海外FX業者には国内FX業者にはないサービスがあります。その中の一つに「ソーシャルトレード(コピートレード)」というものがあります。日本国内のFX業者では、取り扱っているところは、1社、2社しかないレベルです。今回は、このソーシャルトレード(コピートレード)について解説します。
海外FXソーシャルトレード(コピートレード)とは?
ソーシャルトレードというのは、twitter、facebook、instagramのようなSNSの仕組みを用いて、トレードできるプラットフォームのことで
優秀なトレーダーを「フォロー(コピー)」することで、完全にその優秀なトレーダーと同じタイミングで注文ができるトレード手法のこと
を言います。
「フォロー(コピー)」されるトレーダーは運用成績を公開しているので、自分が「この人のトレードをコピーしたい。」と判断したら、フォローすれば、自分の口座で自動的にそのトレーダーの注文が同じタイミングで発生するのです。
「フォロー(コピー)」されるトレーダーのことを「ストラテジープロバイダー」と言います。
「でも、優秀なトレーダーと自分では証拠金の額が違うのでは?」
問題ございません。
- 運用資産100万円の「ストラテジープロバイダー」が110.54円で1ロット(10万通貨)の買い
を入れた場合
「フォロー(コピー)」したトレーダーの運用資産が10万円だとしたら
- 「フォロー(コピー)」したトレーダーは、110.54円で0.1ロット(1万通貨)の買い
が入ることになります。
「フォロー(コピー)」される注文は、資産割合に応じて決定される
ため、資産の多い少ないは関係ないのです。
公開される成績ってどんな情報があるの?
利用するソーシャルトレード(コピートレード)のプラットフォームによって、異なりますが、下記のようなものが「ストラテジープロバイダー」ごとに表示されます。
例:HFMarkets/HFコピー
インドネシア
SANGGA_LANGITさん
- 運用開始:2018年8月1日
- 利益:2875.9%
- 最大ドローダウン:11.3%
- フォロワー(コピーしている投資家):400人
- 報酬:30%(利益の30%)
資産情報
- 初期残高:500.0 USD
- 出金額:2652.0 USD
- 利益総額:3583.53 USD
- 現在残高:1435.63 USD
取引情報
- 取引回数:323回
- 勝ち:286回
- 負け:37回
- 勝率:88.54%
- 平均利益: 14.99 USD
- 平均損失: -18.9 USD
- 平均取引量:0.08
- 平均取引期間:32H 11m 34s
どの情報を重要視するかというと・・・
- 利益 → どのくらいの収益成果があるか?
- 最大ドローダウン → 運用中のどのくらいの損失を許容できるか?
- 取引回数 → 運用成績の精度が高いか?低い?
- 勝率 → 負けにくいストラテジープロバイダーかどうか?
などを重視します。
何を重視してストラテジープロバイダーを選ぶかは、人によって異なりますが、おおむね上記の情報はチェックして比較検討しているはずです。
ソーシャルトレード(コピートレード)を使う場合の費用はどうなっているの?
利用するソーシャルトレード(コピートレード)のプラットフォームによって、異なりますが、前述したHotForex/HFコピーの場合は下記のように記載されています。
HFMarkets/HFコピーの手数料計算
フォロワーからストラテジープロバイダーに支払われるパフォーマンス手数料
ストラテジープロバイダーは、ストラテジープロバイダーアカウントの開設時に、最高50%(50パーセント)までのパフォーマンスフィーのパーセンテージを選択します。
フォロワーは、自分のポジティブなパフォーマンスに基づいて従うことを選択したストラテジープロバイダーにパフォーマンスフィーを支払う義務があります。つまり、マイナスのパフォーマンスの場合、ストラテジープロバイダーはパフォーマンスフィーを受け取らないものとします。
パフォーマンス料金は以下の式に従って計算されます。
フォロワーからストラテジープロバイダーに支払われるパフォーマンス手数料 = (フォロワーの利益 - フォロワーの損失) × ストラテジープロバイダーが選んだパフォーマンス料%
例A:
ストラテジープロバイダーAが選択したパフォーマンスフィーは20%
フォロワーAの利益= 1,000 USD
フォロワーA損失= 0 USD(1,000 - 0) × 20% = フォロワーがストラテジープロバイダに支払う200 USD
例B:
ストラテジープロバイダーBが選択したパフォーマンスフィーは25%フォロワーBの利益= 1,000 USD
フォロワーBの損失= 500 USD(1,000- 500)× 25% = 125 USDがフォロワーからストラテジープロバイダーに支払われる
例C:
ストラテジープロバイダーCが選んだパフォーマンスフィーは30%フォロワーCの利益= 1,000 USD
フォロワーCの損失= 1,200 USD(1,000- 1,200)× 30% = -60 USD
したがって、マイナスのパフォーマンスに対して、フォロワーからストラテジープロバイダーに支払われる手数料はありません。
つまり、
- ストラテジープロバイダーの報酬は、利益の0%~50%
- ストラテジープロバイダーが決定した報酬率に、フォロワーが同意する形でコピーがはじまる
- 利益がでない場合は、ストラテジープロバイダーに報酬は支払われない
ということを意味してます。
ストラテジープロバイダーは、利益がでなければ「ただ働き」になってしまうので、必死にトレードしてくれるのです。
日本の投資信託などの場合は、勝とうか負けようが必ず手数料が発生してしまいます。それと比較すれば、かなり誠実な報酬設計と言えます。
ソーシャルトレード(コピートレード)を利用できる海外FX業者
Traderstrust/ソーシャルトレーダー
ストラテジープロバイダー一覧
ストラテジープロバイダー運用成績
HFMarkets/HFコピー
ストラテジープロバイダー一覧
ストラテジープロバイダー運用成績
FBS/FBSコピートレード
ストラテジープロバイダー一覧
ストラテジープロバイダー運用成績
myfxbook/Autotrade
ストラテジープロバイダー一覧
ストラテジープロバイダー運用成績
myfxbookは、海外FX業者ではありませんが、ソーシャルトレード(コピートレード)のプラットフォームがあり、多くの海外FX業者がこれに相乗りする形で、ソーシャルトレード(コピートレード)が利用できるようになりっています。
MT4・MT5シグナル
ストラテジープロバイダー一覧
ストラテジープロバイダー運用成績
MT4・MT5にも、「シグナル」という機能があり、これを利用するとソーシャルトレード(コピートレード)が利用できるようになります。
海外FXのソーシャルトレード(コピートレード)とシステムトレードは何が違うの?
実は、ソーシャルトレード(コピートレード)とシステムトレードを比較することで、FXソーシャルトレード(コピートレード)のメリットが見えてきます。
システムトレードとは?
売買のタイミングをプログラミングで自動化するトレード手法のこと
ソーシャルトレード(コピートレード)とは?
優秀なトレーダーと同じタイミングでコピーすることで、トレードを自動化できるトレード手法のこと
です。
大きな違いは
- システムトレード → 「機械」がトレードする
- ソーシャルトレード → 「人」がトレードする
という点です。
システムトレードにも、優秀なストラテジーはたくさんあるのですが・・・
「機械」だからこそ
プレグジット、テロ、震災、リーマンショック、トランプ大統領就任・・・などの経済的なニュースの時は正常に機能しないのです。そのため、システムトレードの場合は、大きな経済ニュースがあるときは、「停止す7る」という運用が必要になるのです。
また、「機械」だからこそ、トレンドにはついていけません。
FXトレードの世界でも、ファッションのようなトレンドがあります。
通貨の売買は世界規模で起こるものですが、当然、時代時代に合わせて、人気の取引手法などが出てきます。人気の取引手法を利用する投資家が増えれば増えるほど、「勝ち方」も変わってくるのです。
昔、通用していたシステムトレードのストラテジーが未来にわたっても、通用するものではないのです。
ソーシャルトレード(コピートレード)は、「人」がトレードするものですから
テクニカル分析中心のトレーダーだとしても、大きなタイミングでのファンダメンタルズ分析はできます。つまり、経済ニュースに対して「取引を辞める」「経済ニュースを理解して取引をする」というのは、トレーダーの判断で、都度選択することができるのです。
また、FXトレードのトレンドにも、敏感に対応していくことができます。それどころか、通常であれば、トレーダーは、投資歴が長くなればなるほど、スキルは上がっていきます。運用成績も上がるのです。
ソーシャルトレード(コピートレード)の方が
- 完全に放置でも、不測の事態に対応してくれる
- 経済ニュースの意図を理解してトレードしてくれる
- フォローしているトレーダー自体のスキルが年々上昇する
というメリットがあるのです。
筆者の見解では
システムトレードは、システムを運用するという手間、スキルが必要になるので、完全にお任せにはできないデメリットがありますが、ソーシャルトレード(コピートレード)であれば、優秀なストラテジープロバイダーを見つけさえすれば、十分に利益を出し続けてくれるトレード手法である
と考えます。
ソーシャルトレード(コピートレード)の注意点
注意点その1.少しの遅延は発生する
基本的には
ソーシャルトレード(コピートレード) = ストラテジープロバイダーの注文をコピーするもの
として認識されていますが
仕組みとしては
- ストラテジープロバイダーが注文する
- ストラテジープロバイダーの注文情報がストラテジープロバイダーのサーバーから、海外FX業者のサーバーに伝達する
- 海外FX業者のサーバーから、フォロワーのサーバーに注文の指示をする
- フォロワーのサーバーから海外FX業者のサーバーへ注文依頼が伝達される
形になっているので
情報の伝達で「遅延」が発生してしまうのです。
- ストラテジープロバイダーのサーバー
- 海外FX業者のサーバー
- フォロワーのサーバー
の地理的な距離が大きければ大きいほど、この「遅延」は大きいものとなり、パフォーマンスに差が出てきてしまうのです。
対策としては
- 海外FX業者のサーバーに近いサーバーでトレードできるVPSサーバーを利用する
- 海外FX業者が運営しているソーシャルトレード(コピートレード)を利用する
という形が取れます。
注意点その2.利用している海外FX業者が違うとパフォーマンスに差が出る
ソーシャルトレード(コピートレード)には
- 海外FX業者が運営しているもの
- システム会社などが運営しているもの
の2種類があります。
海外FX業者が運営しているもの
- HFMarkets
- FBS
- TTCM
システム会社などが運営しているもの
- MT4・MT5のメタトレーダー
- myfxbook
などがあります。
つまり、
システム会社などが運営しているソーシャルトレード(コピートレード)の場合
スプレッドも
約定スピードも、
ストラテジープロバイダーとフォロワーは異なる状態でトレードしなければならない
ということを意味します。
スプレッドも、約定スピードも、異なる環境では、パフォーマンスも同じにならないのです。
これを回避するには
- 海外FX業者が運営しているソーシャルトレード(コピートレード)を選ぶ
べきなのです。
海外FX業者が運営しているソーシャルトレード(コピートレード)おすすめランキング
HFMarkets/HFコピー
HFMarketsの概要
HFMarketsは、HF Markets (SV) Ltd社が運営している海外FX業者です。HFMarketsは、キプロスに本社があり、セントビンセントおよびグレナディン諸島の金融ライセンスSVG/IBCのライセンスでサービス提供しています。2010年に設立され、50万口座以上の口座数を保有する比較的規模の大きい海外FX業者です。
サービス面では「5種類の口座が用意されている」「ゼロスプレッド口座はかなり狭いスプレッド設定」「最低入金額は5ドル(約500円)と少額」「レバレッジは最大1000倍」「口座開設ボーナスあり」「入金ボーナスあり」「無料VPSあり」「オートチャーティストが利用可能」「500万ユーロを上限とする民事賠償保険に加入」という特徴があります。
スプレッドは、ゼロスプレッド口座、プレミアム口座であればかなり狭い設定ですが、それ以外の口座の場合は、それほど狭いスプレッドとは言えません。
ただし、口座開設ボーナスがあること、最低5ドルから入金できること、教育コンテンツが充実していること、会社の信頼性は高いことから、初心者の方にはおすすめできる海外FX業者となっています。
FBS/FBSコピートレード
FBSの概要
FBSは、Mitsui Markets Ltd社が運営している海外FX業者です。金融ライセンスは保有しておらず、バヌアツの法人登記で営業しています。
比較的歴史の長い海外FX業者で、190以上の国でサービス展開し、1500万人以上の投資家、年間5億ドルの取引をしているかなり規模が大きい海外FX業者です。投資家の継続率も80%を超えるなど、投資家からの評価も高くなっています。
大きな特徴は、最大レバレッジは3,000倍、最低入金額は1ドルという「セント口座」から、最小スプレッド0.0pips~の「ゼロスプレッド口座」、取引手数料6ドルで米ドル/円のスプレッド:0.3pipsでトレードが可能な「ECN口座」まで、幅広い口座を持ち、初心者から上級者まですべての層をカバーしたトレード環境を用意していることです。
さらに、MT4、MT5や独自のトレードプラットフォーム「FBS Trader」、独自のコピートレードプラットフォームもあります。
口座開設ボーナス100ドル、入金ボーナス100%、追加ボーナス100%という手厚いボーナスも人気の理由です。
Traderstrust/ソーシャルトレーダー
Traderstrustの概要
Traderstrustは、TTCM CAPITAL MARKETS LTD社が運営している海外FX業者です。キプロスに本社があり、キプロス証券取引所(CySEC)に認可を受けていましたがCySECの規制が厳しくなったため、バヌアツ共和国に運営会社を移管して日本人向けのサービスを提供しています。ヨーロッパ各国(英国、ドイツ、フランス、スペイン、イタリア、スウェーデン、オランダ、デンマーク、ハンガリー、ポーランド)の規制当局に登録されていて、元々CySECの基準でサービス提供をしていたので信頼性の高い海外FX業者と言って問題ありません。
最大の特徴は「信頼性の高さ」と「定評のあるマネージド・アカウント・プログラム(PAMM・MAM)」「40ミリ秒以内に取引の99.9 %が約定する約定力」です。スプレッドはそれほど狭くはありませんが、専門アナリストチームによるPAMMの運用に定評のある海外FX業者です。
マネージド・アカウント・プログラム(PAMM・MAM)では、5,000ドルから年間収益45%が狙えるダイナミック(ドローダウン: 最大35%)が利用できるので、マネージドアカウントとしては参加ハードルは低めに設定されています。
どちらかというとマネージド・アカウント・プログラム(PAMM・MAM)を利用するような投資家をターゲットにしているため、口座の種類はライブ口座一つしか用意していません。その分、情報公開や規制、情報ツール、セミナー、ウェブセミナー、コピートレーダーなどの充実に力を入れており、さらに「40ミリ秒以内に取引の99.9 %が約定する約定力」「最大2万ユーロまでの信託保全」など、中級者以上の投資家に好まれるサービス設計をしています。
初心者投資家向けのボーナスなどは用意していませんが、信頼性と専門性の高さでおすすめできる海外FX業者です。
まとめ
海外FXのソーシャルトレード(コピートレード)とは
優秀なトレーダーのトレードをコピーして、自動的に売買できるトレード手法のこと
を言います。
システムトレードと違って「人」がトレードするので
- 完全に放置でも、不測の事態に対応してくれる
- 経済ニュースの意図を理解してトレードしてくれる
- フォローしているトレーダー自体のスキルが年々上昇する
というメリットがあるので
- なかなか勝てないトレーダー
- 初心者トレーダー
- トレードの時間がとらないトレーダー
でも、高いレベルのトレードができるトレード手法なのです。ぜひ、少額からでも、一度試してみてはいかがでしょうか。