海外FXはハイレバレッジでトレードができるため、資金力が少なくても、ある程度の通貨量でトレードが可能になります。だとすれば、勝率の高いテクニカルトレードの方が海外FXにはマッチするはずです。今回は初心者向けのテクニカルトレード方法ですが「寄せ線(十字線)の逆張りトレード」でトレードすると結果はどうなるのか?1週間実験してみました。
「ピボットポイント(PP)を使ったシンプルトレード」とは?
今回の「ピボットポイント(PP)を使ったシンプルトレード」では「ピボットポイント(PP)」を利用します。
「ピボットポイント(PP)」とは?
「ピボットポイント(PP)」とは、前日の終値、前日の安値、前日の高値の平均値のこと
を言います。
計算式で表すと
ピボットポイント(PP) = ( 前日の高値+安値+終値 ) / 3
になります。
「ピボットポイント(PP)」をチャート上に表示すると下記のようになります。水色の線が「ピボットポイント(PP)」になります。
見てわかる通りですが
実勢レートは「ピボットポイント(PP)」の上下で動く
実勢レートは「ピボットポイント(PP)」に吸い込まれていく
という性質があります。
なぜ、実勢レートは「ピボットポイント(PP)」に吸い込まれていくのか
「ピボットポイント(PP)」とは、前日の終値、前日の安値、前日の高値の平均値
です。
多くの投資家がこの「前日の終値」「前日の安値」「前日の高値」を意識してトレードします。
- ある投資家は、「前日の安値」でストップロス注文
- ある投資家は、「前日の高値」で利確の指値注文
- ある投資家は、「前日の終値」で相場の動向を見る
- 多くのテクニカル分析指標が「前日の終値」「前日の安値」「前日の高値」を計算に組み込んでいる
・・・
ため、「前日の安値、前日の高値」の前後で売買が行われるため、「前日の終値、前日の安値、前日の高値の平均値」を軸にして、チャートが上下するということが往々にして起こるのです。
また、「ピボットポイント(PP)」は、日が変わるたびに更新されるため、強いトレンドが発生しても、「ピボットポイント(PP)」と実勢レートが大きく離れることはないのです。
MT4の設定
「allpivots_v2」という「ピボットポイント(PP)」を表示するインジケーターを使用します。
設定は初期設定のままで大丈夫です。
「allpivots_v2」の特徴としては、過去の「ピボットポイント(PP)」が表示できる機能があります。「CountPeriods」の数値を変更することで、何日前までの「ピボットポイント(PP)」が表示できるのか?が調整可能です。
また、「ピボットポイント(PP)」(水色)以外の線は何を意味しているかというと・・・
- R3=R1 + ( 前日の高値 - 前日の安値 )
- R2=PP + ( 前日の高値 - 前日の安値 )
- R1=PP + ( PP - 前日の安値 )
- ピボットポイント(PP) = ( 前日の高値+安値+終値 ) / 3
- S1=PP - ( 前日の高値 - PP)
- S2=PP - ( 前日の高値 - 前日の安値 )
- S3=S1 - ( 前日の高値 - 前日の安値 )
を表しています。
どれも、「ピボットポイント(PP)」「前日の終値」「前日の安値」「前日の高値」から算出された「投資家が売買の目安で使う指標」になっているため、基本は「ピボットポイント(PP)」ですが、「S1」「S2」「S3」「R1」「R2」「R3」もトレードに利用します。
「ピボットポイント(PP)を使ったシンプルトレード」手法の考え方
今回の「ピボットポイント(PP)を使ったシンプルトレード」手法では
- 実勢レートは「ピボットポイント(PP)」の上下で動く
- 実勢レートは「ピボットポイント(PP)」に吸い込まれていく
という性質があります。
ということは
実勢レートが「ピボットポイント(PP)」から離れてしまったら、「ピボットポイント(PP)」に近づく方向にポジションを持てばよい
ということになります。
実勢レートが「R1」よりも上にある
→ 実勢レートは「ピボットポイント(PP)」向かって下がる可能性が高い
→ 「売り」エントリー
実勢レートが「S1」よりも下にある
→ 実勢レートは「ピボットポイント(PP)」向かって上がる可能性が高い
→ 「買い」エントリー
という考える方でエントリーします。
ただし、このままトレードしてしまうと「だまし」が多く発生してしまいます。
そのため、
実勢レートが「ピボットポイント(PP)」向かって戻る動き(小さなトレンド)が発生してから、エントリー
します。
小さなトレンドの判断は、ローソク足3本の陽線(陰線)が連続して表示されること
と今回のトレードでは設定します。
実勢レートが「R1」よりも上にある
→ 実勢レートは「ピボットポイント(PP)」向かって下がる可能性が高い
→ 「陰線」が3本連続して形成され、「ピボットポイント(PP)」向かって戻る動きが強くなる
→ 「売り」エントリー
実勢レートが「S1」よりも下にある
→ 実勢レートは「ピボットポイント(PP)」向かって上がる可能性が高い
→ 「陽線」が3本連続して形成され、「ピボットポイント(PP)」向かって戻る動きが強くなる
→ 「買い」エントリー
となります。
「ピボットポイント(PP)を使ったシンプルトレード」とは?
ルールその1.実勢レートが「ピボットポイント(PP)」が離れていることを確認する
- 実勢レートが「R1」よりも上にある
- 実勢レートが「S1」よりも下にある
→ エントリー準備に入ります。
ルールその2.「ピボットポイント(PP)」向かって小さなトレンドが発生することを確認してエントリーする
実勢レートが「R1」よりも上にある
→ 実勢レートは「ピボットポイント(PP)」向かって下がる可能性が高い
→ 「陰線」が3本連続して形成され、「ピボットポイント(PP)」向かって戻る動きが強くなる
→ 「売り」エントリー
実勢レートが「S1」よりも下にある
→ 実勢レートは「ピボットポイント(PP)」向かって上がる可能性が高い
→ 「陽線」が3本連続して形成され、「ピボットポイント(PP)」向かって戻る動きが強くなる
→ 「買い」エントリー
ルールその3.「ストップロス注文」「利益確定の指値注文」を入れる
利確ポイントは
- 実勢レートから一番近いラインの「ピボットポイント(PP)」側の次のライン
損切ポイントは
- 実勢レートから一番近いラインの「ピボットポイント(PP)」と反対側の次のライン
で設定します。
エントリー時点で「ストップロス注文」「利益確定の指値注文」を入れてしまって良いです。
「ピボットポイント(PP)を使ったシンプルトレード」のメリット
- 勝率が高い
- 1回の勝ち幅が大きい
- エントリータイミングが明確
- エグジットポイントが明確
「ピボットポイント(PP)を使ったシンプルトレード」のデメリット
- エントリー機会が少ない
「ピボットポイント(PP)を使ったシンプルトレード」で注意すべきこと
市場参加者が切り替わるタイミングで機能することが多い
FXは、24時間取引ができますが、実際は、時間によってオセアニア市場、アジア市場、ヨーロッパ市場、アメリカ市場と取引する市場が動いていきます。
市場参加者も、アジアの方、欧州の方、米国の方と市場の移り変わりと同時に徐々に動いていくのです。
市場の代わり目の時は、通常時以上に「前日の終値」「前日の安値」「前日の高値」が意識されることが多く、今回のトレード手法が効きやすくなります。
「ピボットポイント(PP)を使ったシンプルトレード」実験レポート
検証条件
採用したチャート
- ピボットポイント:初期設定
- 15分足
- ユーロ/円
採用したルール
- 実勢レートが「R1」よりも上にあり、「陰線」が3本連続して形成されたら、「売り」エントリー
- 実勢レートが「S1」よりも下にあり、「陽線」が3本連続して形成されたら、「買い」エントリー
- エントリー時に実勢レートから一番近いラインの「ピボットポイント(PP)」側の次のラインで利確指値注文
- エントリー時に実勢レートから一番近いラインの「ピボットポイント(PP)」と反対側の次のラインで損切のストップロス注文
検証期間
2019年5月13日~2019年5月17日
2019年5月13日
ポジション方向「買い」
エントリー:122.776
エグジット:123.145
+36.9pips儲け
2019年5月14日
ポジション方向「売り」
エントリー:123.082
エグジット:122.87
+21.2pips儲け
2019年5月15日
ポジション方向「買い」
エントリー:122.299
エグジット:122.907
+60.8pips儲け
2019年5月16日
2019年5月17日
ポジション方向「買い」
エントリー:122.543
エグジット:122.309
-23.4pips損失
ポジション方向「買い」
エントリー:122.384
エグジット:122.518
+13.4pips儲け
ポジション方向「売り」
エントリー:122.838
エグジット:122.744
+9.4pips儲け
結果
勝敗:5勝1敗
損益:+118.3pips
考察
勝率が高いがトレード機会が少ない
勝率が83.3%ですから、十分にトレードで勝てる見込みの高い勝率を記録しています。ただし、トレード機会が少ない(検証した数が少ない)ので、勝率の精度の面では、検討の余地があります。
トレード機会をカバーするためには、複数の通貨ペアでトレードするなど、トレード機会を引き上げる工夫が必要となります。
一回の勝ち幅が大きい
基本的には、「ピボットポイント(PP)」「S1」「S2」「S3」「R1」「R2」「R3」のラインの幅が、利確の幅となるため、一回の勝ち幅の大きいトレードとなっています。
精神的な負荷がすくない
エントリー時にエグジットポイントを決定することができるトレードです。FXトレードで一番難しい「いつ、エグジットするのか?」を悩まないで良いメリットがあります。
まとめ
「ピボットポイント(PP)を使ったシンプルトレード」では
- 勝率が高い
- トレード機会が少ない
- 一回のトレードの勝ち幅が大きい
- エグジットが明確なので精神的な負荷が少ない
という特徴のあるトレード手法となっています。大きなメリットは、エントリー時に「損切」「利確」まで設定するため、あとは待つだけというトレード手法です。精神的な負荷が少ない分、初心者の方におすすめできるトレード手法となっています。体は当たっているものも多いので、エグジットのタイミングを工夫することで利用できるトレード手法となるはずです。