国内FX業者を利用していると「米ドル/円:スプレッド0.3銭~」ぐらいの業者も少なくありません。国内FX業者から海外FX業者にはじめてのりかえる方が海外FX業者zを比較するときに必ず感じるだろうことが「なんで海外FXの方がスプレッドが広いんだろう?」ではないでしょうか。今回はその原因である「スプレッドとカバー率の関係」について解説します。
国内FX業者の取引方法と海外FX業者の取引方法の違い
国内FX業者の取引の流れ
顧客が注文を発注
↓
国内FX業者は「注文を呑む or カバー取引 or 相殺」
1.注文を呑む → 実際に取引はしない
2.カバー取引 → 損をしないようにカバー先(金融機関)にカバー注文
3.相殺 → 顧客同士の反対方向の注文を相殺
を専任のディーラーが判断することになります。
↓
カバー先(銀行・証券会社・FX会社・海外FX会社など)
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インターバンク市場
国内FX業者の取引のポイント
基本的には「注文を呑む=注文していない」
顧客の注文を呑む「呑み行為」というのは、「友達から競馬の馬券を頼まれても、実際に馬券を買いに行かない行為のこと」です。
買いに行かないので、交通費も、手間賃も、実際にはかかっていません。国内FX業者は注文を呑むことによって、実際にインターバンク市場でトレードをするときに必要なコストがないのです。
すべて「呑む」わけでもない。カバー取引とは?
カバー取引(マリー取引)とは、カバー先と言われる金融機関に、顧客の注文と全く同じ注文をして、リスクヘッジをすることを意味します。
同じ注文をすることで、顧客の予想が当たって儲けを出しても、FX業者も同じ儲けが出ている状態になるので、損失はでないことになります。
カバー先は、銀行や証券会社、FX会社や海外FX会社も行っています。カバー先はカバー元の注文同士を相殺することで利益を得るのです。
カバー先に注文を流す割合のことを「カバー率」といいます。
カバー率が低ければ低いほど → カバー先の手数料は不要 → スプレッドが狭い
という関係性にあるのです。
海外FX業者の取引の流れ
顧客が注文を発注
↓
NDD(ノン・ディーリング・デスク)
ディーラー不在。そのまま、インターバンク市場へ顧客の注文通りに発注
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インターバンク市場
海外FX業者の取引のポイント
NDD(ノン・ディーリング・デスク)だからスプレッドが広くなる
自動的にインターバンク市場へ顧客の注文を流すので、「呑み」行為をして実際に為替の取引をしていない国内FXと比較するとスプレッドが広くなります。
都度、手数料が発生するからです。その手数料分がスプレッドということになります。
世界的にはFXといえば、NDD(ノン・ディーリング・デスク)の方が主流なのです。
海外FX業者が顧客の注文通りに取引を実行するメリット
顧客の取引量の増加が海外FX業者の利益につながるので「顧客に勝たせる」ためのパートナー関係になる
「顧客に勝たせる」ためのサービスとして
- ボーナス
- 追証ゼロ
- コンテスト
- 無料VPS
- アナリストレポート
- MT4の標準搭載
- 独自の自動売買システム
- ECNプラットフォーム
- 最大レバレッジ2000倍
・・・
など様々な国内FX業者にないサービスを展開しているのです。
カバー率とスプレッド(米ドル/円)の関係
カバー取引とスプレッド(米ドル/円)の相関関係とカバー取引先数
出典:金融庁 金融モニタリングレポート2015年7月
金融庁の金融モニタリングレポートの図表を見てみると
- カバー率の平均値40.3%
- 米ドル/円のスプレッドが0.5pips以下の国内FX業者はカバー率20%以下
- カバー率100%の業者はカバー先が1社しかない
ということがわかります。
米ドル/円のスプレッドが0.5pips以下の国内FX業者はカバー率20%以下
米ドル/円のスプレッドが0.5pips以下の国内FX業者は8割以上の注文を「呑む」形を取っているためにスプレッドが狭くできるのです。
注文を「呑む」ことで発生するデメリット
- 「顧客に負けて欲しい」利益相反の関係になる
- 追証は請求せざるを得ない
- スリッページやシステムダウン、一時的なレート操作が行われるリスクがある
- 透明性が低い
- 都合の悪い取引はリクオート(約定拒否)される可能性がある
などが挙げられます。
カバー率100%の業者はカバー先が1社しかないリスクがある
金融庁の調査ではカバー率100%の国内FX業者も4社あるようです。カバー率が100%ということは「呑み行為」ではなく、海外FX業者に近い取引方法と言えます。
ただし、大きな違いは
ということです。
海外FX業者の場合は直接インターバンク市場で取引を行っているのに対して、国内FX業者はカバー率100%でもカバー先と取引をします。この場合のカバー先は1社しかないとレポートでは解説されています。
カバー率100%でカバー先が1社しかないデメリット
- カバー先が受けられない注文の場合リクオート(約定拒否)される可能性がある
- トレードの流動性が低いため、約定力が低くなる
- カバー先が経営破たんすれば取引継続ができなくなる
- 指標発表時などのスプレッドが大きくなる可能性が高い
まとめ
海外FX業者よりも、国内FX業者の方がスプレッドが狭い理由は
呑み行為で実際に取引をしていないから
です。
実際に「米ドル/円のスプレッドが0.5pips以下の国内FX業者はカバー率20%以下」というのがこの調査レポートから明らかになっています。
カバー率が低ければ
- 「顧客に負けて欲しい」利益相反の関係になる
- 追証は請求せざるを得ない
- スリッページやシステムダウン、一時的なレート操作が行われるリスクがある
- 透明性が低い
- 都合の悪い取引はリクオート(約定拒否)される可能性がある
という根本的なデメリットが発生してしまいます。
海外FX業者が顧客の注文通りに取引を実行するメリット
顧客の取引量の増加が海外FX業者の利益につながるので「顧客に勝たせる」ためのパートナー関係になる
「顧客に勝たせる」ためのサービスとして
- ボーナス
- 追証ゼロ
- コンテスト
- 無料VPS
- アナリストレポート
- MT4の標準搭載
- 独自の自動売買システム
- ECNプラットフォーム
- 最大レバレッジ2000倍
・・・
など様々な国内FX業者にないサービスを展開しているのです。
国内FX業者と海外FX業者を比較する際にはメリットデメリットをきちんと把握したうえで比較検討することをおすすめします。