海外FXはハイレバレッジでトレードができるため、資金力が少なくても、ある程度の通貨量でトレードが可能になります。だとすれば、勝率の高いテクニカルトレードの方が海外FXにはマッチするはずです。今回は初心者向けのテクニカルトレード方法ですが、勝率の高い順張りトレード「トレンドラインを引いた順張チャネルトレード」だけでトレードするとどうなるのか?1週間実験してみました。
「トレンドラインを引いた順張チャネルトレード」とは?
オーソドックスな順張りのテクニカルトレード手法です。
為替相場は一直線にレートが動くことはほとんどなく、基本的には蛇のように波打ちながらトレンドを形成します。トレンドが発生しても、その中で蛇行しながらレートは動くのです。
- 上昇トレンド発生時に安値を結んだ線が上昇トレンドライン(サポートライン)
- 下降トレンド発生時に高値を結んだ線が下降トレンドライン(レジスタンスライン)
- トレンドラインを反対側に引いた線がアウトライン
- トレンドラインとアウトラインの幅をチャネル
と言います。
「トレンドラインを引いた順張チャネルトレード」では
トレンドライン付近でエントリー
アウトライン付近で利確
トレンドラインを抜けてしまったら損切り
とシンプルにトレードをします。
トレンドラインは比較的一直線に並ぶことが多く、アウトラインは凸凹になることが多い為、トレンドラインでのエントリーは正確に行い、アウトラインはその時の状況を判断して、柔軟に判断する形が求められます。
「トレンドラインを引いた順張チャネルトレード」のメリット
- 大きなトレンドに乗っかっているので勝率が高いこと
- トレンドラインを抜けても、はじめから傾きがあるので大きな損失につながらずに損切りが可能
「トレンドラインを引いた順張チャネルトレード」のデメリット
- トレードチャンスが少ないこと
- 大きなpipsを稼げる手法ではないこと
- トレンドを判断してトレンドラインを引くのに時間がかかるためトレンドの終わりに差し掛かっていることも多い
ことが挙げられます。
海外FXの場合はハイレバレッジトレードが可能になるため、大きなpipsを稼げなくても、取引量がおおきければ実益は大きくなるため、勝率を重視した「トレンドラインを引いた順張チャネルトレード」は有効だと考えられるのです。
「トレンドラインを引いた順張チャネルトレード」で注意すべきこと
トレンドラインを抜けたら即損切り
トレンドラインは比較的一直線に並びやすいので、トレンドラインを抜けたら即損切りで対応することをおすすめします。
トレンドの傾きがあるため、トレンドラインを抜けて損切りをしても、実際はエントリー時の価格とほとんど価格差がないことも多いので、見切りを早くすれば負け幅が非常に少なく収まるからです。
アウトラインは伸びるときは利確を待っても良い
一方で、アウトラインは比較的凸凹になります。伸びるところまで伸びきってしまうときもあるので、利確を焦りすぎる必要はありません。ポジションの一部を解消して利確した上で、残りは持ち続けるようなトレードの仕方もおすすめです。
「トレンドラインを引いた順張チャネルトレード」/実験レポート
検証条件
採用したチャート
- 移動平均線(MA):20MA、50MA、100MAで表示(設定:種別Simple)
- 一目均衡表:(設定転換線9、基準線26、先行スパンB52)
- 5分足
- USD/CHF
採用したルール
- 20MA、50MA、100MAが同じ方向を向いたときに「トレンド発生」と考える
- ヒゲは無視して、終値でトレンドラインを引く
- アウトラインはトレンドラインと平行にアバウトに引く
- トレンドラインにタッチしたときに「エントリー」
- アウトライン近辺で「エグジット」
- トレンドラインを抜けてしまった場合トレンド終了として「エグジット」
検証期間
2016年10月4日~2016年10月12日
10月4日
ポジションの方向:売り
エントリー:97.746
エグジット:97.621
11.5pipsの儲け
ポジションの方向:売り
エントリー:97.731
エグジット:97.820
8.9pipsの損失
10月6日
ポジションの方向:買い
エントリー:97.795
エグジット:98.175
38.0pipsの儲け
ポジションの方向:買い
エントリー:98.058
エグジット:98.010
4.8pipsの損失
10月10日
ポジションの方向:売り
エントリー:97.846
エグジット:97.760
8.6pipsの儲け
10月11日
見送り
10月12日
ポジションの方向:買い
エントリー:98.642
エグジット:98.882
24.0pipsの儲け
ポジションの方向:買い
エントリー:98.829
エグジット:98.802
2.7pipsの損失
結果
勝敗:4勝3敗
合計:65.7pipsの儲け
考察
勝率は高くないが大きく勝って小さく負けられる
トレンドラインを引くまでに時間がかかってしまうため、トレンドの終わりに差し掛かるケースが少なくありませんでした。
トレンドが終わるタイミングでは「負け」、トレンドが続けば「勝ち」なのですが、トレンドの終盤にやっとエントリーができるとなると、勝率自体は5分5分ぐらいになってしまいます。
ただし、上手くいけば大きなpipsが狙えて、失敗してもトレンドライン自体に傾きがあるため、トレンドラインを抜けたとしても、レート自体はそれほどエントリー時から動いていないことも多く、損失は限定された結果となっています。
小さく負けて大きく勝つを地で行くトレード戦略とも言えます。
あまりトレードの回数は増やせない
5分足で見ても、1日1回エントリータイミングがあるかどうか?というトレード方法ですので、トレード回数は増えません。
着実にタイミングを見計らってエントリーするという形になります。
トレンドラインを抜けたときは確率高くトレンドが転換している
今回のテスト期間では、トレンドラインを抜けた場合には逆方向のトレンドが発生するケースが多かったため、今回のテストでは順張りだけなので無視しましたが、トレンドラインを抜けたタイミングで逆張りをすることも、一つの方法だと考えられます。
まとめ
「トレンドラインを引いた順張チャネルトレード」は勝率は高くないものの「大きく勝って小さく負ける」というFXの定石を体現できるトレード手法です。
トレンドラインの考え方は基本中の基本ですので、基本を理解するためにも初心者の方にはおすすめできるトレード手法と言えます。