インターバンク市場の仕組みと海外FX

doctor3128_128FXトレードをしていると「インターバンク市場」という言葉がたびたび出てきますが、インターバンク市場というものは何なのでしょうか?また、海外FXとの関係はどうなっているのでしょうか?ここではインターバンク市場について解説します。

インターバンク市場とは

参加者が金融機関に限定され、世界の金融機関同士が100万通貨単位で売買する為替市場

のことをインターバンク市場と言います。株式市場のように取引所がないため、金融機関同士がかなりのロット数で直接取引をしているのがインターバンク市場なのです。電話とネットワークによって接続されているだけで、取引所として中心を構成する機能はありません。

一般の投資家がどれだけ大口の取引を希望しても、金融機関同士の取引であるインターバンク市場の中に入ることはできないため、FX業者が間に入り、インターバンク市場と個人投資家とをつないでいるのがFXトレードなのです。

インターバンク直結と非直結

当サイトでは何度もお話ししている通り、海外FX業者と国内FX業者は取引方法が異なります。

  • 海外FX業者 NDD方式(ノー・ディーリング・デスク)
  • 国内FX業者 OCN方式(店頭取引・相対取引)

です。この取引方法の違いというのは、インターバンク市場に直結しているのか?どうでないのか?の違いとも言えるのです。

海外FX業者 NDD方式 = インターバンク直結

投資家:発注 → FX業者(スルー) → インターバンク市場に参加するカバー先:最良の価格で約定

という流れになります。

カバー先というのは、FX業者へレートを提示している金融機関のことです。

投資家の発注をFX業者はそのままカバー先に持ち込みます。FX業者が仲介者として「そのまま注文を流す」というのがNDD方式(インターバンク直結)のキモなのです。

そこで、インターバンク市場参加者の複数の金融機関(カバー先)が「bid」と「ask」を投資家に提供するのですが、自動的に一番条件が良いレートで約定することになるのです。

FX業者は通常複数のカバー先を持っているのですが、カバー先は数が多ければ多いほど、投資家の注文に対して複数の「bid」と「ask」が提示されることになります。

  • カバー先A: 1ドル=100.00円 で買える
  • カバー先B: 1ドル=99.99円 で買える
  • カバー先C: 1ドル=99.98円 で買える

という提示であれば、一番上限の良いカバー先Cを選ぶというような判断ができるのです。

つまり、カバー先の数が多ければ多いほど、投資家にとって有利な価格で約定する可能性が高いのです。海外FX業者でも、約定力やスプレッドに自信のある業者は、カバー先を公開しているところもあるので、カバー先が多い海外FX業者を選ぶ必要があります。

カバー先の質も重要なのですが、一般の投資家がカバー先の質を判断するのは非常に難しいため、まずは数で比較すれば良いのです。

インターバンク直結の場合は、薄利多売のビジネスモデルになります。そのため、国内のFX業者でインターバンク直結のNDD方式を採用している業者はほとんどありません。

投資家にとってのメリットは、インターバンク直結の場合は、透明性が高く、かつFX業者は取引量が多くないと儲からない構造になっているため、投資家が儲かるための「ボーナスの提示」「取引ツールの充実」「専門家のアドバイス」「学習コンテンツ」「コンテスト」・・・などを用意して投資家が儲かるためのサポートをしてくれるのです。

国内FX業者 相対方式 = インターバンク非直結

投資家:発注 → FX業者:約定

FX業者:発注 → インターバンク市場(カバー先):約定

相対方式とは、投資家とFX業者の取引なのです。この場合、FX業者はカバー先からレートを提供してもらっていませんので、極端に言えば、スプレッド「0pips」でもいいはずなのです。実際に為替の売買をしていないのですから・・・。

投資家の注文をそのままカバー先に流さないので、FX業者もコストがかからないのです。

ただし、FX業者も投資家の発注通りの注文は流さなくても、ある程度のリスクヘッジをするためにFX業者としてまとまった発注をカバー先に行います。ただし、これは投資家の発注とは別のものなのです。

この相対方式の問題点は、FX業者が発注を呑む取引相手になってしまうことです。

  • 投資家が損をする → FX業者が儲かる
  • 投資家が儲かる  → FX業者が損をする

という利益相反が発生してしまうのです。カバー先からレートも受け取っていないため、FX業者が表示している為替レートの信頼性も薄いものとなってしまうのです。

FX業者も企業の経営なので、儲けるためには投資家に損をしてもらうしかないのです。この利益相反の関係が投資家に損をさせる圧力になってしまいます。

メリットとしては、そもそもFX業者はカバー先に注文を投げていないので、本来はスプレッドも発生しないはずなのです。そのため、前述したインターバンク直結の海外FX業者と比較するとスプレッドは狭く設定されているのです。

まとめ

インターバンク市場とは金融機関同士が大口の取引をする為替市場のこと

を言います。

  • 海外FX業者 → インターバンク直結の取引方法を採用:NDD取引
  • 国内FX業者 → インターバンク非直結の取引方法を採用:相対取引

実際に投資家の注文をそのまま流す海外FX業者の方が透明性は高く、利益相反にならないため、投資家へのサポートが手厚いというメリットがあります。

FX業者の約定力やスプレッドを比較するときには、カバー先の数で決めると良いのです。カバー先を公開している海外FX業者の方が信頼性は高いと言えます。

カバー先を公開しているおすすめの海外FX業者「AXIORY

4 COMMENTS

池田利道

海外FX取引業者と契約して、投資金を委託していますが、契約書にOTC(Over The Counter)取引をベースにしている、と書いてあります。この場合には、国内業者と同じOCN方式であると理解してよいでしょうか?

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海外FXの達人

>国内業者と同じOCN方式であると理解してよいでしょうか?

契約書全文があるわけではないので、絶対とは言えませんが
相対取引(店頭取引)だと思われます。

投資資金の委託というのは、PMAMなど資金を預ける形の投資だと思いますが、ちなみにどこの海外FX業者でしょうか?

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池田利道

ご回答ありがとうございます。
いま対象としているのは、下記の証券会社(FX Trading Broker)です。
OTCという語彙が出てくる文章を付け加えます。

① TRUSTFFSTATION
  The agent HERITAGE Inc. as agent and attorney-in-fact to purchase and sell currencies on the OTC foreign exchange markets(OTCXX) and/or options on IBTRUSTFFSTATION contracts on margin or otherwise for the undersigned’s account and risk. 
② Monkey Trade
As agent attorney-in-fact to manage the Client’s account and risk through the purchase and sale of currencies on the OTCFX market and/or options on margin or otherwise for the undersigned’s account and risk.

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海外FXの達人

たしかに「OTC」と書いてありますね。
私の方では存じ上げないブローカーですので、判断はご自身ですべきものだと思いますが、追加入金などはしない方が無難かと思います。

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