。

デメリットその2.提供されている自動売買ストラテジーの数が少ない

「MT4・MT5(メタトレーダー)」と「cTrader」では

利用している投資家の数が数十倍、数百倍以上違うのです。

当然、自動売買ストラテジーを開発しても、売りやすいかどうかで言うと、「MT4・MT5(メタトレーダー)」の方がユーザーが多いのですから、開発者も「MT4・MT5(メタトレーダー)」向けに作らざるを得ないのです。

公式サイトで提供されている自動売買ストラテジーで比較すると

「cTrader」/自動売買プログラム「cBot」

150個程度

「MT4・MT5(メタトレーダー)」/自動売買プログラム「EA(エキスパート・アドバイザー)」

3000個程度

と20倍も違いがあります。

非公式なものも、含めればさらに差は拡大すると考えられます。

デメリットその3.提供されているインジケーターの数が少ない

自動売買と同じ論理で、インジケーターの数も大きく異なります。

「cTrader」/インジケーター

500個程度

しかないのです。

デフォルトで標準搭載されているテクニカル分析指標は

  • トレンド:10個
  • オシレーター:20個
  • ボラリティ:11個
  • 出来高:10個
  • その他:8個

と、59個あるので、標準的なテクニカル分析のみでトレードする投資家に取っては、十分だと思いますが、「MT4・MT5(メタトレーダー)」よりも圧倒的に選択肢が少ないのは事実です。

「cTrader」をおすすめできる投資家とは?

「cTrader」を利用するECN口座のメリット

  1. メリットその1.透明性の高さ
  2. メリットその2.出来上がりのトレードコストが安い
  3. メリットその3.約定拒否なし
  4. メリットその4.取引制限なし

「cTrader」を利用するECN口座のデメリット

  1. デメリットその1.注文に応じる相手がいなければ約定しない
  2. デメリットその2.ECN口座の方が口座開設条件が厳しい

「cTrader」の取引ツールとしてのメリット

  1. メリットその1.板情報が見れる
  2. メリットその2.ワンクリック注文ができる
  3. メリットその3.一括決済・ダブルアップ注文・途転注文ができる
  4. メリットその4.分割決済ができる
  5. メリットその5.時間を日本時間に簡単に設定可能
  6. メリットその6.図形が使いやすい
  7. メリットその7.時間足が多い

「cTrader」の取引ツールとしてのデメリット

  1. デメリットその1.自動売買が難しい
  2. デメリットその2.提供されている自動売買ストラテジーの数が少ない
  3. デメリットその3.提供されているインジケーターの数が少ない

上記の情報を総合すると・・・

「cTrader」をおすすめできる投資家は

  • 取引量が多い投資家
  • 少しでもトレードコストを抑えたい投資家
  • 板情報を活用したい投資家
  • 自動売買を利用しない投資家
  • デフォルトのテクニカル分析だけで十分にトレードができる投資家

となり、総じて

  • 投資経験が豊富な上級トレーダーが「ECN口座」ひいては「cTrader」に向いている

ということになります。

「cTrader」を利用できる海外FX業者は

AXIORY

AXIORY(アキシオリー)

TRADEVIEW

TRADEVIEW

FxPro

FxPro

です。

海外FX初心者の方には、STP口座やMT4の方が使いやすいのは間違えありません。投資経験が豊富な上級トレーダーに「cTrader」をおすすめします。

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