海外FX業者でトレードをする場合は、トレードプラットフォームは「MT4」を利用することが多いと思います。MT4を使う上で知っておかなければならないものが「GMT」なのです。
「GMT」とは?
グリニッジ平均時(Greenwich Mean Time)のこと
イギリスのグリニッジ天文台・グリニッジ子午線(経度0度)における平均太陽時のことです。イギリスで鉄道が発展したときにグリニッジ天文台で測定した時間を世界の標準時間として使った時の指標になります。
今現在は、協定世界時 (UTC) というセシウム原子の振動を基に計算された時間が採用されていますが、昔の名残で「GMT=世界の標準時間」として利用され続けているのです。
日本時間とGMTの関係
日本標準時(JST) = GMT +9
ですから
日本「17:52」のときは、GMT「8:52」ということになります。
日本時間より9時間前の時間 = GMT
です。
「GMT」の冬時間と夏時間
ややこしいのは海外には冬時間と夏時間というものがあることです。
欧米、オーストラリアなどでは日照時間が長い夏の時間を有効活用するために、時計を1時間進めることで生活をします。これが夏時間(サマータイム)なのです。
欧米では、夏と冬で時間が異なるのです。
FXではニューヨーク基準で0時から取引開始になる場合、サマータイムのない日本のFX業者では、冬時間は7時から取引開始、夏時間は6時から取引開始という形でトレードの時間も変わってしまうのです。
- 米国式サマータイム実施時期:3月第2日曜日~11月第1日曜日
- 英国式サマータイム実施時期:3月最終日曜日~10月最終日曜日
FXで基準となるのはニューヨーク市場(GMT+2)ですので
- 冬時間 = GMT+2
- 夏時間 = GMT+3
という時間を基準にトレードプラットフォームを提供している海外FX業者が多いのです。
XMTrading(エックスエムトレーディング)のMT4の初期設定を見てみると
日本にいる私の右下のパソコンの時間は「8:03」ですが、1分足の最新の時間は「1:01」となっています。
- 日本時間 = GMT+9 = 8:03
- XM MT4(ニューヨーク時間) = 冬時間GMT+2 = 1:01
XMTrading(エックスエムトレーディング)のMT4ではニューヨーク時間が採用されているので、ニューヨークとの時差が7時間が反映されているのです。
「えっ、日本時間の方がわかりやすいんだけど・・・日本時間に変えられないの?」
日本時間表示のインジケーターを利用すれば日本時間に変えることができます。ただし、これはMT4の見た目を日本時間に変更するインジケーターになります。大元のGMT設定は海外FX業者が設定するものなのでユーザー側で変更することはできません。
しかし、FXでは、GMTはニューヨーク時間の方が使い勝手が良いのです。その理由を解説します。
GMTがニューヨーク時間に設定されている海外FX業者の方が良い理由
海外FX業者ではほとんどの業者が「ニューヨーク時間(冬時間GMT+2、夏時間GMT+3)」でMT4を設定しています。
海外FX業者 | 夏時間 | 冬時間 |
---|---|---|
XM | +3 | +2 |
Axiory | +3 | +2 |
FXDD | +3 | +2 |
TitanFX | +3 | +2 |
FxPro | +3 | +2 |
LAND-FX | -4 | -5 |
と「LAND-FX」など一部の業者は珍しいGMTを採用していますが、ほとんどの海外FX業者は「ニューヨーク時間(冬時間GMT+2、夏時間GMT+3)」なのです。
理由その1.「日足」がずれない
FXではニューヨーク時間が基準となるため
ニューヨーク時間の月曜日0時~ニューヨーク時間の金曜日24時
の平日5日間が取引が可能な時間となります。
しかし、ニューヨーク時間と違うGMTを採用してしまった場合には、数時間ずれてしまうため、月曜日の途中から始まり、土曜日の途中で終わる形になるため、本来5日間の取引期間で日足が5本になるはずが、6日間の6本の日足ができてしまうのです。
ニューヨーク時間(冬時間GMT+2、夏時間GMT+3)のFX業者のMT4
日本時間(GMT+9)のFX業者のMT4
2016年12月10日(土曜日)の日足が日本時間(GMT+9)のMT4チャートにだけ登場してしまうのです。余分な日足の発生が起きてしまいます。
テクニカル分析では、日足5本で分析するのが正しい考え方になります。
理由その2.EAもニューヨーク時間基準で作られている
裁量トレードであれば、日足が6本でも、15分足、1時間足でトレードする方であればそこまで大きな問題はないかもしれません。
しかし、EAを使ってMT4でシステムトレードをする場合は、さらに面倒なことになります。
EAも当然のようにニューヨーク時間(冬時間GMT+2、夏時間GMT+3)を基準に作られていることがほとんどですから、GMTがニューヨーク時間ではないMT4でそのEAを使う場合には設定の変更が必要になります。
設定の変更をしなければ、EAの設計段階でのポジション取りのタイミング、EAの過去の運用成績と今後期待できる運用成績等が本来のものではなくなてしまうのです。
まとめ
日本時間と違うことは慣れるまでに時間がかかるかもしれませんが
ニューヨーク時間(冬時間GMT+2、夏時間GMT+3)
が世界のFXの基本の時間設定なのです。
世界を意識して海外FX業者を利用するのであれば、ニューヨーク時間(冬時間GMT+2、夏時間GMT+3)のままMT4を利用した方が、世界の市場の時間感覚を養うためにも、インジケーターや取引シグナルの設定ミスを回避するためにも、良いのです。
ニューヨーク時間(冬時間GMT+2、夏時間GMT+3)を採用している海外FX業者を利用しましょう。