海外FX業者が発行するプリペイドカードを使って出金してみました。実際に手数料はどのくらいのコストになるのか?使い勝手は良いのか?体験してみました。
海外FX業者発行のプリペイドカード出金とは?
海外FX業者は
国際ブランド(主にMasterCard)と提携してプリペイドカード/デビットカード
を発行している業者があります。
プリペイドカード/デビットカードは海外FX口座と連動したキャッシュカードのようなもので
プリペイドカード/デビットカードを使ってMasterCard加盟店で買い物をする
→ 海外FX口座の残高で日本で買い物ができます。
これはデビットカードとしての使い方です。
プリペイドカード/デビットカードを使ってATMから出金する
→ 海外FX口座から日本のATMで出金ができます。
これはキャッシュカードとしての使い方です。
非常に使い勝手の良い海外FX口座の出金方法なのです。
プリペイドカード/デビットカードを発行する海外FX業者が激減
元々は、大手の海外FX業者はプリペイドカード/デビットカードを発行していました。
- XM
- AXIORY
- LAND-FX
・・・
などです。
しかし、現在はかなりその数は減ってしまい
- XM → 発行停止
- AXIORY → 発行停止
なぜかというと、日本の金融庁がMasterCardへ圧力をかけて、MasterCardが海外FX業者や海外バイナリーオプション業者と提携したカード発行を停止したのです。
金融庁も、ライセンスのいたちごっこがキリがないので、入出金手段を断つ方針に切りかえたのかもしれません。同時期にネッテラーなどの国際決済サービスも海外FX業者との提携を停止しています。
結局、主力の海外FX業者でいまだにはプリペイドカード/デビットカードを発行しているのは
のみになっています。
今回は「LAND-FX」のプリペイドカードを使った出金をしてみました。
1.「LAND-FX」のプリペイドカードを申込む
マイページの右下に「LAND-FXプリペイドカード」があるのでクリックします。
「LAND-FX Cardの申請」をクリックして情報を入力します
注意事項
- 現在の口座残高が合計50ドル以上の場合にLand-FXカードを申請することが出来ます。
- Land-FXプリペイドカードの申請時にカード発送料35ドルをMT4アカウントから差し引かせて頂きます。
- 申請後、Land-FXプリペイドカードがお手元に届くまで3週間程度かかります。
- お一人様2枚まで発行いただけますが、事前に2枚を申請する有無を日本サポートまでお知らせ下さい。
「申請が成功しました。」と表示されます。
Land-FXプリペイドカードが届きます。
2.Land-FXプリペイドカードのアクティベーション(認証作業)
Land-FXプリペイドカードが届いたら、アクティベーション(認証作業)が必要になります。
裏面の初期PINコードをスクラッチを削って確認する
カード管理画面に行く
https://cards.373finance.com/login
初期PINコードとカード番号を入力してログインする
新しいPINコードを設定する
アクティベーション(認証作業)の完了
3.Land-FXプリペイドカードの口座に資金を送金する
マイページの右下に「LAND-FXプリペイドカード」があるのでクリックします。
「資金送金」のタブから、どのMT4口座からLand-FXプリペイドカード口座へ資金を移すのか?いくら移るのか?を決めます。
注意点
クレジットカード入金で入金した残高がMT4口座に残っている場合には、Land-FXプリペイドカード口座への資金の送金はできません。これは出金時にはクレジットカード出金が優先処理されるからです。一度、クレジットカード入金分を出金してから、Land-FXプリペイドカード口座に入金する必要があります。
4.セブンイレブンのセブン銀行ATMで出金する
セブンイレブンのセブン銀行ATMに行きます。
引き出し(withdrawal)を選びます。
変更したPINコードを入力します。
金額を選択します。
出金完了です。
出金手数料はいくらになったのか?
今回のテストで入金した金額は15,000円でした。
セブン銀行ATMから出金したときのレシートでは13,019円の残高になっています。1万円分を出金しています。
順を追って手数料を逆算していくと
15,000円/日本円
↓
為替手数料:4.0%(日本円 → 香港ドル(HKD))
600円
↓
14,400円分の香港ドル(HKD)
↓
初回入金手数料:30 HKD
約432円
入金手数料/最低入金額:0.6% (最低20HKD)
90円
ATM出金手数料:1.0% (最低20HKD)
143円
為替手数料:4.0%(日本円 → 香港ドル(HKD))
555円
残高照会:5 HKD
約70円
↓
残高:13,090円
出金にかかった手数料総額:1910円
残高照会をしなければ:1840円
という計算になります。数円誤差が出ていますが、これは為替相場の変動の影響です。
結局お得なのか?
15,000円の出金
海外プリペイドカードで出金した場合
プリペイドカード出金の手数料:1840円
約12.2%
三菱東京UFJ銀行の口座に海外送金した場合
被仕向送金取扱手数料:2500円
円為替取扱手数料:1500円
1回:4,000円
ですから、半額以内に納まっています。
プリペイドカード出金の方が安い結果となっています。
ただし、
- プリペイドカード出金は出金額に連動して出金手数量が増える
- 海外送金による出金は出金額に出金手数料が連動しない
ので
高額な出金の場合は海外送金による出金の方が出金手数料が安い
ことになります。
分岐ラインは3万2600円です。
3万2600円よりも少額の出金であれば
- プリペイドカード出金の方が安い
3万2600円よりも高額の出金であれば
- 海外送金による出金の方が安い
という結論になります。
使ってみてわかる海外プリペイドカード出金のメリット
簡単に利用できる
実際にやってみると、プリペイドカードがある状態で利用するのであれば非常に簡単に出金できます。
日本の銀行のキャッシュカードでセブンイレブンで引き出しているのと何ら変わりはないのです。
簡単に出金できることもさることながら、必要な時にすぐに引き出せるメリットもあります。
海外FXの出金方法の中では利便性はかなり高いと言っていいでしょう。
使ってみてわかる海外プリペイドカード出金のデメリット
1回目の出金までの手間が多い
今回のケースでは、プリペイドカードを作るまでの手間が非常に大きかったです。
- クレジットカード入金分を出金で相殺する
- プリペイドカードを申請する
- 2週間後:プリペイドカードが届く
- プリペイドカードのアクティベーション(認証処理)をする
- プリペイドカード口座に資金を移動させる
↓
- 利用できる状態になる
という手順を踏む必要がありました。
- クレジットカード入金分があると出金できない
- アクティベーション(認証処理)で新しいPINコードを入れないとダメ
などわからない点も多く、LAND-FXのサポートに問い合わせしながらの対応でしたし、プリペイドカードの国際郵便をなかなか時間が合わずに受け取れなかったため、(日本のように再配達の細かい設定ができない。)結果2ヶ月ぐらい時間を要しています。
利用できる環境さえ作れてしまえば、後は簡単なのですがそれまでの道のりが長いのがデメリットです。
別の通貨を経由するから手数料が高くなる
以前までのプリペイドカード/デビットカードは
- 海外FX口座(日本円口座) → 日本円でATM引き出し
だったので、通貨が変わらない分、為替手数料が発生しませんでした。
しかし、今回のプリペイドカード/デビットカードの場合は
- 海外FX口座(日本円口座) → 香港ドル(HKD) → 日本円でATM引き出し
ですから
- 日本円(JPY) → 香港ドル(HKD)
- 香港ドル(HKD) → 日本円(JPY)
の往復の為替手数料が発生してしまうのです。
FXをやっている立場からすると「為替手数料4.0%ってどんだけぼったくりだよ。」と思ってしまいますが、この通貨を経由しなければならないことも含めて、金融庁の圧力を回避する方法としては致し方ないものなのだと思います。
その分、為替手数料が以前よりも高くなってしまうのでは大きなデメリットと言えます。
まとめ
海外FXのプリペイドカード/デビットカード出金では
メリット
- 日本の銀行のキャッシュカードと同じぐらい簡単に出金ができる
- 即時出金ができる出金スピード
- 少額なら手数料は海外送金よりも割安
デメリット
- プリペイドカード/デビットカードの発行や設定に時間がかかる
- 為替手数料がそれなりに発生する
- 高額なら手数料が海外送金よりも割高
という特徴が実際に利用してみてわかりました。
分岐ラインは3万2600円です。
3万2600円よりも少額の出金であれば
- プリペイドカード出金の方が安い
3万2600円よりも高額の出金であれば
- 海外送金による出金の方が安い
おすすめの方は
- 3万円以下の少額の出金をする回数が多い方
おすすめできない方は
- 3万円を超えて比較的高額の資金をまとめて出金する方
です。
興味がある方はプリペイドカード出金のできる海外FX口座を開設してみましょう。