「海外FXのゼロカットサービスのメリットデメリットは?」
「ゼロカットサービスを導入していない海外FX業者はあるの?」
海外FXには「追証ゼロサービス」「ゼロカットサービス」と呼ばれるサービスが導入されています。今回は、海外FX業者の追証ゼロサービス(ゼロカットサービス)とは?メリットデメリットを徹底解説します。
追証(おいしょう)とは、そもそも何?
追証とは
追証(おいしょう)とは、直訳すると「追加証拠金」のことを意味します。
FXトレードでは、ポジションを持った時に、予想と違った方向に為替が動けば、含み損が発生してしまいます。含み損が発生すれば、純資産額が減っていってしまいます。含み損が発生したことにより、FX業者の決める証拠金の最低ライン(必要証拠金)を割り込んでしまうと、追加で証拠金を差し入れる必要性が出てきてしまい、追加で必要な証拠金のことを「追証(おいしょう) = 追加証拠金」と呼ぶのです。
追加証拠金自体を「追証」と呼ぶこともあれば、追加証拠金を請求する、通知することを「追証」と呼ぶこともあります。
「追証」が発生して、追証を入金しないと、強制的にロスカット(ストップアウト)されてしまう仕組みです。
FX業者が決める証拠金の最低ラインとは?
FX業者は、業者ごとに「証拠金維持率」を決めています。この「証拠金維持率」が一定割合を割り込むと「追証」が発生するのです。
- 国内FX業者の証拠金維持率は、100%以下というのが相場です。
- 海外FX業者の証拠金維持率は「ロスカットレベル」「ストップアウトライン」などと呼ばれ、20%以下、50%以下という設定が多いです。
例:証拠金維持率100%の国内FX業者の場合
- 純資産額:100万円の状態で、100万円分のポジションを持つ
- 含み損が20万円発生する
- 純資産額が80万円に目減りする
- 証拠金維持率 = 純資産額:80万円 / ポジション額:100万円 = 80%
→ 20万円分の追証発生
- 20万円の追証を入金する → 証拠金維持率が100%に回復するため、そのままトレードできる
- 保有ポジションを100万円から80万円に減らす → 証拠金維持率が100%に回復するため、そのままトレードできる
- 何もしない → 強制ロスカット
口座がマイナス残高になることもある
通常の為替変動であれば、証拠金維持率が100%以下であれば、証拠金維持率が70~90%程度で追証が発生して、追証を入金しないで、強制ロスカットされたとしても、口座残高がマイナス残高になることはほぼありません。
しかし、リーマンショックや東日本大震災、プレグジット、コロナなど、世界規模の大きな事件、事故、災害が発生してしまうと、一瞬で数百pips、数千pipsという為替変動につながることがあります。
このような事象の時は、FX業者が「追証を出して、入金されなければロスカットする」という行為自体が間に合わず、ロスカットの注文が成立したとしても、その時には、含み損が資産額以上になってしまい、口座残高がマイナス残高になってしまうことがあるのです。
口座残高がマイナスになった分は、ロスカット後であっても、追加で入金しなければならないロスカット未収金として「投資家のFX業者に対する借金」となってしまうのです。
ロスカット未収金の例
東日本大震災で発生したロスカット未収金
発生金額:1,694,590,000円
発生件数:12216件
1人あたりの発生金額:138,719円
スイスフランショックで発生したロスカット未収金
発生金額:1,949,647,000円
発生件数:1167件
1人あたりの発生金額:1,670,649円
ブレグジット(英国のEU脱退)で発生したロスカット未収金
発生金額:193,553,000円
発生件数:2047件
1人あたりの発生金額:94,554円
このロスカット未収金は、投資家の借金ですので、スイスフランショックでは、1人あたり167万円もの借金を負った投資家が1,167人もいたということになるのです。
当然、国内FX業者は、このような事態を極力減らすために、レバレッジを抑え、証拠金維持率を高めに設定しているのです。
海外FX業者の追証ゼロサービス(ゼロカットサービス)とは?
海外FX業者の場合は
というサービスを展開しています。
これを「追証ゼロサービス(ゼロカットサービス)」と呼ぶことが多いです。
相場の急変動によって、口座残高がマイナス残高になった時には、海外FX業者がマイナス分を補填してくれるため、口座残高はマイナス残高から0円にリセットされるサービスです。
スイスフランショックでの追証ゼロカットの適用例
実際に約3800pipsもの急変動がスイスフランの大暴落のときも、海外FX業者は下記のようにマイナス残高の口座をゼロに戻す作業をしてくれているのです。
XMTradingの顧客への連絡
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重要なお知らせ: CHFに関する最新情報 大切なお客様、 スイス国立銀行がEUR/CHFの上限撤廃の決定したことよって引き起こされた最近の市場での非常に大きな値動きによって、XMはスイス国立銀行による大混乱の影響は受けての暴落の影響は受けていないことをお客様に保証致します。
XMは常にマイナス残高の自動的な保護を提供していることをお客様に再度ご案内申し上げます。 当社は、この度のEURCHF通貨ペアの異例な値動き等の混乱時には、特にお客様に対する当社の忠誠心の現れとして、こちらのマイナス残高の自動的な保護を継続していく所存です。 先週中にマイナス口座残高が発生した全てのお客様は、当社の評判と強みへのお約束を果たす為に、マイナス残高が起こりうる他のケース同様に、それらのマイナス残高は既にリセットされています。
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FxProの顧客への連絡
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FxPro 重要なお知らせ – お客様とのお約束に何ら変更はございません。
弊社運用口座をご利用のお客様に対してマイナス残高の保護を提供させて頂いておりますが、今回のスイスフランを取り巻くマーケットにおいて発生しておりました、個人投資家における口座のマイナス残高表示は、全て手動にてゼロバランスへ調整作業を進めさせて頂きました。
現在、全ての作業が完了しておりますのでご確認をお願い致します。
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海外FX業者が相場の急変動時のリスクを負っている仕組みとなっています。
相場の急変動があって、口座残高がマイナス残高になった場合
国内FX業者 → 投資家の借金
海外FX業者 → 海外FX業者が損失を補填
という違いがあるのです。
海外FX業者の追証ゼロサービス(ゼロカットサービス)のメリット
1.リスクが限定できる
投資家がどんなにハイレバレッジをかけていたとしても、最も損をした場合でも、損失は、最初に入金した資金の範囲内に納まるということです。どんなに失敗しても、FXによる損失は初回に投資した資金の範囲内なのです。
投資の世界では、損失を限定することが儲けるためには必要不可欠なことを考えられています。どんなに儲けるのが上手な投資家でも、100戦100勝はできません。負けるときのリスクを制限することで平均的な勝率でも資産を増やし続けたいを上げているのです。損失を限定するという意味ではストップ注文と同じなのです。
2.恐れることなく、ハイレバレッジでハイリターンを狙える
海外FX業者の場合は、500倍、1,000倍、3,000倍というレバレッジをかけてトレードをすることができます。しかも、入金ボーナスなどを使えば、さらに2倍のポジションを持つことも可能になります。
国内FX業者の場合、最大レバレッジ:25倍であっても、入金額以上に損失が出る可能性があるため、無理なトレードはしにくくなってしまうのです。
海外FX業者の追証ゼロサービス(ゼロカットサービス)のよくある質問
ゼロカットサービスを導入していない海外FX業者はありますか?
ほとんどありません。
日本市場向けにサービス提供している海外FX業者の場合は、基本的に「追証ゼロサービス」「ゼロカットサービス」を導入していると考えて良いでしょう。
不安な方は
- 海外FX業者のウェブサイトのFAQ(よくある質問)を見る
- 海外FX業者の日本語サポートに確認する
ことで採用しているかわかります。
XMTradingのよくある質問
入金額以上の損失を被る可能性はありますか?
いいえ、お客様が入金された金額以上を失うことはありません。特定の通貨ペアでスリッページが発生し口座残高がマイナスになりました場合には、新たにご入金頂き次第、マイナスが自動的に解消されます。
AXIORYのよくある質問
追証請求はありますか?
回答を隠す
追証請求はございません。お客様の口座がお取引によりマイナス残高となった場合、一定時間をもちまして、弊社にて口座残高をゼロにリセットさせていただきます。24時間(1営業日)を過ぎても残高がリセットされない場合、MetaTrader4のログインIDと共に残高リセットご希望の旨、サポートデスクまでお問合せください。
ゼロ・リセット後、通常通りお取引が可能になります。
GEMFOREXのよくある質問
Q:GEMFOREXはニュージーランドのFX会社との事ですが、海外FX会社の場合、トレーダーの資産は安全に保全されるのですか?海外FXは初めてとなりますので不安です。
海外FXが初めての方にとって非常に気になる所ですね。当社は、お客様が安心してトレードライフをお送り頂く為、お客様の運用資金と同額の資金を分別保管し、万が一の備えとして、大切に守る事を約束しております。また、万が一、証拠金残高がマイナスになってしまった場合も追証が発生する事は一切ございませんので海外FX初心者の方にとっても安心してご利用頂けます。
損失の補填というのはいつ行われますか?
海外FX業者は、資金が証拠金維持率(20%~50%以下)を割り込んだ時に強制ロスカットが発動します。
この時に強制ロスカットが間に合わないことも往々にして発生します。これは、レバレッジが大きいからです。
強制ロスカットをしても、口座残高がマイナス残高になった時に、翌営業日、遅くとも、翌週にはマイナス残高分がリセットされ、口座残高が0円に戻ります。
ゼロカットサービスを利用した後のペナルティなどはありますか?
ありません。
海外FX業者の補填によって、口座残高がマイナスからゼロになるだけです。
その後、入金すればトレードを再開することができますし、口座が凍結されるようなこともありません。
なぜ、国内FX業者と海外FX業者で、ロスカット・追証のサービスが異なるのでしょうか?
国内FX業者は、呑み取引(相対取引)を採用してるため、投資家の注文を国内FX業者が胴元となってのむのです。相場の急変動が起こってロスカットが遅れてしまうと、その損失分をすべて被る可能性が出てきてしまいます。国内FX業者の利益は、投資家の損失なのですが、損失が入金額を超えてしまうと、回収できない可能性がある利益になってしまいます。一方で、相場の急変動で儲けた投資家の利益分は、国内FX業者の損失ですので、こちらは必ず支払わなければなりません。
一方、海外FX業者は、NDD取引を採用しているため、投資家の注文通りにリクイディティプロバイダーと取引をします。あくまでも、仲介するだけですので、損失分を補填しても、大きなダメージにはならないのです。
海外FX業者によってロスカットサービスの違いはありますか?
ありません。
ロスカットサービス:ロスカット未収金を海外FX業者が補填するサービス
ですから、質の違いというのは、ありません。採用しているか?採用していないか?だけです。
ロスカットされる条件の違いもありません。違いがあるのは、レバレッジや必要証拠金(ロスカットレベル)、ロスカット対応までの期間ぐらいです。
まとめ
海外FX業者の追証ゼロサービス(ゼロカットサービス)とは
相場の急変動時に発生した「ロスカット未収金を海外FX業者が補填する」というサービスを展開しています。
海外FXでは、500倍、1,000倍、3,000倍というハイレバレッジでトレードできるメリットがあります。ハイレバレッジだからこそ、相場の急変動時に損失を補てんしてくれるロスカットサービスは、損失を限定できる大きなメリットのあるサービスなのです。
逆に言えば、ロスカットサービスがないFX業者で、ハイレバレッジのトレードをするのは、大きなリスクでしかないのです。