海外FX業者の中でも大手の業者の場合は、デビットカードを発行している海外FX業者が少なくありませんでした。しかし、ここにきてMasterCardが海外FX業者の取り扱いを停止したため、海外FX業者のプリペイドカード/デビットカードが利用停止となっています。
海外FX業者からのプリペイドカード/デビットカード停止の連絡
XMTrading(エックスエムトレーディング) → XMカード
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実は、マスターカード社より急遽連絡があり、誠に残念ながらXMカードのサービスを2016年9月16日(金)をもちまして終了せざるをえなくなりました。
お客様のXMマスターカードの残高は9月16日(金)まで通常通りご利用頂けます。その後XMマスターカードに残高がある場合は、9月19日(月)午後17時(日本時間の午後23時)までに、自動的にお客様のMT4口座に返金させて頂きます。
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AXIORY → AXIORYオリジナルブランド プリペイドカード
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この度、弊社オリジナルブランドプリペイドカードの利用に関し、カードポータルへのログイン不可・ATMでのお引き出し等ご利用頂けない状態となっており、皆様に多大なるご不便をお掛けしております事、深くお詫び申し上げます。
現在、InterCash社提携・マスターカード社からの直接の通達により、AXIORYプリペイドカードプログラムにおける全ての機能が凍結されている旨連絡がございました。弊社では、プログラムの継続利用に関し交渉を続けさせて頂きましたが、残念ながらマスターカード社からの直接の通達である為、今後継続してのサービス提供不可の回答を受領しております。
上記通達を受け、 誠に遺憾ではございますが、AXIORYオリジナルブランド プリペイドカードサービスの提供を中止させて頂く事となりましたので、お詫びとご報告をさせて頂きます。
AXIORY プリペイドカードをお持ちのお客様へは、順次個別にご連絡させて頂き、お客様の運用口座へカード残高資金の返金手続きをさせて頂いております。マスターカード社からの要請を受け、弊社ウェブサイトからオリジナルプリペイドカードに関する情報、並びにクライアントポータルから、入出金に関するシステムを撤去させて頂いております。
この度は、多大なるご不便をお掛けしました事、深くお詫び申し上げます。
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MasterCardが利用停止という意味
クレジットカードやデビットカードの場合は、国際ブランドというブランドによって加盟店での決済システムが利用できるようになっています。
- Visa
- MasterCard
- JCB
- Amex
- 銀聯
などが国際ブランドと呼ばれる会社です。
国際ブランドのシステムを使って、加盟店でカード決済が可能になるため、どのクレジットカードやデビットカードにも、この国際ブランドがついていると思います。
「クレジットカードやデビットカードをうちの会社でも発行したい。」と思った場合には、国際ブランド側の審査を通過する必要になり、審査が通ればカード会社と提携して提携カードを発行することになるのです。
海外FX業者が使っている国際ブランドはほぼすべてが「MasterCard」でした。
なぜならば、MasterCardは審査が緩い国際ブランドだからです。
例えば、日本の消費者金融で唯一クレジットカードを発行しているのはアコムのACマスターカードだけなのです。
つまり、消費者金融にOKを出したのは審査の甘い「MasterCard」だけだったということです。
同じように海外FX業者に対しても寛容な姿勢で発行していたのが「MasterCard」だったのですが、ここにきて方針が変わったようです。
「MasterCard」がカード発行を停止するとなれば、海外FX業者のデビットカード(プリペイドカード)はどの業者でも使えなくなってしまうのです。
今回は「MasterCard」がカード停止の通達を各海外FX業者にしてきたということですから、日本のコンビニATMで海外FX業者の資金を出金するサービスは、どの海外FX業者でも利用できなってしまう可能性が高いのです。
NETELLERのプリペイドカードも利用できなくなっています。
なぜ、「MasterCard」は海外FX業者のカード発行をNGにしたのか?
下記は推測の域を出ませんが・・・・
推測その1.日本でのコンビニATM14億円不正引き出し事件の影響
記憶に新しいのが2016年5月に発生した「コンビニATM14億円不正引き出し事件」です。
2016年5月22日朝、セブンイレブンのATMで、南アフリカのスタンダード銀行の偽造クレジットカードが使われた。3時間で取引は計1万4000回に上り、約14億円が不正に引き出された。金融情報コンサルタントは「リスクが低いほか、ATMのネットワーク管理が甘く、不正分析ソフトによって見破られないと考えたからだろう」と指摘しています。
海外のクレジットカードやデビットカードはセブンイレブンのATM(セブン銀行のATM)で引き出しができるのです。
これは海外FX業者のデビットカード(プリペイドカード)と同じ仕組みです。事件は南アフリカの銀行のデビットカードでしたが、世界中で発行されているデビットカードやクレジットカードで同じことが起きるリスクがあるのです。
この事件を契機に「海外の金融機関の決済カードへの取り締まり、管理が強化された」と考えるのが一番可能性が高い理由だと思われます。
推測その2.金融庁が海外の金融監督庁ではなく、入出金元を制限してきた
金融庁は引き続き、海外FX業者を排除したいがために、各国の金融監督庁に圧力をかけてきました。
背景にあるのは
日本人は日本の金融庁登録をしているFX業者でのみ取引をして欲しい
そうでないと業者のコントロールができないから
という理由です。
基本的に海外のサービスを日本人がどう使おうと日本の金融庁に何かを言われる筋合いのあるものではないのですが・・・口を出したいのです。
これは税金面も絡んでいるのではないでしょうか。
海外の金融サービスを利用する日本人が増えれば増えるほど、お金の流れを追うのが難しくなり、税金のとりっぱぐれが増えてしまいます。
これを回避するために「日本人なら、日本の銀行や日本のFX業者を使え。」と半ば強制されているようなものです。海外の方が高いサービスを提供している会社が多いのに・・・です。本当に日本の金融機関は競争のないガラパゴスにいるといっても過言ではないのです。
今後の出金方法の一番手はNETELLERなどの国際決済サービスか?
海外FX業者のデビットカード(プリペイドカード)が使えなくなってしまったため
海外FXの出金方法は
- 国際決済サービスへの出金
- 海外送金による出金
の二択になってしまいます。クレジットカードによる出金もできますが、クレジットカードによる出金はクレジットカードで入金した金額が上限になってしまうので除外しています。
筆者の場合は、国際決済サービスの上限に達してしまっているため、手数料がかかってしまいますが、海外送金によって毎月出金しています。1回3,000円~5,000円の出費は大きいのですが、それを感じないぐらい儲ければ良いとも思っています。
まとめ
当面、海外FX業者のデビットカード(プリペイドカード)による出金はできなくなってしまいました。
事件が原因だと思われるので致し方ないことです。
海外FX業者が新しい出金方法を開発してくれることを期待しましょう。