海外FXの入金出金方法の一つとして国際決済サービスというこのがあります。海外FXユーザーであれば、国際決済サービスを使ったことがある方も多いのではないでしょうか。この国際決済サービスでも金融庁の規制が進みつつあるようです。
「SKRILL(旧Moneybookers)」と「NETELLER」の動向
2015年8月 NETELLERの運営会社がSkrillを買収
2015年11月 NETELLER運営会社が名称をOptimal PaymentからPaysafeへ
2016年8月 Net+ カードの一時停止
2016 年 8 月 11 日木曜日午後 10 時(日本標準時)をもちまして、お客様の Net+ カードのご使用が一時中断されます。これはあくまでも一時的なものであり、お客様のNet+ カードのご使用が可能となり次第速やかに弊社よりご連絡いたします。
今回の変更による口座預金への影響はございません。他の NETELLER 会員または NETELLER を支払いオプションとしているオンラインサイトへの送金、または NETELLER 口座から銀行口座への預金の引き出しは引き続きご利用いただけます。
以後のお手続きについては、ウェブサイトおよび FAQ ページにてご案内いたします。
ご迷惑をおかけしますが、暫くご辛抱いただけますようお願い申し上げます。この件に関してのご質問は、当社までお問い合わせください。
NETELLERチームより
2016年8月 NETELLERの日本人ギャンブル向け利用の利用停止(海外FXは継続利用可能)
申し訳ございませんが、2016 年 9 月 15 日より、ギャンブルを目的とする NETELLER が提供する決済処理サービスをお客様の国ではご利用いただけなくなります。
これに従い、この日付以降、お客様には NETELLER を経由してギャンブル運営会社との間で送金または送金のお受け取りをご利用いただけません。
大変残念ではございますが、ご理解いただきますようお願い申し上げます。
ご質問については、当社までご連絡ください。
NETELLER チーム
2016年10月 SKRILL日本人利用者の利用停止(海外FXも利用不可)
結論として今後どうなるのか?
日本在住の日本人の場合
NETELLER
- 海外FXやバイナリーオプションは引き続き利用可能
- オンラインカジノ、ブックメーカーでは利用不可
- Net+ カードの一時停止(再開予定)
SKRILL
- 10月から日本在住の日本人の利用は全面停止
となります。
海外FX業者からのお知らせにも
NETELLER(ネッテラー)について
今月8月16日に日本の利用者向けに、2016年9月15日以降、ギャンブルを提供する会社への入金、また同会社の取引口座より出金 を行うことが できなくなるという知らせが届きましたが、NETELLERに確認しましたところ、弊社のような海外FX業者は、ギャンブルを提供する会社とは判断されないため、引き続き入・ 出金の送金手 段としてご利用いただけるということでしたので、お知らせ致します。
SKRILL(スクリル)について
SKRILLにつきましても、同じ内容のメールがSKRILLより届いているかと存じます。SKRILLにつきましては、10月1日 より日本にお 住まいのお客様向けの送金手段としてのサービスは、ギャンブルを提供する会社かどうかに関わらず、停止するということですので、ご利用のお客様はご留意くださいますよう、お願い申し上げます。
とあります。
SKRILL(スクリル)停止の背景
日本の金融庁の圧力があったということでしかないでしょう。
2016年3月10日に、日本国内で賭博を提供されて、それを遊んだ人が適用される犯罪「賭博罪」で、イギリスの企業が提供しているオンラインカジノ「スマートライブカジノ」で遊んでいた日本人のプレイヤー3人が逮捕される事件がありました。
これは海外のオンラインカジノ「スマートライブカジノ」で遊んでいたのに賭博罪として逮捕されたという事件です。
本来、海外オンラインカジノで遊ぶこと自体は賭博罪にあたりませんし、海外オンラインカジノの大手はもっとたくさんあるのですが、なぜ逮捕されたのかというと
日本人の女性ディーラーと日本人3名が一緒にオンラインカジノでチャットをしながら(相手の賭け金もわかる状態で)賭け事を行った。
ということが理由になっています。サービスの提供元は海外でも、実際はオンライン上で、日本人だけでカジノ行為をしていたということです。
イメージで言えば、海外企業の貸しているオフィスで、日本人のディーラーと日本人の方が賭け事をしているので、これは日本での賭博罪にあたると判断されたのです。他のオンラインカジノの業者は、日本人ディーラーや日本人同士に限定したサービス提供をしていないので、対象になっていなかったのです。
「これは単なる見せしめじゃないの?」という見方が強まっています。
オンラインカジノの場合は、世界中の投資家や銀行と24時間、外貨の取引をする海外FXとは違って、ディーラーが日本人で営業時間も日本時間で、遊んでいる相手も日本人だと・・・サーバーが海外にあっても日本人向けのサービスだと言いきれてしまったのです。
この事案を使って、金融庁はオンラインカジノの入出金で利用される国際決済サービスに圧力をかけたのだと推察されます。当然、国際決済サービス側が自身で判断した可能性もあります。
NETELLER(ネッテラー)とSKRILL(スクリル)は同じ運営会社ですが
NETELLER(ネッテラー)
日本人利用者の多いため、日本人利用停止による収益減の影響が大きい
→ オンラインカジノやブックメーカーは停止しよう
→ 海外FXやバイナリーオプションは残しておこう
SKRILL(スクリル)
日本人利用者が少ない
→ 全部停止しても収益への影響は軽微だろう
という判断があったのだと思われます。
海外FXを利用する投資家がすべき今後の対応
NETELLER(ネッテラー)を利用している方
そのまま利用して問題ありません。
今後、規制が入ったら、利用を停止する必要がありますが、停止になったとしてもお金が消えてなくなるわけではありませんので、引き続き利用することが可能です。
ただし、Net+ カードが一時的に利用できない状況ですので、サービス再開までは日本の銀行へ出金したいときは資金を移動する必要があります。
また、プリペイドカードが必要な場合は、海外FX業者が発行しているプリペイドカードを利用すると良いでしょう。海外FX業者が発行しているプリペイドカードであれば、口座のお金がそのまま日本のコンビニATMで引き出せることになります。
SKRILL(スクリル)を利用している方
NETELLER(ネッテラー)や日本の銀行へ出金して、今後の海外FX業者の入出金は別の方法を採用する必要があります。国際決済サービスであればNETELLER(ネッテラー)、それ以外であれば海外送金による出金、海外FX業者のプリペイドカードによる出金が選択肢となってきます。
まとめ
日本の銀行や証券会社、FX業者は金融庁に守られすぎなイメージがあります。
結果として、世界で戦える金融会社というのは日本にはなかなか出てこないのです。サービスがガラパゴス化してしまっています。規制で守られるばかりではなく、世界で戦える新しいサービスが日本にも出てくることを期待します。