FX業界は日夜プラットフォームが進化しており、システムトレードから進化したコピートレードやソーシャルトレードといった最新のプラットフォームが海外FXではどんどん登場してきています。一方で、国内FX業者を利用している方の場合には「ソーシャルトレードって何?」というぐらいあまり聞かない言葉となってしまっているのです。実は国内FXも一時期はミラートレーダーというトレーダーソフトによって、コピートレードが人気になった時期もあるのですが、これも金融庁に規制されることになってしまったのです。その理由を開設します。
国内FX業者がコピートレードやソーシャルトレードを販売できない理由
元々、日本の国内FX業者もコピートレードができるプラットフォームの販売も力を入れていました。
日本で知名度が高いコピートレード、システムトレードのプラットフォームといのはミラートレーダーではないでしょうか?
ミラートレーダーは、MT4(メタトレーダー4)とは違って、あらかじめストラテジーが何百と用意されていて、「投資家はその中から選ぶだけ」でシステムトレードができるので、導入が容易で利用する投資家も多かったのです。
しかし、2013年にミラートレーダーなどの販売をするためには「投資助言・代理業」の登録が必要ということが財務省からの通達があったのです。
「コピートレードも、投資家にアドバイスしているのと同じだから。」という理由付けです。
国内の金融関連の会社が取得する金融商品取引業の資格には以下のものがあります。
- 第一種金融商品取引業 → 証券会社・FX業者
- 第二種金融商品取引業 → ファンド・信託
- 投資運用業 → 資金の運用を行う業者
- 投資助言・代理業 → 投資判断のアドバイス・助言を行う業者
というものがあります。
元々は「投資助言・代理業」という資格は、投資系商品の販売会社が簡単に申請と登録ができものだったのですが、2013年の通達と時期を同じくして、「投資助言・代理業」の取得の難易度が格段に引き上げられてしまったのです。
結果として、日本国内のFX業者の場合は
コピートレードのプラットフォーム(ミラートレーダーなど)を提供するためには、新たに「投資助言・代理業」の登録が必要になるが、その登録には
- 社内の体制
- 管理体制
- コンプライアンス体制
- 長期間にわたる審査
- 膨大な量の書類提出
が必要になってしまったのです。
さらに投資家は国内FX業者と口座を開設するときに投資顧問契約を結ぶ必要が出てきてしまいます。
国内FX業者の判断としては
「面倒くさいし、登録に関するコストもかなりの金額になってしまうのでコピートレードの仕組みを売らない。」
となったのです。当然の判断だと思います。
結果的に、一定の人気を誇ったミラートレーダーも、現時点で提供している国内FX業者は片手で数えられる程度になってしまったのです。
これはMT4(メタトレーダー)のストラテジーであるEA販売業者も同じです。
「株取引や外国為替証拠金取引(FX)などを自動で行うソフトウェアについて、会員制で販売またはレンタルする行為は、一般的には金融商品取引法上の投資助言・代理業に該当すると考えられます。」
ということは、EA販売にも投資助言・代理業の登録が日本国内では必要ということになります。
MT4(メタトレーダー)自体を取り扱うこと自体はできると思いますが、日本国内のFX業者が「MT4(メタトレーダー)」の導入自体にも、積極的でないのはここにも要因があると考えられるのです。
なぜ、財務省はコピートレードの規制をしたのか?
「管理が面倒くさいから。」です。
- 財務省は管理するFX業者を増やしたくない
- 消費者からのクレームの手間を減らしたい
のです。
ミラートレーダーやMT4(メタトレーダー4)のEAなど、それなりに消費者からのクレームなどが問題になるケースも少なくありませんでした。
コピートレードの仕組みを利用するのは、自動でできるため中級者以上の投資家よりも、初心者の方が多く、「記載されていた運用結果にならなかった。」というようなクレームが財務省や金融庁にきてしまうのです。
結果、だされた策が「ミラートレーダーの販売業者も、EAの販売業者も、だったら規制しちゃおうよ。」といういつもの方針です。
この規制が「消費者を守るためのもの」と言えば、それまで、それ自体に問題があるわけではありませんが、規制をしすぎれば新しいサービスが日本のFX業界では登場しにくいというデメリットにもつながりますす。
海外FX業者は色々な選択肢がある
海外FX業者は日本の金融庁に登録をしていません。
そのため
- AutoTrade
- SuperTrader
- ミラートレーダー
- Zulutrade
- シグナルトレーダー
・・・
と様々なコピートレードのプラットフォームが用意されています。
また、同時にMAM/PAMMといったマネージドアカウントで運用のプロに資金を預けるといったサービスも、FX業者の商品の一つとして提供されているのです。
今後も、新しいプラットフォームなどが登場するのは、ガラパゴス化している国内FX業者ではなく、海外FX業者になる可能性が大きいのです。
まとめ
国内FX業者は「投資助言・代理業」を持っている一部の業者しかコピートレードのプラットフォームは販売できない状況になっています。
結果として、自動売買、コピートレードをするためには海外FX業者やEAに頼る必要が出てきているのです。