海外FXはハイレバレッジでトレードができるため、資金力が少なくても、少額の取引ロットでも十分に稼げるトレードが可能になります。だとすれば、勝率の高いテクニカルトレードの方が海外FXのトレード手法にはマッチするはずです。今回は初心者向けのテクニカルトレード方法ですが「ボリンジャーバンドと移動平均線による押し目買い・戻り売りトレード」でトレードすると結果はどうなるのか?1週間実験してみました。
「ボリンジャーバンドと移動平均線による押し目買い・戻り売りトレード」とは?
「押し目買い・戻り売りトレード」とは?
「押し目」
上昇トレンドの発生時に、一時的に下降して、再び上昇に向かうポイントのこと
「戻り」
下降トレンドの発生時に、一時的に上昇して、再び下降に向かうポイントのこと
「押し目買い・戻り売りトレード」とは
大きなトレンドの流れの中で、一瞬だけ逆方向に実勢レートが動いた瞬間を狙って、ポジションを持ち、再び大きなトレンドの流れに戻るときに利益を出すトレード手法のこと
を言います。
順張りトレードの王道的なものであり、「損小利大」を実現できるため、初心者から上級者まで幅広く愛用されているトレード手法とも言えます。
「押し目買い・戻り売りトレード」では
一瞬だけ大きなトレンドの流れと逆方向に実勢レートが動いた瞬間がトレードタイミング
です。
「どうやって、このタイミングを計るのか?」
が重要になるのですが、今回は「ボリンジャーバンド」を採用します。
ボリンジャーバンドとは?
ボリンジャーバンドは移動平均線に価格率と標準偏差を盛り込んだ代表的なテクニカル指標です。標準偏差の考え方では、プラスマイナス1σの間に納まる確率は68.3%であり、プラスマイナス2σの間に納まる確率は95.5%となります。つまり、プラスマイナス2σの線を超える確率は4.5%しかないのです。
ボリンジャーバンドは統計学をチャートに表示したものになり、
- プラスマイナス1σに入る割合:68.26%
- プラスマイナス2σに入る割合:95.44%
- プラスマイナス3σに入る割合:99.73%
というチャートになります。
この中でも重要視するのは「±2σ」というラインです。
実勢レートが「+2σ」よりも上に来た時(4.56%の確率で発生する状態)
→ 95.44%の確率で今後の実勢レートは「+2σ」の内側に下降する
実勢レートが「-2σ」よりも下に来た時(4.56%の確率で発生する状態)
→ 95.44%の確率で今後の実勢レートは「-2σ」の内側に上昇する
と予想することができるのです。
この特性を活かして
大きなトレンドの流れが発生している状況で
トレンドと逆方向に、実勢レートがボリンジャーバンド「±2σ」の外側に向かったら
「押し目」「戻り」の発生と考えてエントリーする
というのが、今回のトレード手法の基本的な考え方になります。
「ボリンジャーバンドと移動平均線による押し目買い・戻り売りトレード」手法の考え方
今回の「ボリンジャーバンドと移動平均線による押し目買い・戻り売りトレード」手法では
- 移動平均線でトレンドの発生を確認する
- ボリンジャーバンドの「±2σ」に注目し、「押し目」「戻り」を判断する
形でトレードをします。
移動平均線でトレンドの方向を判断する
「押し目買い・戻り売りトレード」は、トレンド相場でしか通用しないトレード手法です。レンジ相場では役立たずなのです。
このトレンドの方向を判断するために「移動平均線」を使います。
MT4の設定
インジケーターの「Moving Average」を選択
- 期間「200」
- 種別「Simple」
- スタイル:オレンジレッド
移動平均線は200SMAという長めの期間の設定にすることで
- 右斜め上に傾いている → 上昇トレンド
- 右斜め下に傾いている → 下降トレンド
- ほぼ水平 → レンジ相場
と判断することができます。
今回のトレード手法はレンジ相場では通用しないので
- 右斜め上に傾いている → 上昇トレンド → エントリーOK
- 右斜め下に傾いている → 下降トレンド → エントリーOK
- ほぼ水平 → レンジ相場 → エントリー見送り
と判断します。
次に判断するのはボリンジャーバンドです。
ボリンジャーバンドの「±2σ」を見て、「押し目」「戻り」を判断し、エントリーします。
MT4の設定
インジケーターの「Bollinger Bands」を選択
期間「20」
標準偏差「1」「2」「3」
スタイル:緑
3本(±で計6本)の「Bollinger Bands」を引きますが、メインとなるのは「±2σ」ですので、「±2σ」だけは線の色や太さを変えてわかりやすくしておくと良いでしょう。
どうやって、「押し目」「戻り」を判断するかというと・・・
上昇トレンド発生時
実勢レートが「-2σ」よりも下になる
そこから、上昇に転じる時
→ 「押し目」と判断し、「買い」エントリー
下降トレンド発生時
実勢レートが「+2σ」よりも上になる
そこから、下降に転じる時
→ 「戻り」と判断し、「売り」エントリー
です。
「利確」をするタイミング
「利確」ポイントは2つあります。
「買い」ポジションの場合
- 「+3σ」にタッチしたとき
- 「+1σ」よりも上で、下降しはじめたとき
「売り」ポジションの場合
- 「-3σ」にタッチしたとき
- 「-1σ」よりも上で、下降しはじめたとき
です。
「買い」ポジションを例に説明すると
「+3σ」にタッチしたとき
というのは、統計学では0.027%しか発生しない状況です。
十分な利益が確保できた。
と判断できるので「利確」エグジットします。
「+1σ」よりも上で、下降しはじめたとき
というのは
「押し目」が成功して大きなトレンドの流れに戻ってきてから、また逆方向に動きはじめたとき
を意味します。
また、下がってしまう可能性が出てきたので、一旦利益を確定するというエグジットタイミングです。
「売り」ポジションも同様です。
「損切」をするタイミング
「損切」ポイントは2つあります。
「買い」ポジションの場合
- 「-3σ」にタッチしたとき
- 一定のストップ注文に引っかかった場合
「売り」ポジションの場合
- 「+3σ」にタッチしたとき
- 一定のストップ注文に引っかかった場合
「買い」ポジションを例に説明すると
「+3σ」にタッチしたとき
というのは
「-2σ」から上昇するタイミングでエントリーしても、再び下がってしまって、「-3σ」にタッチしてしまうケースがあります。これは、大きなトレンドの流れ自体が反転する可能性がある状況ですので、速やかに「損切」エグジットします。
一定のストップ注文に引っかかった場合
というのは
ボリンジャーバンドは、実勢レートの動きに連動して広がったり、狭まったり修正があります。
ボリンジャーバンド自体が動いてしまうので
「-3σ」にもタッチせず
「+1σ」にもタッチせず
その間で、だらだらと下降してしまう
という状況が起こりうるのです。
ここでの損失を避けるために、エントリー時にはじめから「ストップ注文」を入れてエントリーします。「ストップ注文」の幅は、10pipsでも、20pipsでも、構いませんが、取引する時間足や取引量に応じて柔軟に変更すると良いでしょう。
「ボリンジャーバンドと移動平均線による押し目買い・戻り売りトレード」手法とは?
ルールその1.移動平均線でトレンド相場かレンジ相場かの判断をする
「押し目買い・戻り売りトレード」は、トレンド相場でしか通用しません。
トレンドの発生は
「移動平均線(200SMA)」の傾き
で判断します。
- 「移動平均線(200SMA)」が右肩上がり:上昇トレンド → トレード準備OK
- 「移動平均線(200SMA)」が右肩下がり:下降トレンド → トレード準備OK
- 「移動平均線(200SMA)」が水平:レンジ相場 → トレード見送り
「押し目買い・戻り売りトレード」は、トレンドの強さが大きいとき、「移動平均線」の傾きが大きい方が高い勝率で勝てるので、見送る水平の傾き度合いを、トレードしながら調整する必要があります。
ルールその2.実勢レートが「±2σ」にタッチするのを待つ
実勢レートが「±2σ」にタッチする = エントリー準備
ということになります。
上昇トレンド発生時
実勢レートが「-2σ」にタッチする = 「買い」エントリーの準備
下降トレンド発生時
実勢レートが「+2σ」にタッチする = 「売り」エントリーの準備
ルールその3.実勢レートの反転を待ってエントリーする
上昇トレンド発生時
実勢レートが「-2σ」にタッチする = 「買い」エントリーの準備
実勢レートが上昇方向に反転する(上昇しはじめる) → 「買い」エントリー
下降トレンド発生時
実勢レートが「+2σ」にタッチする = 「売り」エントリーの準備
実勢レートが下降方向に反転する(下降しはじめる) → 「売り」エントリー
ルールその4.「利確」エグジット
上昇トレンド発生時(「買い」ポジション)
実勢レートが「+3σ」にタッチする → 「利確」エグジット
実勢レートが「+1σ」よりも上で反転する(下降しはじめる) → 「利確」エグジット
下降トレンド発生時(「売り」ポジション)
実勢レートが「-3σ」にタッチする → 「利確」エグジット
実勢レートが「-1σ」よりも下で反転する(上昇しはじめる) → 「利確」エグジット
ルールその5.「損切」エグジット
上昇トレンド発生時(「買い」ポジション)
実勢レートが「-3σ」にタッチする → 「損切」エグジット
ストップ注文に引っかかる → 自動的に「損切」
下降トレンド発生時(「売り」ポジション)
実勢レートが「+3σ」にタッチする → 「損切」エグジット
ストップ注文に引っかかる → 自動的に「損切」
「ボリンジャーバンドと移動平均線による押し目買い・戻り売りトレード」のメリット
- 勝率がとても高い
- エントリーポイント、エグジットポイントが明確
- トレード機会が多い
「ボリンジャーバンドと移動平均線による押し目買い・戻り売りトレード」のデメリット
- 1回あたりの勝ち幅が小さい
- レンジ相場では通用しない
「ボリンジャーバンドと移動平均線による押し目買い・戻り売りトレード」で注意すべきこと
ストップ注文を必ず入れる!
「ボリンジャーバンドと移動平均線による押し目買い・戻り売りトレード」の弱点は
一回の勝ち幅が小さい
点にあります。
大きなトレンドの流れが変わらない間は、小さい勝ち幅で何度も勝てるはずですが、大きなトレンド自体が反転してしまうと、一気に大きな損失を被る可能性があります。小さい勝ちが一回の損失で吹っ飛んでしまうリスクがあるのです。
これを回避するために、すべてのエントリーに、はじめから「ストップ注文」を入れておくべきなのです。
「ボリンジャーバンドと移動平均線による押し目買い・戻り売りトレード」実験レポート
検証条件
採用したチャート
- 移動平均線:200SMA
- ボリンジャーバンド:期間20、プラスマイナス1σ、2σ、3σ表示
- 5分足
- 米ドル/円
採用したルール
- 移動平均線の傾きでトレンド発生を判断する
- 上昇トレンド発生時、「-2σ」にタッチして、再び上昇しはじめたときに「買い」エントリー
- 下降トレンド発生時、「+2σ」にタッチして、再び下降しはじめたときに「売り」エントリー
- 「買い」ポジション保有時に「+3σ」にタッチしたら利確
- 「買い」ポジション保有時に「+1σ」よりも上で下降しはじめたら利確
- 「買い」ポジション保有時に「-3σ」にタッチしたら損切
- 「売り」ポジション保有時に「-3σ」にタッチしたら利確
- 「売り」ポジション保有時に「-1σ」よりも下で上昇しはじめたら利確
- 「売り」ポジション保有時に「+3σ」にタッチしたら損切
- ストップ注文を20pipsで入れる
検証期間
2018年10月1日~2018年10月5日
2018年10月1日
ポジション方向「買い」
エントリー:113.872
エグジット:113.908
+3.6pips儲け
ポジション方向「買い」
エントリー:113.865
エグジット:113.917
+5.2pips儲け
ポジション方向「買い」
エントリー:113.882
エグジット:113.947
+6.5pips儲け
ポジション方向「買い」
エントリー:113.952
エグジット:114.014
+6.2pips儲け
ポジション方向「買い」
エントリー:113.94
エグジット:113.902
-3.8pips損失
ポジション方向「買い」
エントリー:113.891
エグジット:113.962
+7.1pips儲け
2018年10月1日~2018年10月2日
ポジション方向「買い」
エントリー:113.926
エグジット:113.97
+4.4pips儲け
ポジション方向「買い」
エントリー:113.955
エグジット:113.998
+4.3pips儲け
ポジション方向「買い」
エントリー:113.967
エグジット:113.913
-5.4pips損失
ポジション方向「買い」
エントリー:113.904
エグジット:113.996
+9.2pips儲け
2018年10月2日~2018年10月3日
ポジション方向「売り」
エントリー:113.82
エグジット:113.686
+13.4pips儲け
ポジション方向「売り」
エントリー:113.763
エグジット:113.773
-1.0pips損失
ポジション方向「売り」
エントリー:113.804
エグジット:113.773
+3.1pips儲け
ポジション方向「売り」
エントリー:113.877
エグジット:113.773
+10.4pips儲け
ポジション方向「売り」
エントリー:113.735
エグジット:113.705
+3.0pips儲け
ポジション方向「売り」
エントリー:113.791
エグジット:113.705
+8.6pips儲け
ポジション方向「売り」
エントリー:113.661
エグジット:113.602
+5.9pips儲け
2018年10月3日~2018年10月4日
ポジション方向「買い」
エントリー:114.388
エグジット:114.289
-9.9pips損失
ポジション方向「買い」
エントリー:114.305
エグジット:114.358
+5.3pips儲け
ポジション方向「買い」
エントリー:114.237
エグジット:114.353
+11.6pips儲け
ポジション方向「買い」
エントリー:114.304
エグジット:114.375
+7.1pips儲け
2018年10月4日~2018年10月5日
ポジション方向「売り」
エントリー:113.802
エグジット:113.878
-7.6pips損失
ポジション方向「売り」
エントリー:113.911
エグジット:113.852
+5.9pips儲け
ポジション方向「売り」
エントリー:113.923
エグジット:113.851
+7.2pips儲け
2018年10月5日
ポジション方向「売り」
エントリー:113.92
エグジット:113.861
+5.9pips儲け
ポジション方向「売り」
エントリー:114.01
エグジット:113.769
+24.1pips儲け
ポジション方向「売り」
エントリー:113.777
エグジット:113.676
+10.1pips儲け
結果
勝敗:22勝5敗
合計:+140.4pips
考察
勝率がかなり高いトレード手法
勝率:81.5%
ですから、FXのトレード手法の中でも、かなり高い勝率と言っていいでしょう。
「押し目買い」「戻り売り」順張りトレードを、統計学を利用した「ボリンジャーバンド」で実行しているため、高い勝率が来たいされます。
トレード機会が多い
5営業日で27回のトレード機会
ですから、1日5回以上はトレード機会があるトレード手法です。デイトレードであれば、十分なトレード機会を確保できるトレード手法と言えます。
明確なエントリーポイント、エグジットポイント
ボリンジャーバンドの「±2σ」のラインで「エントリー」するので、初心者がやっても、上級者がやっても、エントリーやエグジットのポイントは大きく変わりません。
わかりやすい分、初心者にもおすすめできるトレード手法となっています。
まとめ
「ボリンジャーバンドと移動平均線による押し目買い・戻り売りトレード」では
- 勝率がとても高い
- トレード機会が多い
とメリットが多いトレード手法であり、十分に稼げるトレード手法と言えます。
使っているテクニック分析も、王道のものだけですし、エントリータイミングも明確ですので、初心者にもおすすめできるトレード手法となっています。ただし、大きなトレンドの反転で大きな損失を出さないためにも、ストップ注文などで損失を限定する作業は必要不可欠であることに注意が必要です。