FX海外口座を10年利用し続けた筆者が本音で比較する「国内口座」と「海外口座」のメリットデメリット

「FXの海外口座ってどうなの?興味はあるけど・・・」
「FXの海外口座って、出金拒否や口座凍結があるんでしょ?」
・・・

とFXの海外口座はネガティブなイメージもあるためか、なかなか踏み切れないという方も少なくありません。今回はFX海外口座を10年利用し続けた筆者が本音で「国内口座」と「海外口座」のメリットデメリットを比較していきたいと思います。

利用し続けているからわかるFX海外口座を評価できるポイントランキング

1位:投資家に対するスタンスが違う!稼げる投資家を重宝する

FX海外口座を利用していて感じるのは

海外FX業者や海外FX業者の担当者は「投資家に稼いでほしい。」と本気で思っている

ということです。

当サイトでは何度も解説していますが・・・

国内FX業者の場合は「呑み取引(OTC取引)」ですので

  • 投資家の損失 = FX業者の利益
  • 投資家の利益 = FX業者の損失

という仕組みになっています。

投資家の注文を国内FX業者は「呑む(実際にインターバンク市場で注文はしない)」のですから

何もしないのでコストが発生しない分、スプレッドが狭い

ということになります。

それと引き換えに

国内FX業者は何をしているかというと

  • 取引が下手な初心者投資家を優遇する
  • 取引が上手い勝率の高い投資家は放置(カバー取引せざるを得ないので利益がでないため)

という状況になります。

確かに国内FX業者はスプレッドは狭いのですが、サービスや機能がすべて「初心者寄り」になってしまうため、本気で勝ちに行くときに「欲しい機能が利用できない」ものが多すぎるのです。

  • 初心者向けのセミナー・イベント
  • 初心者向けの限られたストラテジー
  • 初心者向けの口座開設キャンペーン
  • 初心者向けのトレードニュース
  • 初心者向けのトレードプラットフォーム
    ・・・

FXで本気で稼ぎに行きたい投資家にとっては、国内口座は消化不良な状態と言えるでしょう。

以前のようなあからさまな独自のトレードプラットフォームによる

  • ストップ狩り
  • レートずらし

などは、減っている印象ですが、ブラックボックスであることに違いはありません。

海外FX業者は「完全な仲介者」として「NDD取引」を採用しているため

  • 取引量を増やしてもらわないと手数料収入が増えない
  • 取引量を増やしてもらうためには、投資家に儲けてもらう以外に道がない

のです。

だから、海外口座で重視されるのは

取引量の大きい上級投資家 > 初心者投資家

です。

国内口座とは全く逆なのです。

だからこそ、取引量の大きい投資家には

  • 専属アカウントマネージャー
  • スプレッドの狭いVIP口座
  • VPSサーバー無料
  • 独自トレードレポート閲覧
  • ECN口座

などの特典が用意されています。

取引量の少ない投資家にも儲けてもらうために・・

  • 入金ボーナス
  • 口座開設ボーナス
  • ウェブセミナー
  • 動画コンテンツ
  • トレードコンテスト
  • トレードシグナル
  • 世界標準のMT4/MT5を採用
  • 自動売買ストラテジー「EA」無料提供
  • ソーシャルトレード

などの仕組みが用意されているのです。

長い目で見れば

  • 初心者の負ける投資家を重宝する「国内FX業者」
  • 取引量の多い、稼げる投資家を重宝する「海外FX業者」

では、後者と付き合っていった方が、トレードのレベルも上がりますし、メリットが大きいと考えます。

目先のコストだけを重視するのであれば「国内FX業者」という選択肢も間違えではありませんが、世界中の投資家と肩を並べるようなスケールの投資家を目指すのであれば、「海外口座の開設」をおすすめします。

2位:「ハイレバレッジ」+「追証なし」の合わせ技

海外FXの優れた点は

ハイレバレッジトレードができること

と思われている方も多いのですが、それだけでは不十分です。

なぜなら、

レバレッジを上げれば上げるほど・・・損失が出たときに強制ロスカットをしても、証拠金以上に損失が出てしまう「追証」のリスクが上がってしまうことになるから

です。

10万円の証拠金でレバレッジ1000倍の海外FX業者であれば、理論上は約100万通貨の米ドル/円のポジションが持てます。

レバレッジ1000倍だと許容できる為替変動は0.1%(1ドル100円であれば10pips)です。

10pipsを超える急激な為替変動なんて、ざらですから、「強制ロスカットが間に合わない」自体は頻発してしまう可能性があるのです。

レバレッジ最大25倍の国内口座であっても、

追証の発生額
  • 東日本大震災:1,694,590,000円
  • スイスフランショック:1,949,647,000円
  • 中国人民元切り下げ:829,113,000円
  • FRB利上げ再開:128,688,000円
  • ブレグジット(英国のEU脱退):193,553,000円

と、100億を超える桁数違いの「追証」が発生してしまっているのです。

「追証」というのは「投資家の借金」になり、FX業者への返済義務が発生します。カードローンを借りているようなものなのです。

投資家一人当たりの追証発生額
  • 東日本大震災:138,719円
  • スイスフランショック:1,670,649円
  • 中国人民元切り下げ:171,659円
  • FRB利上げ再開:164,352円
  • ブレグジット(英国のEU脱退):94,554円

出典:海外FXプロ「国内FXの追証発生額(ロスカット未収金)推移」

スイスフランショックでは、1167人の投資家が一瞬にして約167万円の借金を負った。

ということになります。

レバレッジ25倍の国内口座でも、このありさまですから、レバレッジが1000倍~3000倍という海外口座で「追証」があったら、投資家にはどれだけのリスクがあるか、想像もできません。

しかし、海外口座では

「追証」はありません。

海外FX業者の強制ロスカットが間に合わずに、顧客の証拠金残高がマイナス残高になったとしても、海外FX業者の持ち出しで「0円にリセット」してくれるのです。

どんなに予想が外れても、損をするのは証拠金の範囲内でトレードができる

ということになります。

どんな投資であっても「損失を限定する」ということは、稼げる投資家の必須条件でもあります。実際にFXトレードで「ストップロス注文」を入れて損切ラインを明確にするのも同じことなのです。

  • FX国内口座 → レバレッジは低いが証拠金以上に損失が出るリスクがある(損失の最大額をコントロールできない)
  • FX海外口座 → レバレッジが高く、証拠金以上に損失が出ない(損失の最大額は証拠金)

FX海外口座では「ハイレバレッジトレードができる」かつ「追証が発生しない」ことに大きな価値があるのです。

実際に前述したスイスフランショックのときの海外FX業者「XM」の対応ですが・・・

XM

ウェブサイトでの説明

XMTradingでは、お客様のご資金を最優先します。

一方、全てのお客様を対象にマイナス残高リセットが適用されますので、口座残高以上の損失は発生致しません。

スイスフランショック発生時のメール

=====================

重要なお知らせ: CHFに関する最新情報 大切なお客様、 スイス国立銀行がEUR/CHFの上限撤廃の決定したことよって引き起こされた最近の市場での非常に大きな値動きによって、XMはスイス国立銀行による大混乱の影響は受けての暴落の影響は受けていないことをお客様に保証致します。

XMは常にマイナス残高の自動的な保護を提供していることをお客様に再度ご案内申し上げます。 当社は、この度のEURCHF通貨ペアの異例な値動き等の混乱時には、特にお客様に対する当社の忠誠心の現れとして、こちらのマイナス残高の自動的な保護を継続していく所存です。 先週中にマイナス口座残高が発生した全てのお客様は、当社の評判と強みへのお約束を果たす為に、マイナス残高が起こりうる他のケース同様に、それらのマイナス残高は既にリセットされています。

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となっています。

3位:世界標準のトレードプラットフォームを利用できる

海外口座では

  • MT4/MT5:メタトレーダー(STP口座用)
  • cTrader:シートレーダー(ECN口座用)
  • ソーシャルトレード
  • コピートレード

という世界中で利用されているトレードプラットフォームが利用できます。

「何が良いのか?」というと「拡張性の高さ」と言っていいでしょう。

MT4/MT5:メタトレーダーの場合

  • 世界中の投資家が利用している
  • 自動売買ストラテジー「EA(エキスパートアドバイザー)」の開発が簡単
  • テクニカル分析「インジケーター」の開発が簡単
  • 世界中の投資家が開発した「EA」が配布されている
  • 世界中の投資家が開発した「インジケーター」が配布されている
  • 自分のトレードテクニックを「EA」にして自動化することができる
  • 自分のトレードに合った「インジケーター」を開発することができる
  • 動作が軽い
  • 日本語対応

という点が挙げられます。

元々、「MT4/MT5:メタトレーダー」は、「自分で簡単に開発できる」ことが受けて世界中の投資家に普及しました。

世界中の投資家が開発した「EA」「インジケーター」が配布されるようになると・・・

この流れは加速し、一気に世界中の投資家が利用するトレードプラットフォームになったのです。

国内口座のテクニカル分析は、20種類~30種類程度しか選択できません。

DMM FX 利用できるテクニカル分析

  • 移動平均線
  • 回帰トレンド
  • 一目均衡表
  • ボリンジャーバンド
  • HLバンド
  • 指数平滑移動平均線
  • エンベロープ
  • 加重移動平均線
  • 線形回帰分析
  • GMMA
  • ピボット
  • フィボナッチピボット
  • スパンモデル
  • スーパーボリンジャー
  • パラボリック
  • モメンタム
  • RSI
  • 移動平均乖離率
  • MACD
  • RCI
  • ストキャスティックス
  • ATR
  • CCI
  • ウイリアムズ%R
  • DMI
  • Aroon-Indicator
  • Aroon-Oscillator
  • ROC
  • RVI

「MT4/MT5:メタトレーダー」は世界中で10万個以上のインジケーターが配布されています。

はじめから搭載されているインジケーターだけを見ても、100個以上はありますし、数や選択肢が段違いなのです。

同様に「EA」も世界中の投資家が日夜開発し、有料、無料問わずウェブサイトで公開されています。

他にも

  • ECN口座で利用されることが多い板情報が見れる「cTrader」
  • 運用成績の良い投資家をフォローすると同じトレードができる「ソーシャルトレード(コピートレード)」

などのトレードプラットフォームもあり、トレードの選択肢が幅広くなるのです。

国内FX業者は「初心者重視ですから」

  • 見やすい
  • わかりやすい

を重視するため、テクニカル分析の数を減らして、シンプルなトレードプラットフォームを自社開発するのです。

透明性という意味でも、海外口座は世界中で流通しているトレードプラットフォームでトレードするのが一般的ですので、不正の入り込む余地は少なく、国内口座よりも優れているのです。

利用し続けているからわかるFX海外口座を評価できないポイントランキング

1位:海外FX業者の評判の情報収集が難しい

  • 日本人には、良い人もいれば、悪い人もいる
  • 外国人にも、良い人もいれば、悪い人もいる

のと同じで

  • 国内FX業者にも、優良業者もいれば、倒産する業者も、悪徳業者もある
  • 海外FX業者にも、優良業者もいれば、倒産する業者も、悪徳業者もある

のです。

大きな違いは

国内FX業者であれば、日本語の情報が溢れているので

  • 有名な企業であるかどうか?
  • 有名な企業グループであるかどうか?

は、日本在住の日本人であれば、なんとなくわかるかと思います。

しかし、海外FX業者の知名度は、日本在住の日本人から見えにくいものです。

筆者は、海外FX業者の本社にも行く機会が何回かあったので、安心して企業規模を肌で感じることができましたが・・・

そうでない日本在住の日本人にとっては「ウェブサイト」「サポート担当者」の印象がすべてになってしまうことも多いのです。

実際に筆者も

20口座以上海外口座を保有していますが・・・

一つの海外FX業者は証拠金を残した状態で、倒産してしまいました。当然、証拠金数万円の出金はできませんでした。

という経験があります。

これは、海外FXをやりはじめたところで、あまり知識がなく「その業者の安全性を判断できなかった。」ことが要因となっています。

海外FX業者を見極めるための情報が不足している(英語が基本) → 悪徳業者の見極めが難しい

ということが、FXで海外口座を持つ大きなデメリットとなってしまうのです。

2位:結局、スプレッドは広い

スプレッドの相場は

  • 国内FX業者のスプレッド:米ドル/円 0.3pips~0.5pips
  • 海外FX業者のスプレッド:米ドル/円 0.8pips~1.2pips

ぐらいの違いがあります。

これは構造的な問題であり

  • 呑み取引(DD取引)(実際には売買しない)国内FX業者 → スプレッドを狭く設定できる
  • NDD取引(実際に売買する)海外FX業者 → スプレッドを狭く設定できない

という事情があるのです。

スキャルピングやデイトレードでも比較的ポジションを長く持たない投資家にとっては、このスプレッドの差は大きく、1回のpips損益に響いてきます。

その代わり海外口座なら、レバレッジをかけて、取引量を増やすことで損益を増やす形で対抗できます。

これは海外口座のメリットデメリットのどちらを取るか?という問題ですが・・・

「スプレッドが広い」ということは、海外FX業者がケチなのではなく、構造上の回避できないデメリットと考えましょう。

だからこそ、FX海外口座を選ぶときには「スプレッドの狭さ」も重要なポイントになるのです。

海外FX業者のスプレッドをリアル口座の同環境観測データで比較/本当にスプレッドが狭い海外FX業者は?

3位:地理的なレイテンシーが約定スピードに影響する

もう一つ考えなければならないのが「地理的レイテンシー(遅延)」です。

例えば、東京の自宅PCでMT4を起動して海外FX業者に発注をかける場合

海外FX業者のサーバーがニューヨークにあれば、「東京」→「ニューヨーク」にインターネット回線で情報が届くスピードに遅延が発生します。

光の速さですので、コンマ〇秒という遅延ですが、FXトレードではこのコンマ何秒の遅延で、約定する価格が動いてしまう可能性があります。

約定スピードが遅くなってしまう地理的な問題も海外口座の大きなデメリットと言えます。

ただし、地理的なレイテンシーには回避する方法があります。

VPSサーバーを利用することです。

VPSサーバーは、海外FX業者の取引サーバーと同じデータセンターに設置されていることが多いため、地理的なレイテンシーはほぼゼロになり、約定スピードは速くなります。

海外FX業者が提供しているVPSサーバーを利用するという形で、約定スピードを上げることができるのです。

まとめ

以上が実際にFX海外口座を10年利用し続けた筆者が本音で比較する「国内口座」と「海外口座」のメリットデメリットです。

利用し続けているからわかるFX海外口座を評価できるポイントランキング

  1. 1位:投資家に対するスタンスが違う!稼げる投資家を重宝する
  2. 2位:「ハイレバレッジ」+「追証なし」の合わせ技
  3. 3位:世界標準のトレードプラットフォームを利用できる

利用し続けているからわかるFX海外口座を評価できないポイントランキング

  1. 1位:海外FX業者の評判の情報収集が難しい
  2. 2位:結局、スプレッドは広い
  3. 3位:地理的なレイテンシーが約定スピードに影響する

絶対に「FXをやるなら海外口座が良い」というわけではなく、やはりメリットとデメリットが存在するのです。人によっては、国内口座でトレードすべきですし、人によっては海外口座でトレードすべきなのです。

海外口座でFXトレードをするメリットデメリットを正確に把握した上で「利用すべきかどうか?」検討することをおすすめします。

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