海外FXの勝率を上げるには各国の市場の特性を理解すべき。市場切り替え時のファンドの「ストップ狩り」に注意

FXは24時間トレードができるものですが、東京市場が24時間稼働しているわけではありません。9時~17時しか営業はしていないのです。なぜ、24時間トレードができるのかというと、日本から米国まで様々な外国為替市場があるため、時差のズレがあり、24時間トレードできるに過ぎないのです。各市場ごとに「癖」があるので、市場の特性を認識しておかないと正確な予測ができないのです。今回は「海外FXの勝率を上げる各国の市場の特性」について解説します。

外国為替市場の各国の営業時間帯

為替市場の各国の営業時間帯:4月~10月

為替市場の各国の営業時間帯:11月~3月

各国のサマータイム(夏時間)

  • ニュージーランド 10月第1日曜日~3月第3日曜日
  • 豪州 10月最終日曜日~3月最終日曜日
  • 欧州、ロシア 3月最終日曜日~10月最終日曜日
  • 米国 4月第1日曜日午前2時~10月最終日曜日午前2時

外国為替市場では下記の通りの順番で市場が移っていきます。

  1. ニュージーランド/ウェリントン
  2. 豪州/シドニー
  3. 日本/東京
  4. 香港
  5. シンガポール
  6. 中東
  7. 欧州
  8. 英国/ロンドン
  9. 米国/ニューヨーク

インターネットが普及して個人投資家は24時間どこかの市場でFXが可能ですが、市場参加者の主要プレイヤーは機関投資家ですので、機関投資家の「特性」によって、市場ごとの為替レートの動きにも差が出てくるのです。

市場ごとに「特性」があるということは、日本にいるFX投資家にとっては

取引をする時間帯によってチャートの動きに傾向がある

ということになります。

これを理解してトレードをしているか?どうか?だけでも判断材料の数が変わってくるため、FXの勝率にも影響があるのです。

外国為替市場の各国の市場の特性

1.ニュージーランド市場、シドニー市場の特性/日本時間:6時~8時(4月~10月)

日本時間での1日のはじまりは朝6時~7時のニュージーランド/ウェリントン市場からはじまります。

この時間帯にニューヨーク市場が閉じることになるので流動性がかなり低い市場になります。

流動性が低い → 機関投資家の動きで為替レートが一気に動く可能性がある

市場と言えます。

また、平日であればニューヨーク市場からウェリントン市場に流れるので、流動性の低下はあっても、ニューヨーク市場の市場参加者が残って取引をするのでそれほどのインパクトはありませんが、月曜日の朝6時~7時は世界中の外国為替市場の一番手でオープンする市場なのです。

土日に大きな要人発言、経済ニュースがあれば、一気に為替レートが動いた形で市場がはじまるのです。

ストップロスが多く置いてあれば、機関投資家による値動きに拍車をかけることになります。

結果として

月曜日朝6時~7時のニュージーランド市場はポジションを持つのはリスクが大きい市場

なのです。

逆に月曜日にはストップロスが駆られて急激なレートの変動があると、市場が開いてすぐにポジションを持ちなおす動きが増え、窓が閉まる方向にレートが動くのです。だからこそ、月曜日朝は窓埋めという手法が通用するのです。

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2.東京市場、香港市場、シンガポール市場の特性/日本時間:9時~15時(4月~10月)

アジアの市場では日本が一番手になります。しかし、1時間遅れで香港市場、シンガポール市場もオープンします。世界的に見るとアジア市場の主役はシンガポール市場であり、東京市場は世界的には注目されていないのです。

シンガポールは海外から企業を積極的に誘致しているので、海外FX業者もシンガポールに子会社を持つところが少なくありません、必然的にシンガポール市場の方が世界的な大手FX会社などの機関投資家が参入することが多いのです。

香港市場は逆に税金が安い為、個人投資家の取引が多い市場となっています。

  • 東京市場:対円の通貨ペアの取引が多い
  • 香港市場:個人投資家の取引が多い
  • シンガポール市場:大口の機関投資家の取引が多い

アジア市場は相場が素直に動く、テクニカル分析の予測が当たりやすい市場

という傾向があります。

3.欧州市場・ロンドン市場/日本時間:16時~21時(4月~10月)

アジア市場から取引額の少ない中東は飛ばして、欧州市場・ロンドン市場に市場は移ります。

欧州市場といっても、取引の大半はロンドン市場であるため、メインの市場は「ロンドン市場」と考えておけば問題ありません。

海外FX業者もロンドンに本社を持つ会社が少なくありません。ヨーロッパに本社がある金融機関が動き出すタイミングでもあるのです。

ロンドン市場では対ユーロの通貨ペア、対ポンドの通貨ペアが活発に取引が行われ、流動性が高くなります。

また、このタイミングで欧州の指標や経済ニュースなどが発表されるので、指標の影響で為替レートが大きく動くことも多いのです。

欧州市場・ロンドン市場は対ユーロ、対ポンドの通貨ペアでボラティリティが大きくなる市場

という傾向があります。

4.ニューヨーク市場/日本時間:22時~6時(4月~10月)

ヨーロッパ市場の終わりと時間が重なり、今度は米国系ファンドが活発に動き出す時間帯になります。

米国の雇用統計をはじめとした指標や経済ニュースの発表もこの時間帯で行われるため、ヨーロッパ市場も巻き込んでの最大の流動性が出る時間帯と言えます。

市場が移るタイミングでファンドが暴れだす!?

日本時間16時~17時頃:アジア市場が終わりに近づき、ヨーロッパ市場が始まる

アジア市場でアジアの市場参加者が買いポジションを持っていた場合、次はヨーロッパ市場ですので、欧州系のファンドが一旦大量に売りを出し、アジアの市場参加者の買いポジションを損切りさせてから、大量に買い戻すことで利益を出すケースがあります。

日本時間22時頃:ヨーロッパ市場が終わりに近づき、ニューヨーク市場が始まる

ヨーロッパ市場でのヨーロッパ市場参加者が買いポジションを持っていた場合、次はニューヨーク市場ですので、米国系のファンドが一旦大量に売りを出し、ヨーロッパの市場参加者の買いポジションを損切りさせてから、大量に買い戻すことで利益を出すケースがあります。

大口のファンドというのは動かす金額も大きいので、大量に「売り」を出してストップロス注文を狩れば、ロスカットでの「売り」の勢いもついて、利益を上げることができるのです。

ストップを狩りとってから、買い戻せば、ロスカットされた市場参加者が再度「買い」で参入してくることもあり、勢いがついて「買い」ポジションでも利益を上げることができるのです。

大口資金があるファンドだからできる鉄板の市場参入方法と言えるでしょう。

個人投資家は、このファンドのやり口にまんまとストップ狩りをされてしまうのです。

個人投資家としては、市場の特性と大口のファンドの動きを理解したうえで「利用してやる」という考え方が必要になります。

まとめ

FXは24時間の中に主戦場が目まぐるしく動き、メインプレイヤーもどんどん切り替わっていくのです。

FXは世界で戦っていることをイメージしながら、トレードをすることで勝率を上げることが可能です。スマホゲームのノリで「24時間いつでも取引ができるもの」と考えているとなかなか勝つことは難しいのです。

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