海外FXをしていると銀行の「残高証明書」が必要になる状況がたまに発生します。海外FXで残高証明書はどう使うのでしょうか?また、どうやって取得すれば良いのでしょうか?今回は英文の残高証明書とその取り方について解説します。
残高証明書とは?
残高証明書とは
銀行や信用金庫、信用組合、労働金庫、農協等の金融機関が口座を開設している顧客に対して発行する預金の残高を証明した文書(書類)のことです。
金融機関が「指定した日時に指定した口座にいくらの残高があった」か?を対外的に証明してくれるのです。
一般的には
- 「相続」の際に相続人が被相続人の財産を証明する書類として利用する
- 「離婚」の際に財産を証明する書類として利用する
- 「海外出張、留学(ビザ申請)」の際に財産を証明する書類として利用する
ケースがあります。
基本的には「残高証明書」によって、「このぐらいの資産を持っている人だ。」ということを公的に明らかにするときに使います。相続では、相続する財産の証明であり、離婚では、離婚時の財産の証明であり、海外留学では十分な資力のある家庭であることの証明なのです。
なぜ、海外FXで残高証明書が必要になるの?
住所証明書として利用するケースがあります。
通常、日本人顧客向けにサービス展開している海外FX業者であれば、残高証明書を住所証明書にする必要性はありませんが、日本語が読める人のいない海外FX業者の場合は、残高証明書などを提出し、住所証明書の代わりとすることがあるのです。
日本人向けのサービスが整っている海外FX業者や国際決済サービスの場合
住所証明書に該当する者は
- 健康保険証
- 公共料金請求/領収書
- 電話料金明細/請求書
- クレジットカード・銀行明細/請求書
- 住民票
- 印鑑証明書
- 納税関係書類
と多岐に渡ります。
この基準であれば、用意するのにとくに困ることはなく、日本に住んでいればいずれかはすぐに用意できるはずです。上記の書類のどれかを、そのまま写メを撮ってアップロードすれば、すぐに認証されます。
住所証明書の承認は、日本人スタッフがアップロードされた証明書を見て
- 「これはクレジットカードの請求書で本物だな」
- 「これは水道料金の明細で本物だな」
- 「住所証明書の住所と登録された顧客の住所は同じだな」
と判断しているに過ぎないのです。
しかし、世界展開はしているものの、日本人向けのサービスに力を入れていない海外FX業者や国際決済サービスの場合、日本人スタッフが在籍していません。
日本人スタッフがいないとなると、この日本語で書かれた住所証明書の確認ができなくなってしまうのです。
日本人スタッフがいない海外企業のケースでは
住所証明書
- 健康保険証
- 公共料金請求/領収書
- 電話料金明細/請求書
- クレジットカード・銀行明細/請求書
- 住民票
- 印鑑証明書
- 納税関係書類
となっていますが・・・下記のような注意書きがあります。
The documents are in English (latin letters), otherwise certified translations should be provided;
訳:証明書が英語でない場合は、認定された翻訳が提供されるべきです。
「認定された翻訳」というのは
- 公証役場での公証
- 各国領事館での公証
が必要ということです。
自分が翻訳してもダメなのです。公的な証明力がある翻訳でないと、住所証明が認証されないのです。
当然ですが、自分で翻訳しても、その翻訳があっているかどうかは海外FX業者には判断できず、あえて虚偽の翻訳をして、口座を作ろうとする方がいるかもしれません。そうならないために「公的な機関で翻訳された住所証明書が必要」ということになるのです。
- 公証役場での翻訳の公証サービスの公証料金は1部に付き11,500円
+ - 翻訳サービスの利用料:10,000円程度
と公的な翻訳サービスを利用すると、上記のコストが発生することになります。
面倒な上に、お金もかかってしまいます。
そこで活躍するのが銀行の「残高証明書」なのです。銀行では「英語で欲しい」と言えば「残高証明書」は英語で用意してくれるのです。
筆者が取得して住所証明として利用した三菱東京UFJ銀行の「残高証明書」
「残高証明書」の英語は「certification of balance」です
英語の「残高証明書」の入手方法
- 銀行の窓口に行く
- 『「残高証明書」を英語で欲しい』と銀行員に伝える
- 「残高証明書」発行依頼書を書く
- 「残高証明書」発行依頼書を持って窓口に渡す
- 「残高証明書」を受け取る
注意点
英文で発行する
依頼書に通常「英語」「日本語」と書類の言語の選択肢があるはず。言語の選択肢がない場合は、銀行スタッフに伝えて、英語用のものを用意してもらいます。
住所を英文で記載する
残高証明書に英文の住所を記載する必要があります。自動的に銀行が翻訳して書いてくれるものではないので「欄外に残高証明書に記載したい住所を英文で書くよう」に言われるはずです。自分で英文の住所を書きます。
証明日は来店日よりも前に
証明する残高の日付を銀行に行った日の日付にしてしまうと、発行されるのが明日以降になってしまいます。(その日の口座残高が確定していないためです。)前日以前の日付に設定すれば、30分後ぐらいで残高証明書が受け取れます。
銀行名の捺印が必要なケースも
筆者が作成した残高証明書には三菱東京UFJ銀行の印鑑はなく、サインのみです。これでも十分に通用するのですが、稀に「Please provide a document with official stamp .」とハンコが必要と指摘されることがあります。指摘されたら、印鑑を押してもらうよう銀行に依頼しましょう。銀行側はとくに問題視していません。
30分ぐらいで「残高証明書」は発行してもらえます。証明日は来店日の前日にしておくと良いでしょう。
こんなに面倒なことってあるの?
基本的に日本人スタッフを雇用している海外FX業者の場合は、残高証明書が必要なケースはほぼありません。
しかし、日本人スタッフを雇用していない世界展開している海外FX業者を利用しようとなると、英文の残高証明書が必要になるケースがあります。
「なぜ、わざわざ日本人スタッフを雇用していない海外FX業者を利用する必要があるの?」
正直、言ってしまえば
- 日本人顧客が増えれば増えるほど、金融庁に目をつけられる
- 日本人顧客が少ない海外FX業者の方が、数が多く、独自のサービスを提供している業者がある
- 日本人顧客が少ない海外FX業者の方が、スプレッドが狭く、利便性が高い
- 日本人顧客が少ない海外FX業者の方が、主要な金融ライセンスを取得していて、安心してトレードできる(日本人顧客が増えると金融庁経由で圧力をかけられるため、マイナーな国の金融ライセンスの子会社のサービスブランドとなってしまうためです。)
という問題があるため、海外FXトレードを長年利用していると、日本人スタッフがいなくても良いから、「○○というサービスを利用したい。」「○○という海外FX業者を利用したい。」というケースも出てきてしまうのです。
日本人スタッフを雇用し、日本人向けのサービスを手厚くしている利用が簡単な海外FX業者や国際決済サービスほど、金融庁に目をつけられやすく、急なサービス停止のリスクがあるからです。
このときに活躍するのが「英文の残高証明書」です。住所証明を突破する方法を覚えましょう。