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海外FXはハイレバレッジでトレードができるため、資金力が少なくても、ある程度の通貨量でトレードが可能になります。だとすれば、勝率の高いテクニカルトレードの方が海外FXにはマッチするはずです。今回は初心者向けのテクニカルトレード方法ですが「一目均衡表の雲と平均足を使った順張りトレード」でトレードすると結果はどうなるのか?1週間実験してみました。
「一目均衡表の雲と平均足を使った順張りトレード」とは?
今回の「一目均衡表の雲と平均足を使った順張りトレード」では「一目均衡表」と「平均足」を利用します。
「平均足」とは?
「高値」「安値」「始値」「終値」の平均値を利用してローソク足のような形状を表示させたチャートのこと
を言います。
「平均足」と「ローソク足」は形状は似ていますが、使っている「始値」「終値」の計算方法が異なります。
「平均足」と「ローソク足」の各項目の違い
「ローソク足」
- 始値:最初についた値段
- 終値:最後についた値段
- 高値:もっとも高い値段
- 安値:もっとも安い値段
「平均足」
- 始値:一つ前の足の「始値」と「終値」の平均値
- 終値:4本値の平均値
- 高値:もっとも高い値段
- 安値:もっとも安い値段
「ローソク足」と「平均足」の違いは
始値
- 「ローソク足」:最初についた値段
- 「平均足」:一つ前の足の「始値」と「終値」の平均値
終値
- 「ローソク足」:最後についた値段
- 「平均足」:4本値の平均値
という違いがあります。
当然ですが、「ローソク足」は実勢レートに基づいて「始値」「終値」が決まっているのに対して、「平均足」は前のローソク足の値に引っ張られて「始値」が決まり、「終値」も、すべての4本値の平均値で決まります。
「平均足」は平均値をベースにしているため、「ローソク足」と比較して、チャートの動きが滑らかに表現されるのです。
「平均足」の場合
「陽線」「陰線」が連続しやすい ≒ トレンドの方向がわかりやすい
というものになります。
「ローソク足」のチャート
「平均足」のチャート
同じチャートでも、明らかに「平均足」の方が
- 上昇トレンドでの「陽線(青)」が連続する
- 下降トレンドでの「陰線(赤)」が連続する
傾向が見て取れます。
「平均足」は明確にトレンドが表現され、ぱっと見でトレンドがわかるメリットがあるのです。
MT4/MT5の設定
インジケーターの「Heiken_Ashi」を選択
そのまま「OK」を押します。
このままだと「ローソク足」と「平均足」が重なってチャート表示されてしまうため、「ローソク足」から「ライン」に変えておきます。
「平均足」と「ライン」のみがチャートに表示されます。
「一目均衡表」とは
- 転換線:過去9日分のローソク足の高値と安値の中間値
- 基準線:過去26日分のローソク足の高値と安値の中間値
- 遅行スパン:終値を26日過去にずらした線
- 先行スパン1:当日の転換線と基準線の中間値を26日未来にずらしたもの
- 先行スパン2:過去52日分のローソク足の高値と安値の平均値を26日未来にずらしたもの
- 雲:先行スパン1と先行スパン2に囲まれる部分を「雲」と言う
今回は「雲」のみを採用します。
一目均衡表の「雲」の特徴は
- 「雲」は、上値抵抗線(レジスタンスライン)として機能する
- 「雲」は、下値支持線(サポートライン)として機能する
- 「雲」の厚さが抵抗の強さ
- 実勢レートが「雲」の上にあるときは、強い上昇トレンド
- 実勢レートが「雲」の下にあるときは、強い下降トレンド
- 「雲」の厚さがトレンドの強さ
というものです。
イメージで言えば
「雲」に実勢レートがぶつかると反発する
ただし、一旦、実勢レートが「雲」を抜けてしまえばトレンドが発生する
というものです。
実勢レートが「雲」を抜けてしまえばトレンドが発生する
というポイントを利用して、今回はトレードを行います。
MT4/MT5の設定
インジケーターの「Ichimoku Kinko Hyo」を選択
- 転換線(9):None
- 基準線(26):None
- 遅行スパン:None
- 雲(上昇):ピンク
- 雲(下降):水色
に設定します。転換線、基準線、遅行スパンは今回のトレード手法では利用しないので「None」としておきます。
「一目均衡表の雲と平均足を使った順張りトレード」手法の考え方
今回の「一目均衡表の雲と平均足を使った順張りトレード」手法では
- 「平均足」を使ってトレンドを明確にする
- 「一目均衡表」の「雲」を実勢レートが抜けたときにトレンドが発生するタイミングでポジションを持つ
というものに基づいてトレードを行います。
シンプルに
「一目均衡表」の「雲」を実勢レートが抜けたときにトレンドが発生するタイミングでポジションを持つ
というを活かしたトレードと言えます。
「雲」を上に抜けて「陽線(青)」が形成されはじめたら「買い」エントリー
「雲」を下に抜けて「陰線(赤)」が形成されはじめたら「売り」エントリー
です。
トレンドができはじめる時点でのエントリーとなるので
- だましの回避
- 利確
のエグジットタイミングが重要になります。
「買いポジション」を保有している場合
- 「陰線(赤)」が3本連続して形成されたら、トレンドの転換と判断してエグジット
- 「雲」に再突入したら、トレンドの終了と判断してエグジット
「売りポジション」を保有している場合
- 「陽線(青)」が3本連続して形成されたら、トレンドの転換と判断してエグジット
- 「雲」に再突入したら、トレンドの終了と判断してエグジット
「一目均衡表の雲と平均足を使った順張りトレード」手法とは?
ルールその1.実勢レートが「雲」を抜けてエントリー
「平均足」に設定した上で、実勢レートと「雲」の位置関係でエントリーします。
実勢レートが「雲」を下から上に抜けて「陽線(青)」が形成されはじめたら「買い」エントリー
実勢レートが「雲」を上から下に抜けて「陰線(赤)」が形成されはじめたら「売り」エントリー
ルールその2.「利確」エグジット
トレンドの終了を判断するのは、逆の「平均足」の連続です。
「買いポジション」を保有している場合
- 「陰線(赤)」が3本連続して形成されたら、トレンドの転換と判断してエグジット
「売りポジション」を保有している場合
- 「陽線(青)」が3本連続して形成されたら、トレンドの転換と判断してエグジット
と判断します。
ルールその3.「損切」エグジット
実勢レートが一旦「雲」を抜けたのにすぐに「雲」の中に戻ってしまうケースがあります。これもトレンドの終了と判断します。
「買いポジション」を保有している場合
- 実勢レートが「雲」に再突入したら、トレンドの終了と判断してエグジット
「売りポジション」を保有している場合
- 実勢レートが「雲」に再突入したら、トレンドの終了と判断してエグジット
「一目均衡表の雲と平均足を使った順張りトレード」のメリット
- トレード機会が多い
- 1回あたりのトレードの勝ち幅が大きい
- エントリーのタイミングが明確
「一目均衡表の雲と平均足を使った順張りトレード」のデメリット
- 勝率が低い
「一目均衡表の雲と平均足を使った順張りトレード」で注意すべきこと
「雲」の厚さに気を配ること
一目均衡表の「雲」には
- 「雲」の厚さが厚いほど → 強いトレンドが発生する
- 「雲」の厚さが薄いほど → 弱いトレンド・レンジ相場になる
という傾向があります。
「雲」の厚さが厚いほど → 強いトレンドが発生する
「雲」の厚さが薄いほど → 弱いトレンド・レンジ相場になる
今回のトレードは、強いトレンドが発生するタイミングでポジションを持てれば、大きな利幅が稼げますが、弱いトレンドのときにポジションを持つと「だまし」に遭う可能性が高くなってしまうのです。
あまりに「雲」の厚さが薄いときは、エントリーを見送るなどの対処も必要になります。
「一目均衡表の雲と平均足を使った順張りトレード」実験レポート
検証条件
採用したチャート
- 平均足
- 一目均衡表
- 5分足
- 米ドル/円
採用したルール
- 実勢レートが「雲」を上に抜けて、「雲」の上部から「陽線」が形成されはじめたときに「買い」エントリー
- 実勢レートが「雲」を下に抜けて、「雲」の下部から「陰線」が形成されはじめたときに「売り」エントリー
- 「買い」ポジション保有時、「陰線」が3本連続で形成されたら「エグジット」
- 「売り」ポジション保有時、「陽線」が3本連続で形成されたら「エグジット」
- 「雲」に再突入したときに「エグジット」
検証期間
- 2018年10月15日
2018年10月15日
ポジション方向「売り」
エントリー:112.064
エグジット:112.065
-0.1pips損失
ポジション方向「売り」
エントリー:112.157
エグジット:112.114
+4.3pips儲け
ポジション方向「売り」
エントリー:112.072
エグジット:111.901
+17.1pips儲け
ポジション方向「買い」
エントリー:111.827
エグジット:111.834
+0.7pips儲け
2018年10月15日~2018年10月16日
ポジション方向「買い」
エントリー:111.877
エグジット:111.848
-2.9pips損失
ポジション方向「買い」
エントリー:111.8
エグジット:111.789
-1.1pips損失
ポジション方向「買い」
エントリー:111.808
エグジット:111.814
+0.6pips儲け
ポジション方向「売り」
エントリー:111.783
エグジット:111.791
-0.8pips損失
ポジション方向「買い」
エントリー:111.827
エグジット:111.823
-0.4pips損失
ポジション方向「買い」
エントリー:111.829
エグジット:111.816
-1.3pips損失
ポジション方向「買い」
エントリー:111.828
エグジット:111.973
+14.5pips儲け
2018年10月16日~2018年10月17日
ポジション方向「売り」
エントリー:112.043
エグジット:112.04
+0.3pips儲け
ポジション方向「買い」
エントリー:112.106
エグジット:112.096
-1.0pips損失
ポジション方向「買い」
エントリー:112.105
エグジット:112.131
+2.6pips儲け
ポジション方向「買い」
エントリー:112.091
エグジット:112.2
+10.9pips儲け
ポジション方向「売り」
エントリー:112.129
エグジット:112.135
-0.6pips損失
ポジション方向「買い」
エントリー:112.194
エグジット:112.224
+3.0pips儲け
2018年10月17日
ポジション方向「売り」
エントリー:112.338
エグジット:112.253
+8.5pips儲け
ポジション方向「売り」
エントリー:112.224
エグジット:112.226
-0.2pips損失
ポジション方向「売り」
エントリー:112.227
エグジット:112.186
+4.1pips儲け
ポジション方向「買い」
エントリー:112.22
エグジット:112.265
+4.5pips儲け
ポジション方向「売り」
エントリー:112.223
エグジット:112.079
+14.4pips儲け
2018年10月17日~2018年10月18日
ポジション方向「買い」
エントリー:112.206
エグジット:112.394
+18.8pips儲け
ポジション方向「買い」
エントリー:112.67
エグジット:112.66
-1.0pips損失
ポジション方向「売り」
エントリー:112.581
エグジット:112.534
+4.7pips儲け
ポジション方向「買い」
エントリー:112.578
エグジット:112.574
-0.4pips損失
2018年10月18日~2018年10月19日
ポジション方向「売り」
エントリー:112.526
エグジット:112.484
+4.2pips儲け
ポジション方向「買い」
エントリー:112.544
エグジット:112.541
-0.3pips損失
ポジション方向「買い」
エントリー:112.543
エグジット:112.539
-0.4pips損失
ポジション方向「売り」
エントリー:112.417
エグジット:112.111
+30.6pips儲け
ポジション方向「買い」
エントリー:112.166
エグジット:112.183
+1.7pips儲け
ポジション方向「買い」
エントリー:112.164
エグジット:112.172
+0.8pips儲け
ポジション方向「買い」
エントリー:112.191
エグジット:112.349
+15.8pips儲け
2018年10月19日
ポジション方向「売り」
エントリー:112.422
エグジット:112.388
+3.4pips儲け
ポジション方向「買い」
エントリー:112.466
エグジット:112.481
+1.5pips儲け
ポジション方向「買い」
エントリー:112.439
エグジット:112.543
+10.4pips儲け
ポジション方向「売り」
エントリー:112.486
エグジット:112.427
+5.9pips儲け
結果
勝敗:24勝13敗
合計:+172.8pips
考察
勝ち幅が大きいトレード手法
トレンドが形成されたときにポジションを持つので
- +30.6pips
- +18.8pips
- +17.1pips
- +15.8pips
・・・
と20~30pipsは勝てる可能性が高いトレード手法です。
勝率は低めのトレード手法
勝ち幅が大きい反面、トレンドの形成時にポジションを持つので「だまし」も多いのです。
勝率:64.9%
と勝利は低めのトレード手法と言わざるを得ません。
「だまし」をいかに回避するかが、このトレード手法の成功率を上げる重要なポイントとなってきます。
トレード機会が多い
5営業日で37回
のトレード機会ですから、1日5回~7回のトレードチャンスがあるので、十分にデイトレードができるトレード手法となっています。
初心者にもおすすめできるトレード手法
このトレード手法は
エントリータイミング・エグジットタイミングが明確です。
素人がやっても、プロがやっても、このトレード手法には、個人の裁量で判断するところがないので、同じ結果となります。
「迷うことがない」という意味で、初心者にもやさしいトレード手法と言えます。
まとめ
「一目均衡表の雲と平均足を使った順張りトレード」では
- 一回のトレードの勝ち幅が大きい
- トレード機会が多い
- エントリーポイント、エグジットポイントが明確
という特徴があるため、初心者でも儲けられるトレード手法となっています。トレンドの形成時にエントリーする分「だまし」があるのですが、そこを改善することができれば、さらに儲けられるトレード手法です。