海外FXはハイレバレッジでトレードができるため、資金力が少なくても、ある程度の通貨量でトレードが可能になります。だとすれば、勝率の高いテクニカルトレードの方が海外FXにはマッチするはずです。今回は初心者向けのテクニカルトレード方法ですが「ボリンジャーバンドと一目均衡表の遅行スパンによるシンプルトレード」でトレードすると結果はどうなるのか?1週間実験してみました。
「水平線のみを使った順張りトレード」とは?
今回のトレードテクニックでは「水平線」という、FXトレードの基本中の基本の線のみを使ったトレードです。
「水平線」とは
チャート上に水平に引いた線のこと
を言います。
「水平線だけでどうやってトレードするの?」
「水平線って、そんなに信用できるの?」
という疑問を感じる方も多いと思いますが、水平線はかなり重要なトレード指標となります。
「水平線」がなぜ、トレードで重要なのか?
理由は
多くのトレーダーが過去のチャートでの特定の数値を「目標値」として設定してトレードをするから
です。
例えば
「高値が111.25円だから、そこまでは上昇するだろう。そこで損切しよう。」
「高値が111.25円だから、そこを抜けたら、上昇トレンドはより伸びるだろう。」
「高値が111.25円だから、そこで反転するだろう。そこで売りポジションを持とう。」
・・・
と、多くの投資家が同じ「目標値」を意識してトレードをすることで
「高値」のポイントであれば
利確のための「売り」
反転狙いの「売り」
が増えて、それでも上昇するようだと
上昇トレンドを確信した「買い」
が入るようになる
と判断できるのです。
この過去のチャートの「目標値」を未来に移動させるのが「水平線」なのです。
多くの投資家が注目する「目標値」から「水平線」を引くことで、ほかの市場参加者の思惑を読むことができるのです。
今回は、多くの投資家が注目する「目標値」から
- 「高値」「安値」
- トレンド中の「山」「谷」
- 「Wトップ」「Wダウン」
- 「トリプルトップ」「トリプルダウン」
をピックアップして、「水平線」を引きます。
チャートへ「水平線」を引く方法
「高値」「安値」
トレンド中の「山」「谷」
「Wトップ」「Wダウン」
「トリプルトップ」「トリプルダウン」
チャートへ「水平線」を引く注意点
注意点その1.水平線は太い「帯」として引く
「水平線」という響きには、細長い「線」をイメージする方も多いと思います。
しかし、FXトレードで0.1pips単位の細長い「線」を引こうとしても、一つのチャート上で0.1pips単位で同じ「目標値」が出現することはほとんどありません。
「水平線」を引くときは、太い「帯」をイメージして引くべきなのです。
MT4・MT5の設定
- 線:太線
注意点その2.水平線は「ローソク足の実体」で引く
これは投資家によって見解がわかれますが
- ローソク足のヒゲで引く
- ローソク足の実体で引く
両方の考え方の投資家がいます。
今回のトレード手法では
- ローソク足の実体で引く
方法を採用します。
ヒゲは、一瞬の値動きを示してしまうため、実体の方が水平線には向いていると考えます。
注意点その3.ローソク足の数は5本程度に抑える
チャート上に引いてよいローソク足の数を制限することが重要です。
20本、30本、引こうと思えば引くことができますが、一つのチャートに10本以上の水平線があると、どれが、どういう役割のある「水平線」かわからなくなってしまうため、うまく「水平線」が機能しなくなります。
- 「水平線」を引くときは、一つのチャートに最大5本
と考えましょう。
古い「水平線」はどんどん削除して、新しい水平線に更新していく必要があります。
「水平線のみを使った順張りトレード」手法の考え方
基本の考え方は前述した
「高値」のポイントであれば
利確のための「売り」
反転狙いの「売り」
が増えて、それでも上昇するようだと
上昇トレンドを確信した「買い」
が入るようになる
という動きに乗っかってトレードをする順張りトレードです。
一定の「目標値」では
- 「目標値」に達すると一旦反発する注文が入る
- 「目標値」の内側に戻る
- 「目標値」を再度超えると強いトレンドが発生する
という傾向が強いのです。
つまり、
上昇トレンドが発生しているときに
「水平線」を下から上に超える
「水平線」の下に一旦戻る
「水平線」を再度下から上に超える
→ 「買い」エントリー
下降トレンドが発生しているときに
「水平線」を上から下に超える
「水平線」の上に一旦戻る
「水平線」を再度上から下に超える
→ 「売り」エントリー
と判断します。
チャート上では「N字」の形で実際レートが推移するタイミングで、順張りでエントリーする形です。
「水平線のみを使った順張りトレード」手法とは?
ルールその1.「水平線」を引く
- 「高値」「安値」
- トレンド中の「山」「谷」
- 「Wトップ」「Wダウン」
- 「トリプルトップ」「トリプルダウン」
をピックアップして、「水平線」を引きます。
ルールその2.「水平線」でN字を形成したら、エントリーするb
上昇トレンドが発生しているときに
「水平線」を下から上に超える
「水平線」の下に一旦戻る
「水平線」を再度下から上に超える
→ 「買い」エントリー
下降トレンドが発生しているときに
「水平線」を上から下に超える
「水平線」の上に一旦戻る
「水平線」を再度上から下に超える
→ 「売り」エントリー
ルールその3.次に引いた「水平線」にタッチしたら利確
「買い」ポジション保有時
- → 一つ上の「水平線」にタッチしたら「利確」
「売り」ポジション保有時
- → 一つ下の「水平線」にタッチしたら「利確」
次の「水平線」がないときは、少しチャートを戻って、利確になる「目標値」に新たに「水平線」を引きます。
ルールその4.元の「水平線」にタッチしたら損切
予想に反して、トレンドが伸びずに元の「水平線」に戻ってきたら損切します。
「水平線のみを使った順張りトレード」のメリット
- 勝率が高い
- エントリー、エグジットタイミングが明確
「水平線のみを使った順張りトレード」のデメリット
- 水平線の引き方に大きく個人差が出る
- トレード機会が少ない
「水平線のみを使った順張りトレード」実験レポート
検証条件
採用したチャート
- 5分足
- 米ドル/円
採用したルール
- 「水平線」を下から上に超えて、一旦「水平線」の内側に戻り、再上昇したら「買い」エントリー
- 「水平線」を上から下に超えて、一旦「水平線」の内側に戻り、再下降したら「売り」エントリー
- 次の「水平線」にタッチしたら利確
- 元の「水平線」にタッチしたら損切
検証期間
2019年2月25日~2019年3月1日
2019年2月25日
ポジション方向「買い」
エントリー:110.718
エグジット:110.849
+13.1pips儲け
2019年2月26日
ポジション方向「売り」
エントリー:110.982
エグジット:110.791
+19.1pips儲け
ポジション方向「売り」
エントリー:110.786
エグジット:110.67
+11.6pips儲け
ポジション方向「売り」
エントリー:110.559
エグジット:110.579
-2.0pips損失
2019年2月27日~2019年2月28日
ポジション方向「売り」
エントリー:111.002
エグジット:110.823
+17.9pips儲け
ポジション方向「売り」
エントリー:110.818
エグジット:110.684
+13.4pips儲け
2019年2月28日~2019年3月1日
ポジション方向「買い」
エントリー:111.483
エグジット:111.632
+14.9pips儲け
ポジション方向「売り」
エントリー:111.894
エグジット:111.913
-1.9pips損失
結果
勝敗:6勝2敗
損益:+86.1pips
考察
勝率が高い
- 勝率:75%
「水平線のみを使った順張りトレード」は、ほかの投資家の注目するポイントでの「押し目買い」「戻り売り」トレードであり、順張りトレードなので、高い勝率が期待できるトレード手法です。
トレード機会が少ない
高い勝率が期待できる反面、トレード機会が少ないトレード手法でもあります。
- 見る通貨ペアを増やす
- 見る時間足を増やす
など工夫をして、トレード機会を増やす必要があります。
「水平線」の引き方に個人差が出る
「水平線」は、前述した通りで「帯」として、アバウトに引かなければなりません。
- アバウトに引く → 引く人によって大きく個人差が出る
ということでもあります。
結果として、勝率や損益も、人によってバラバラになってしまうトレード手法なのです。
まとめ
「水平線のみを使った順張りトレード」では
- 勝率が高い
- トレード機会が少ない
- 「水平線」の引き方に個人差が出る
という特徴があるトレード手法です。
「水平線」を使ったトレード手法は、引く人によって個人差がでるので初心者にはすすめにくいトレード手法ですが、今回のトレード手法は、チャートのテクニカル分析の基本中の基本が入ったトレード手法です。扱いにくくても、初心者の方がこの手法を使いこなせれば、かなりテクニカル分析のスキルが上がるはずです。試してみる価値があるトレード手法と言えます。