海外FXはハイレバレッジでトレードができるため、資金力が少なくても、少額の取引ロットでも十分に稼げるトレードが可能になります。だとすれば、勝率の高いテクニカルトレードの方が海外FXのトレード手法にはマッチするはずです。今回は初心者向けのテクニカルトレード方法ですが「ローソク足を見て判断する押し目買い・戻り売りトレード」でトレードすると結果はどうなるのか?1週間実験してみました。
「ローソク足を見て判断する押し目買い・戻り売りトレード」とは?
「押し目買い・戻り売りトレード」とは?
「押し目」
上昇トレンドの発生時に、一時的に下降して、再び上昇に向かうポイントのこと
「戻り」
下降トレンドの発生時に、一時的に上昇して、再び下降に向かうポイントのこと
「押し目買い・戻り売りトレード」とは
上昇トレンドの発生時に、一時的に下降したタイミングを狙って、「買い」ポジションを持つことで、再び上昇に向かう動きで利益を稼ぐトレード手法のこと
下降トレンドの発生時に、一時的に上昇したタイミングを狙って、「売り」ポジションを持つことで、再び下降に向かう動きで利益を稼ぐトレード手法のこと
を言います。
「押し目買い・戻り売りトレード」の特徴
トレンドに逆らわない順張り手法のため高い勝率が期待できる
元々の大きなトレンドの流れに逆らわないポジションを持つ「順張り」トレードです。だからこそ、高い勝率が期待できます。
「だまし」の時のダメージが大きい
「押し目買い・戻り売りトレード」で、元に戻ると予想して「押し目」「戻り」でポジションを持ったら、そのまま反転してしまうというケースもあります。このときにきちんと損切りをしておかなければ「トレンドの反転」ですから、大きく損失を出してしまう可能性があるのです。
勝ち幅が小さい
「順張り」ですので、「逆張り」と比べると利場が小さくなりがちです。「だまし」を減らすためにタイミングを狙えば狙う度、「エントリーが遅くなって、利益が取りにくくなる」傾向にあります。
「押し目買い・戻り売りトレード」で稼ぐためには
- どうやって「だまし」を排除するのか?
- どうやって、予想が当たったときの利幅を伸ばすのか?
の2点が重要なポイントになってくるのです。
今回の「ローソク足を見て判断する押し目買い・戻り売りトレード」は
どうやって「だまし」を排除するのか?
にフォーカスしたトレード手法と言えます。
「ボリンジャーバンドのセンターライン」と「ローソク足」を利用して、「だまし」を排除します。
ボリンジャーバンドとは?
ボリンジャーバンドは移動平均線に価格率と標準偏差を盛り込んだ代表的なテクニカル指標です。標準偏差の考え方では、プラスマイナス1σの間に納まる確率は68.3%であり、プラスマイナス2σの間に納まる確率は95.5%となります。つまり、プラスマイナス2σの線を超える確率は4.5%しかないのです。
ボリンジャーバンドのセンターラインとは?
ボリンジャーバンドを表示させたときに真ん中にできる線のことを「センターライン」「ミドルライン」と言います。
ボリンジャーバンドのセンターライン = 移動平均線
のことです。
「ローソク足を見て判断する押し目買い・戻り売りトレード」手法の考え方
今回の「ローソク足を見て判断する押し目買い・戻り売りトレード」手法では
- 「押し目」「戻り」をボリンジャーバンドのセンターラインで判断する
- 「だまし」を減らすためにセンターラインの次に生成されるローソク足の始値に注目する
- ボリンジャーバンドの±2σで「利確」「損切」する
という3本建てになっています。
「押し目」「戻り」をボリンジャーバンドのセンターラインで判断する
上昇トレンドができているときは、ボリンジャーバンドの「+2σ」のラインの近くに実勢レートがいるはずです。
ここで実勢レートがセンターラインに近づく ≒ 上昇トレンドの力が弱まる(反対方向に動く)
兆しとなります。
実勢レートがセンターラインにタッチする = 押し目
と判断して、「押し目買い」のチャンスととらえるのです。
下降トレンドができているときは、ボリンジャーバンドの「-2σ」のラインの近くに実勢レートがいるはずです。
ここで実勢レートがセンターラインに近づく ≒ 下降トレンドの力が弱まる(反対方向に動く)
兆しとなります。
実勢レートがセンターラインにタッチする = 戻り
と判断して、「戻り売り」のチャンスととらえるのです。
ただし、このまま「押し目買い・戻り売りトレード」をしてしまうと、「だまし」に遭う可能性が高くなってしまうため
実勢レートがセンターラインにタッチした後に生成される「ローソク足の始値の位置」
に注目します。
上昇トレンド発生時
実勢レートがセンターラインにタッチ ≒ 押し目買いチャンス
- 次の「ローソク足の始値の位置」がセンターラインより上 → 元の上昇トレンドに戻る可能性が高い
- 次の「ローソク足の始値の位置」がセンターラインより下 → そのまま下降トレンドに反転する可能性が高い
下降トレンド発生時
実勢レートがセンターラインにタッチ ≒ 戻り売りチャンス
- 次の「ローソク足の始値の位置」がセンターラインより下 → 元の上昇トレンドに戻る可能性が高い
- 次の「ローソク足の始値の位置」がセンターラインより上 → そのまま上昇トレンドに反転する可能性が高い
と考えます。
つまり、
実勢レートがセンターラインにタッチした後に生成される「ローソク足の始値の位置」までじっくり見極めて、「だまし」を減らし、勝率を高めるのが今回のトレード手法の「肝」になる考え方です。
「利確」「損切」は、ボリンジャーバンドの「±2σ」のラインで行います。
センターラインでエントリーして、ボリンジャーバンドの幅で「利確」「損切」をするのですから、勝つ時も、負ける時も、「勝ち幅」「負け幅」は、ある程度同じになります。
つまり、勝率を高めた分、「勝ち幅」と「負け幅」が同じでも、トータルで利益が出るという考え方です。
今回のトレード手法で利用するテクニカル分析指標は「ボリンジャーバンド」のみです。
MT4/MT5の設定
インジケーターの「Bollinger Bands」を選択
- 期間「21」
- 標準偏差「2」
- スタイル:緑
ボリンジャーバンドは、プラスマイナス2σのみを表示させています。
「ローソク足を見て判断する押し目買い・戻り売りトレード」手法とは?
ルールその1.トレンドの発生を判断する
「押し目買い」「戻り売り」は、トレンド相場でしかできません。
トレンドの発生は
- 「センターライン(移動平均線)」の傾き
- 「ボリンジャーバンド」のバンドの幅
で判断することができます。
- 「センターライン(移動平均線)」が右肩上がり:上昇トレンド → トレード準備OK
- 「センターライン(移動平均線)」が右肩下がり:下降トレンド → トレード準備OK
- 「センターライン(移動平均線)」が水平:レンジ相場 → トレード見送り
「押し目買い」「戻り売り」の成功する確率は、トレンドが強ければ強いほど良いので
「センターライン(移動平均線)」の傾きが30%以上
「ボリンジャーバンド」のバンドの幅が5pips以上(今回の場合、時間足や狙う勝ち幅によって変動)
を目安にすると良いでしょう。
ルールその2.実勢レートがセンターラインにタッチするのを待つ
トレンドの発生が確認で来たら、次にすべきことは
実勢レートがセンターラインにタッチするのを待つ
ことです。
「押し目」「戻り」を判断するのは
- 実勢レートがセンターラインにタッチ
ですから、それが起きるまでは待つしかありません。
ルールその3.「ローソク足の始値」を見てエントリーする
今回のトレード手法のエントリーポイントは
上昇トレンド発生時
実勢レートがセンターラインにタッチする
- センターラインにタッチした次のローソク足の始値がセンターラインよりも上 → 「買い」エントリー
- センターラインにタッチした次のローソク足の始値がセンターラインよりも下 → エントリー見送り
下降トレンド発生時
実勢レートがセンターラインにタッチする
- センターラインにタッチした次のローソク足の始値がセンターラインよりも下 → 「売り」エントリー
- センターラインにタッチした次のローソク足の始値がセンターラインよりも上 → エントリー見送り
となります。
ルールその4.「利確」エグジット
センターライン近辺でポジションを持ったら、「±2σ」のラインにタッチしたところで「利確」します。
- 上昇トレンド発生時 → 「買い」ポジション → 「+2σ」にタッチしたら「利確」
- 下降トレンド発生時 → 「売り」ポジション → 「-2σ」にタッチしたら「利確」
ルールその5.「損切」エグジット
センターライン近辺でポジションを持ったら、「±2σ」のラインにタッチしたところで「損切」します。
- 上昇トレンド発生時 → 「買い」ポジション → 「-2σ」にタッチしたら「損切」
- 下降トレンド発生時 → 「売り」ポジション → 「+2σ」にタッチしたら「損切」
「ローソク足を見て判断する押し目買い・戻り売りトレード」のメリット
- 勝率がとても高い
- エントリーポイント、エグジットポイントが明確
「ローソク足を見て判断する押し目買い・戻り売りトレード」のデメリット
- 1回あたりの勝ち幅が小さい
- トレード機会が少ない
「ローソク足を見て判断する押し目買い・戻り売りトレード」で注意すべきこと
ローソク足の始値の位置を見逃さないこと
「押し目買い」「戻り売り」の勝率を上げるために
センターライン後のローソク足の始値の位置
を重視するトレード手法です。
待ちに待って、実勢レートがセンターラインにタッチしたタイミングで、どうしてもエントリーしたくなってしまうのですが、ここでぐっと我慢して、次のローソク足の始値を見て判断することを徹底しましょう。
「ローソク足を見て判断する押し目買い・戻り売りトレード」実験レポート
検証条件
採用したチャート
- ボリンジャーバンド:21MA、プラスマイナス2σ表示
- 5分足
- 米ドル/円
採用したルール
- ボリンジャーバンドのセンターラインの傾きでトレンドの発生を確認する
- ボリンジャーバンドのバンド幅の大きさでトレンドの強さを確認する
- 上昇トレンドで実勢レートがセンターラインにタッチして、次のローソク足の始値がセンターラインの上にあったら「買い」エントリー
- 下降トレンドで実勢レートがセンターラインにタッチして、次のローソク足の始値がセンターラインの下にあったら「売り」エントリー
- ボリンジャーバンドの「±2σ」のラインで「利確」
- ボリンジャーバンドの「±2σ」のラインで「損切」
検証期間
2018年8月27日~2018年8月31日
2018年8月27日
ポジション方向「売り」
エントリー:111.238
エグジット:111.137
+10.1pips儲け
ポジション方向「売り」
エントリー:111.024
エグジット:110.975
+4.9pips儲け
2018年8月27日~2018年8月28日
ポジション方向「買い」
エントリー:111.133
エグジット:111.196
+6.3pips儲け
2018年8月28日~2018年8月29日
ポジション方向「売り」
エントリー:111.194
エグジット:111.172
+2.2pips儲け
ポジション方向「売り」
エントリー:111.176
エグジット:111.116
+6.0pips儲け
2018年8月29日
ポジション方向「買い」
エントリー:111.228
エグジット:111.263
+3.5pips儲け
ポジション方向「買い」
エントリー:111.428
エグジット:111.447
+1.9pips儲け
2018年8月29日~2018年8月30日
ポジション方向「買い」
エントリー:111.752
エグジット:111.703
-4.9pips損失
2018年8月30日
ポジション方向「売り」
エントリー:111.345
エグジット:111.279
+6.6pips儲け
2018年8月31日
ポジション方向「買い」
エントリー:110.984
エグジット:110.916
-6.8pips損失
結果
勝敗:8勝2敗
合計:+29.8pips
考察
勝率がかなり高いトレード手法
勝率:80.0%
ですから、FXのトレード手法の中でも、かなり高い勝率と言っていいでしょう。
「押し目買い」「戻り売り」順張りトレードを、「だまし」を交わしながら、慎重にタイミングを見定めて実行しているので、十分に高い勝率を実現できています。
明確なエントリーポイント、エグジットポイント
ローソク足の始値の位置で、エントリーを判断し、ボリンジャーバンドの「±2σ」のラインで「利確」「損切」をするので、初心者がやっても、上級者がやっても、エントリーやエグジットのポイントは変わりません。
わかりやすい分、初心者にもおすすめできるトレード手法となっています。
1回の勝ち幅を広げる改善が必要
勝率は高くても、トータルの損益は+29.8pipsと、かなり小さい儲けとなっています。
この理由は
- センターライン近辺でエントリーして、「±2σ」でエグジット
しているため、利幅がバンド幅程度しかなく、勝っても、薄利になってしまうからです。
今回のトレード結果を見ても、
「もう少し、利確を我慢できれば、もっと利幅は伸ばせたのに。」
というポイントは少なくありませんでした。
「利確」のポイント → ボリンジャーバンド以外のテクニカル分析指標で判断する(「利確」を遅くする)
「損切」のポイント → よりタイトに設定した損切を行う
ことを心がければ、多少勝率は落ちるかもしれませんが、「損小利大」は実現できるので、稼ぎも大きくなるはずです。
カスタマイズの余地も大いにある、トレード手法となっています。
まとめ
「ローソク足を見て判断する押し目買い・戻り売りトレード」では
- 勝率がとても高い
というメリットがある反面
- 勝ち幅が薄い
- トレード機会が少ない
というデメリットもあります。トレード機会が少ないのは勝率のために犠牲にしても構いませんが、勝ち幅が薄いことは工夫をすればなんとかなります。このトレード手法をそのまま利用するのではなく、自分なりに「利確」タイミングを工夫して、勝ち幅を広げることで、稼げるトレード手法に進化するはずです。