海外FX業者の老舗「FXDD」を「IronFX」の親会社が買収。より大規模な海外FX業者に

earth128_128海外FX業者の老舗であり、日本でも知名度の高い「FXDD」を「IronFX」の親会社が買収しました。

公式のプレスリリース

Nukkleus Inc(以下Nukkleus)は本日、Forexware LLC(以下Forexware)により保有されていた厳選された技術資産を公式に取得したことを公表した。Nukkleusは更にIronFX Global Group(以下IronFX)の親会社であるIBIH Limited(以下IBIH)の株式を9.9%、またIronFXオーストラリア事業も100%取得した事も公表した。Nukkleusは株式譲渡契約書に従い追加株式を取得、そしてNukkleusはForexwareとFXDD Inc(以下FXDD)オペレーション部門取得のを行った。これらの取引は規制当局の承認の対象となっている。

Nukkleusの経営陣はIBIHの株式9.9%の取得とIronFXオーストラリア事業の取得を正式に発表し、これらは潜在的に相乗的なNukkleusと交わる金融テクノロジー企業体の世界でのFXリテールとしてのブランディングと戦略の第一歩にすぎないとした。また彼らは、IronFXとFXDDは別ブランドとして継続する一方で、将来的に顧客の入金資金に対する分別保管、規模によってもたらされる効率性、最適化された規制上の資本構造を活かす経営陣の意向として発表した。

この無理やり日本語にしたかのようなプレスリリースでは、全く意味が分かりませんので、多少解説をしていきます。

主な登場会社

Nukkleus Inc(親会社) FX業者向けのソフトウェア会社

IronFX Global Group(子会社) 海外FX業者「IronFX」を運営

Forexware LLC FX業者向けのソフトウェア会社「FXDD」に技術提供

FXDD Inc 海外FX業者「FXDD」を運営

今回、「Nukkleus」が「Forexware」と「FXDD(オペレーション部門)」を取得したことで「IronFX」と「FXDD」という海外FXサービスが同じ親会社「Nukkleus」が保有するものとなったということです。

海外ではFXサービスもブランドという表現をするため、

Nukkleusという金融ソフトウェアの会社は

  1. FXDDのブランド(www.FXDD.com)
  2. IronFXブランド(www.IronFX.com)
  3. FXGiantsブランド(www.FXGiants.com)

の3つの海外FXサービス展開するようになっているのです。

実際にIronFXの担当者にも確認したところ、現状、各ブランドを統合するような計画はなく、今まで通り「FXDD」も「IronFX」も「FXGiants」もサービスは継続して利用できるとのことでした。

透けて見える「FXDD」と「IronFX」合併の背景

実は両社はともに問題を抱えていました。

「FXDD」の問題

資金繰りに苦慮

2010年11月から2012年12月:必要な自己資本を維持していなかったとして27.5万ドルの罰金
2013年3月から11月:資本不足で60万ドルの罰金
2014年5:米国顧客をFXCM社へ売却

と規制されている自己資本比率を割り込んでいたとして2回罰金を受けています。資金繰りを改善するために米国の顧客をFXCM社へ売却し、資金を捻出しているのです。

「IronFX」の問題

日本人投資家のネガティブなイメージ

2013年:日本の金融庁ライセンスを目指して、一時海外FX業者としての日本人顧客受入を停止
2015年:日本の金融庁ライセンス取得をあきらめサービス最下位
2015年:中国人投資家によるオフィス襲撃デモ

と、日本人投資家にとってみれば、いきなりサービスを停止したり、再開したり、するためネガティブなイメージが広がってしまいました。さらに中国人のオフィス襲撃デモは、違法なシステムによるトレード収益の出金拒否に対するものですので、IronFX側には問題ないと言われていますが、オフィスを占拠する画像というのはそれなりにインパクトもあり、依然として日本人投資家からは印象が良くない海外FX業者になってしまっているのです。当サイトも掲載は2年ほど見送っていたぐらいです。

一方で、両社は強みもあります。

「FXDD」の強み

日本人投資家に対する高い知名度

2002年という海外FXの黎明期から日本人向けのサービスを展開し、日本人投資家に対する知名度や顧客数はかなり多いのです。

「IronFX」の強み

世界的企業であることと資本力

世界的なグローバル企業であり、は世界200カ国以上でサービス展開、8か国にオフィスを持ち、社員数は200人以上、FCバルセロナの公式スポンサー・・・と資金力は絶大にあるのです。

今回の合併は、あくまでも筆者の推察ですが

「IronFX」には「FXDD」の持つ日本市場での知名度や顧客を確保できるメリットがあり、「FXDD」は資金が回らなくなってしまったため、売却もやむなしという判断から起きた買収劇だと言えるでしょう。

海外FX利用者から見るメリット

FXDDの資金繰りの不安が回避された

FXDDの親会社がグローバル企業になったため、資金難からの倒産や出金拒否などのリスクがかなり低くなったと考えて良いでしょう。

「IronFX」「FXDD」ともに選べるサービスが増える可能性がある

FXDDに技術提供していた「Forexware LLC」というFXソフトウェアの会社も買収しているので、プラットフォームや選べる口座の種類や機能が増える可能性が高いと考えられます。

「IronFX」「FXDD」の規模が拡大することによる生産性の向上とそれによるサービスの質の向上

合併後は、200か国以上、11都市のオフィス、300人以上の従業員を保有することとなります。当然、スケールメリットがあり、2社バラバラのリソースが1社にまとめられることで、コスト削減やサービスの強化が可能になります。すぐに影響があるわけではありませんが、合併後の企業の生産性が向上されれば、スプレッドや機能強化という形で顧客へ還元される割合も増えることが予測されます。

まとめ

「IronFX」の「FXDD」買収は、投資家視点から見ても、両社の問題を改善できる可能性があるものですので、メリットがあると考えられます。すぐに見える形でのサービス強化にはなりませんが、両社の今後のサービス展開に注目する必要はあると思います。

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