ハイレバレッジの海外FXだからこそマネーマネージメントが重要。1回の許容損失額は証拠金の2%

man4128_128海外FXに限らず、FXトレードで勝ち続けるには「マネーマネージメント」が重要になってきます。これはハイレバレッジトレードができる海外FXであれば尚更重要になる考え方なのです。今回は海外FXをやる上でのマネーマネージメントの考え方について解説します。

マネーマネージメントとは?

日本語にすれば「資金管理」です。

「資金管理なんてしてるけど?」と思う投資家の方も多いと思いますが、実際には残高を把握しているだけで、マネーマネージメントが徹底されていない投資家も多いのです。

日常生活を送っていれば、自分の給料や買い物をする時に今月はいくらまで使っていいのか?など思いを巡らせるかと思います。これもマネーマネージメントです。

FXにおけるマネーマネージメントは、なぜ必要なのでしょうか?

マネーマネージメントの必要性

損失を最小限に固定することが重要

どんなに優れたFXトレーダーであっても、勝率100%の方はいません。

それどころか、稼ぐプロのFXトレーダーであっても、勝率は50%~60%そこそこというケースが少なくありません。運用成績の高いEAでも、勝率が50%割っているものすらあるのです。

勝率が50%を切るのにもかかわらず、最終的に資産が増えていく理由は

「小さく負けて、大きく勝つ」

という運用をしているからにほかなりません。

「損切」という言葉がFXや投資でもてはやされるのは、損失を限定してトレードをすることで、安定した運用ができることが理由なのです。

初心者のFXトレーダーのよくある失敗は

「負けたら、取り返そうとして倍の金額を賭ける」

行為に出てしまうのです。こうなってしまえば、一瞬で手元のお金がどんどんなくなってしまい、すぐに退場となってしまうのです。

回数を重ねた方が精度が高くなる

大数の法則という統計学の法則があります。

6回サイコロを振って「1」の目が出る確率は、計算上は6分の1です。

実際に6回サイコロを振ってみると0回かもしれませんし、3回出るかも知れません。

しかし、これを6回ではなく、60回、600回、6000回、6万回と試行回数を増やして行けば、サイコロを振って「1」の目が出る確率は、6分の1に集約されていくのです。

「試行回数が増えれば計算した通りの結果に事象が追い付く」これが大数の法則です。

FXで置き換えてみると

勝率6割のテクニカル分析方法を持っていたとしても

10万円の資金で、1回1万円を投資して、10回しかトレードしなければ

計算上は6勝4敗になるはずですが、運が悪ければ3勝7敗になってしまうかもしれないのです。

試行回数が少ないと本来の確率通りに結果にならないのです。

100回トレードをすれば、60勝40敗に近づきます。1000回トレードすればもっと精度があるのです。

つまり、どんなに優れた作戦があったとしても、試行回数が少なくなるマネーマネージメントだと結果が出ない可能性が高まってしまうのです。

一定の回数チャレンジすることで本来の作戦の勝率が結果として現れることになります。

また、人は学習する生き物ですから、回数を重ねた方がテクニカル分析のコツをつかんで、より勝率が上がります。一定回数以上の試行ができるマネーマネージメントが求められるということです。

精神的に損失額を決めておいた方が楽

初心者トレーダーが陥る失敗は

「負けたら、取り返そうとして倍の金額を賭けてしまう」

ことです。

これはある程度経験がある中級者トレーダーでも、大きく損失を出した時にはいつもは見送っていたエントリータイミングでも、無理にポジションを持ってしまう、自分に「これはいつも通りのエントリーポジションだ。」と都合よく解釈してしまい、負けてしまうこともあるのです。

精神的なコントロールというのは簡単ではないのです。

マネーマネージメントで1回の許容損失額を○○円と決めてしまいさえすれば、後はそれを守るだけですので、精神的な負担も軽減されます。

「どんな状況下にあっても、1回のトレードにおける損失は2000円まで。」

と決めてしまえば、負けが込んだから大きくポジションを持とうとは思わないはずです。

ここでもマネーマネージメントが有効になるのです。

おすすめのマネーマネージメント手法

ロブの公式

ロブの公式とは、米国のトレーダー「ロブ・ブッカー」氏が編み出したマネーマネージメントの考え方です。

1回のトレードの最大許容損失額 = 口座残高の2%
1pipsあたりのリスク = 最大許容損失額 / 損切までの値幅(pips)
最適なポジションサイズ = 1pipsあたりのリスク × 100

という公式があります。

具体例で考えてみます。

証拠金が10万円、損切りラインが20pipsの場合

1回のトレードの最大許容損失額 = 10万円 × 2% = 2,000円
1pipsあたりのリスク = 2,000円 / 20pips = 100円
最適なポジションサイズ = 100円 × 100 = 10,000通貨

となります。

10万円の証拠金で、損切りラインを20pipsに設定した場合には10,000通貨でのトレードが最適だという計算になります。

証拠金が10万円、損切りラインが40pipsの場合

1回のトレードの最大許容損失額 = 10万円 × 2% = 2,000円
1pipsあたりのリスク = 2,000円 / 40pips = 50円
最適なポジションサイズ = 50円 × 100 = 5,000通貨

証拠金が10万円、損切りラインが10pipsの場合

1回のトレードの最大許容損失額 = 10万円 × 2% = 2,000円
1pipsあたりのリスク = 2,000円 / 10pips = 200円
最適なポジションサイズ = 200円 × 100 = 20,000通貨

証拠金が5万円、損切りラインが20pipsの場合

1回のトレードの最大許容損失額 = 5万円 × 2% = 1,000円
1pipsあたりのリスク = 1,000円 / 20pips = 50円
最適なポジションサイズ = 50円 × 100 = 5,000通貨

証拠金が5万円、損切りラインが40pipsの場合

1回のトレードの最大許容損失額 = 5万円 × 2% = 1,000円
1pipsあたりのリスク = 1,000円 / 40pips = 25円
最適なポジションサイズ = 25円 × 100 = 2,500通貨

証拠金が5万円、損切りラインが10pipsの場合

1回のトレードの最大許容損失額 = 5万円 × 2% = 1,000円
1pipsあたりのリスク = 1,000円 / 10pips = 100円
最適なポジションサイズ = 100円 × 100 = 10,000通貨

です。

  • 証拠金が増えれば増えるほど最適なポジションサイズは大きくなります。
  • 損切りラインが狭ければ狭いほど最適なポジションサイズは大きくなります。

ロブの公式のポイントは

証拠金の2%までの損失で限定するので、少なくとも50回以上のトレードができる点になります。

損切りをしたうえで、少なくとも50回の以上のトレードができる設計ですので、元々もトレード戦略自体が間違っていないければ、かなりの確率で資産を増やせるものなのです。

当然、あくまでもマネーマネージメントのルールを守ることが重要ですので

  • 資金が少ないからもう少し割合を増やして残高の3%にしよう
  • トレード戦略に確信が持てるまでは割合を減らして残高の1%にしよう

というような調整は全然問題はありません。

問題があるのは、一度決めたマネーマネージメントのルールを守らずにトレードをしてしまうということです。

プロのファンドマネージャーは、会社のリスク管理部門からマネーマネージメントの順守を求められ、それを守らなければ、減俸や休職などのペナルティ、最悪の場合、解雇にもなるほどの問題行為とされているのです。

ルールを決めるときは、柔軟に自己流を導入するのも構いませんが「決めたルールは守らなければならない。」というのが投資で儲けるコツなのです。

まとめ

マネーマネージメントでは

1回のトレードの最大許容損失額 = 口座残高の2%
1pipsあたりのリスク = 最大許容損失額 / 損切までの値幅(pips)
最適なポジションサイズ = 1pipsあたりのリスク × 100

というロブの公式を頭に入れて、最適なポジションサイズを決めることをおすすめします。

慣れてきたら、自己流に%を変更しても構いませんが、損失限定のルールを順守できないメンタルでは、到底FXトレードで稼ぐことはできないのです。

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