海外FXはハイレバレッジでトレードができるため、資金力が少なくても、ある程度の通貨量でトレードが可能になります。だとすれば、勝率の高いテクニカルトレードの方が海外FXにはマッチするはずです。今回は初心者向けのテクニカルトレード方法ですが、「基準線と転換線の仲値クロストレード」だけでトレードするとどうなるのか?1週間実験してみました。
「基準線と転換線の仲値クロストレード」とは?
基準線とは?
- 緑色の線:基準線
- 黄色の線:転換線
です。
これって移動平均線(MA)とは違うの?
- 移動平均線(MA):黒の点線
移動平均線は平均値、基準線・転換線は仲値(中間値)を基準にしているため、移動平均線(MA)の方はなだらかな曲線となります。一方で基準線・転換線は仲値をプロットしているだけなので、チャート同じように比較的ギザギザで推移します。
移動平均線も、基準線・転換線も、過去の価格をプロットするラインとしては同じ性質を持つテクニカル分析ですが
- 移動平均線の方がなめらかな曲線のためより確実なトレンドを捕捉しやすい
- 基準線・転換線は急激な相場変化も反映される
という特徴があります。
「基準線と転換線の仲値クロストレード」とは?
移動平均線でのゴールデンクロス、デッドクロスがあるのであれば、より機敏に相場をつかみ取れる基準線・転換線でもゴールデンクロス、デッドクロスが適用されるはずです。
今回はシンプルに
転換線が基準線を上に抜ける → 「買い」エントリー/「売り」ポジションの決済
基準線が転換線を上に抜ける → 「売り」エントリー/「買い」ポジションの決済
というだけのシンプルなトレードで試してみます。
精度を上げるためには、同じ一目均衡表の「遅行スパン」「雲」と組み合わせながら、トレードをしていくべきですが、今回は検証ですのでシンプルなエントリータイミングでジャッジをします。
「基準線と転換線の仲値クロストレード」のメリット
- 相場の転換点でのエントリーなのでトレンド発生時に大きく勝てる
- エントリータイミングがわかりやすい
「基準線と転換線の仲値クロストレード」のデメリット
- 相場の転換点でのエグジットなので、急落、急騰したときに決済やエントリーが追い付かない
ことが挙げられます。
「基準線と転換線の仲値クロストレード」で注意すべきこと
だましもあるが気にせずルール通りにエントリーする
トレンドの転換点でエントリーするので、だましも発生しますが、その分トレンドが予想通りに発生した場合には大きく勝てる可能性があるトレード手法です。だましをそれほど気にする必要はなく、孫勝利大で稼ぐトレード手法と割り切りましょう。
決済とエントリーを同時に行う
基準線と転換線がクロスしたときは、持っているポジションの決済タイミングと同時に逆方向でエントリーするエントリータイミングでもあります。同時にできるように準備が必要です。
「基準線と転換線の仲値クロストレード」/実験レポート
検証条件
採用したチャート
- 一目均衡表:(基準線26、転換線9)
- 15分足
- USD/JPY
採用したルール
- 転換線が基準線を上に抜ける → 「買い」エントリー/「売り」ポジションの決済
- 基準線が転換線を上に抜ける → 「売り」エントリー/「買い」ポジションの決済
検証期間
2017年5月3日~2017年5月10日
5月3日
ポジションの方向:買い
エントリー:112.671
エグジット:112.771
10.0pipsの利益
5月4日
ポジションの方向:売り
エントリー:112.775
エグジット:112.803
2.8pipsの損失
ポジションの方向:買い
エントリー:112.801
エグジット:112.864
6.3pipsの利益
ポジションの方向:売り
エントリー:112.702
エグジット:112.513
18.9pipsの利益
5月5日
ポジションの方向:買い
エントリー:112.518
エグジット:112.506
0.7pipsの損失
ポジションの方向:売り
エントリー:112.471
エグジット:112.280
29.1pipsの利益
ポジションの方向:買い
エグジット:112.286
エグジット:112.587
30.1pipsの利益
5月9日
ポジションの方向:売り
エントリー:113.207
エグジット:113.313
10.6pipsの損失
ポジションの方向:買い
エグジット:113.324
エグジット:113.865
54.1pipsの利益
5月10日
ポジションの方向:売り
エントリー:113.868
エグジット:113.841
2.7pipsの利益
ポジションの方向:買い
エグジット:113.846
エグジット:113.860
1.4pipsの利益
ポジションの方向:買い
エグジット:113.801
エグジット:113.876
7.5pipsの利益
ポジションの方向:売り
エントリー:113.872
エグジット:113.876
0.4pipsの損失
ポジションの方向:買い
エグジット:113.881
エグジット:114.163
28.2pipsの利益
5月11日
ポジションの方向:売り
エントリー:114.158
エグジット:114.171
1.3pipsの損失
ポジションの方向:売り
エントリー:114.175
エグジット:113.819
38.6pipsの損失
結果
勝敗:11勝6敗
合計:211.1pipsの儲け
考察
十分な勝率と損益が出た
今回の実験では
- 利益が出たときの平均値:+20.6pips
- 損失が出たときの平均値:-3.2pips
でした。
トレンドの転換点をいち早く察知できるトレード手法なので、上手くトレンドが発生したときには大きなpipsが稼げる手法となっています。
勝敗も決して悪くなく、11勝6敗であれば十分と言っていいでしょう。調査期間はすごくきれいにトレンドが発生していたので、勝率も高かったことが予想されますが、レンジ相場続くときにも検証が必要と感じました。
気をつけなければならないのはクロスを見逃さないこと
移動平均線よりも、基準線と転換線は瞬時に為替レートの変動をつかみ取る分、急落、急騰しながらクロスするケースがあります。
当然、ここでエグジットが遅れる、エントリーが遅れることがあれば、その分、pipsは小さくなり、勝率も下がってしまうのです。
常に緊張感を持ってトレードしなければいけないトレード手法と言えます。
精度を高められる余地も大きい
基準線と転換線は一目均衡表の一つの指標であって
一目均衡表は
- 基準線
- 転換線
- 遅行スパン
- 雲
がセットになっているものです。各指標の相性も良く、遅行スパンや雲の状態も踏まえて、エントリータイミングを測れれば、だましを回避して勝率を上げられる可能性は高いのです。
まとめ
「基準線と転換線の仲値クロストレード」は今回の検証期間では十分な利益を出したトレード手法となっています。
初心者でも、エントリータイミングが一目瞭然にわかるので活用しやすいトレード手法と言っていいでしょう。
また、他の指標との組み合わせ精度を上げられる余地もたくさん残っているので中級者、上級者の投資家にとっても、今一度、移動平均線よりも重視すべきテクニカル指標として、検討してみることもおすすめできます。