海外FXに限らず投資で重要なのは資金管理方法だと言われています。適切な資金管理をしていなければ、どんなに優れたトレードテクニックがあっても資金を増やすことができないのです。今回は海外FXでおすすめの資金管理方法について解説します。
なぜ、資金管理が重要なのか?
これは言うまでもありません。
1勝9敗でも稼げる
というFXトレーダーがいる一方で
何も考えずに「儲けられそう」と思った時になんとなくてポジションを持っていたら
9勝1敗でも資金がゼロになる
ことはあり得るのです。
10万円の資金が9連勝して20万円になったときに大きなポジションを持ってロスカットの設定が間違っていたら、0円になる可能性はありうるのです。
結局、資金管理がなければFXはただのギャンブルです。
FXで「お金を安定的に増やす」目的があるのであれば
- 安定した勝率の出せるトレードテクニックを身につける
と同時に
- 安定した勝率が出せたときに資金が増える資金管理方法を身につける
ことも重要なのです。
どちらかが片手落ちの状態だと、お金が増えないのがFXです。
おすすめの資金管理方法【2ヵ月複利法】
【前提】投資資金はなくなっても良い資金(余剰資金)をベースにする
FXをはじめる前に決めなくてはならないことは
FXにチャレンジして「いくらまでなら損失を許容できるか?」予算を決める
ということです。
- 50万円なのか?
- 100万円なのか?
- 1000万円なのか?
人それぞれだと思いますが
最悪、なくなっても良い資金であること
が重要なポイントです。
- なけなしのお金
- 生活資金
- 借金
でFXをはじめたとしても、絶対にうまくいきません。
なぜなら、心理的プレッシャーが大きすぎるからです。
FXは心理的プレッシャーとの戦いでもあります。
どんなに勝てる、トレード手法があっても、その通りにトレードできるものではありません。
「もう少し待てば戻ってくるかも・・・」
「躊躇している間にタイミングを逃してしまった。・・・」
「負けた分を取り返すために2倍でトレードしよう!」
・・・
という心理面の葛藤は日常茶飯事です。
なくなっても良いお金だとしても、これらの心理的プレッシャーは大きいものなのですから、これが必要不可欠なお金だとしたら、心理的プレッシャーが大きくなりすぎて、正常な判断、戦略通りの確実なトレードは絶対にできないのです。
幸い、海外FXはハイレバレッジトレードが可能ですので、少額資金でも大きく儲けることは可能です。
借金して100万円を用意する必要はなく
手元にある使っても良い10万円でトレードを始めても
大きく稼ぐことができるのです。
投資資金はなくなっても良い資金(余剰資金)をベースにすることを前提に予算を決定しましょう。
【全体予算配分】1日当たりの予算に資金を分解する
筆者がおすすめするのは
投資資金を1日の予算として小分けにすること
です。
このときに2か月分で分けることをおすすめします。理由は後述します。
FXの投資予算:100万円の場合
- 1か月分の予算:50万円
- 1週間分(4週計算)の予算:12万5000円
- 1日分(5日計算)の予算:2万5000円
FXの投資予算:20万円の場合
- 1か月分の予算:10万円
- 1週間分(4週計算)の予算:2万5000円
- 1日分(5日計算)の予算:5000円
となります。
この資金管理のルールは
1日の予算が尽きたら、トレードを辞める
というシンプルなものです。
なぜ、1日ごとに予算設定するのか?
試行回数を確保できるから
FXトレードは100戦100勝を狙うものではありません。
どんなに優秀なトレーダーであっても、勝率100%はないのです。
大数の法則
コインを投げて裏を出る確率は試行回数が増えれ増えるほど、2分の1に近づく
という法則があります。
どんなに有効なトレード手法でも、1回、2回の試行回数では本当の成果は判断できません。
たまたま成功しなかった。
たまたま成功した。
のどちらかがあり得るからです。
試行回数を増やさなければ、確実なトレード手法の検証はできないのです。
1日ごとに分解すれば最悪でも2ヵ月(40日分)トレードチャンスがあります。
1日2回~3回ポジションを持つデイトレードであれば、100回以上はポジションを持てるのです。
- 100回の間に安定した勝率になってくる
- 100回トレード経験することでトレードタイミングの精度も上がる
- 失敗しても、その失敗を受けて改善した手法を試すチャンスがある
スキルアップとトレード手法の検証を行うためには、予算が多い少ないは別として、一定程度のトレード回数が必要になるということです。
予算を1週間で使い切ってしまうようなトレードだと
- トレードスキルも上がらず
- 行っていたトレード手法が良いかどうかの判断もできない
ままゲームオーバーになってしまうのです。
心理的プレッシャーを軽減できるから
- 失って良いお金
かつ
- 40日分の1
と分散していれば、「今日負けても、明日勝てば良い」と考えられるので心理的プレッシャーはかなり軽減されます。
前述した通りで、FXの最大の敵は心理的プレッシャーとも言えます。小分けにすることで心理的プレッシャーを軽減できるのです。
また、何も考えずに2分の1の確率でトレードしたって、40連敗になる可能性は1兆分の1ですから、過度な心配をせずにトレードをすることができます。
【1日の予算配分】1回当たりのトレード枚数と損切りラインを決める
1日の予算が決まれば、1回のトレードの取引量と損切りラインを決めることが可能です。
FXの投資予算:100万円の場合
- 1か月分の予算:50万円
- 1週間分(4週計算)の予算:12万5000円
- 1日分(5日計算)の予算:2万5000円
の場合
その人がトレードできる時間
採用しているトレード手法
によっても違いはありますが、概ね
デイトレードでポジションを持つのであれば1日2回~3回のエントリーチャンス
というのが一般的です。
平均2.5回/1日だと設定すれば
- 1回のトレードの予算(損失許容額):1万円
となるのです。
取引量別の損失許容額を見ると
- 10万通貨:10pips
- 4万通貨:25pips
- 2万通貨:50pips
- 1万通貨:100pips
- 5000通貨:200pips
- 1000通貨:1000pips
となります。
トレード手法によりますが、この予算の場合は
- 2万通貨ペアで50pipsの損切りリミットを設定してトレードする
- 4万通貨ペアで25pipsの損切りリミットを設定してトレードする
という選択が妥当なラインと言えます。
「初心者だから1000通貨から始めたいんだけど。」
という方の場合は、予算設定がそのままで
- 1000通貨ペアで1000pipsの損切りリミットを設定してトレード
を選んでも損切りの意味がありません。1日で1000pipsも動かないからです。
このような場合ははじめの予算設定100万円というのが高額すぎるということです。
予算を10分の1に減らせば
FXの投資予算:10万円の場合
- 1か月分の予算:5万円
- 1週間分(4週計算)の予算:1万2500円
- 1日分(5日計算)の予算:2500円
平均2.5回/1日だと設定すれば
- 1回のトレードの予算(損失許容額):1000円
となるのです。
取引量別の損失許容額を見ると
- 1万通貨:10pips
- 4000通貨:25pips
- 2000通貨:50pips
- 1000通貨:100pips
となるので
- 2000通貨ペアで50pipsの損切りリミットを設定してトレードする
- 4000通貨ペアで25pipsの損切りリミットを設定してトレードする
のが妥当というラインになります。
【複利による予算増加】
この資金管理方法では2ヵ月で1クールとした予算設定にしています。
2ヵ月で利益が出たのであれば、次の2ヵ月は予算が増えるので1日当たりの予算も増えることになります。
100万円を2ヵ月で5%予算を増やせた方の場合
その勝率が続くと仮定すれば
初期 | 100万円 |
---|---|
2か月目 | 105万円 |
4か月目 | 110万円 |
6か月目 | 116万円 |
8か月目 | 122万円 |
10か月目 | 128万円 |
12か月目 | 134万円 |
14か月目 | 141万円 |
16か月目 | 148万円 |
18か月目 | 155万円 |
20か月目 | 163万円 |
22か月目 | 171万円 |
24か月目 | 180万円 |
26か月目 | 189万円 |
28か月目 | 198万円 |
30か月目 | 208万円 |
32か月目 | 218万円 |
34か月目 | 229万円 |
36か月目 | 241万円 |
38か月目 | 253万円 |
40か月目 | 265万円 |
42か月目 | 279万円 |
44か月目 | 293万円 |
46か月目 | 307万円 |
48か月目 | 323万円 |
50か月目 | 339万円 |
52か月目 | 356万円 |
54か月目 | 373万円 |
56か月目 | 392万円 |
58か月目 | 412万円 |
60か月目 | 432万円 |
5年目で432万円になります。
100万円を2ヵ月で10%予算を増やせた方の場合
その勝率が続くと仮定すれば
初期 | 100万円 |
---|---|
2か月目 | 110万円 |
4か月目 | 121万円 |
6か月目 | 133万円 |
8か月目 | 146万円 |
10か月目 | 161万円 |
12か月目 | 177万円 |
14か月目 | 195万円 |
16か月目 | 214万円 |
18か月目 | 236万円 |
20か月目 | 259万円 |
22か月目 | 285万円 |
24か月目 | 314万円 |
26か月目 | 345万円 |
28か月目 | 380万円 |
30か月目 | 418万円 |
32か月目 | 459万円 |
34か月目 | 505万円 |
36か月目 | 556万円 |
38か月目 | 612万円 |
40か月目 | 673万円 |
42か月目 | 740万円 |
44か月目 | 814万円 |
46か月目 | 895万円 |
48か月目 | 985万円 |
50か月目 | 1,083万円 |
52か月目 | 1,192万円 |
54か月目 | 1,311万円 |
56か月目 | 1,442万円 |
58か月目 | 1,586万円 |
60か月目 | 1,745万円 |
5年目で1,745万円になります。
100万円を2ヵ月で20%予算を増やせた方の場合
初期 | 100万円 |
---|---|
2か月目 | 120万円 |
4か月目 | 144万円 |
6か月目 | 173万円 |
8か月目 | 207万円 |
10か月目 | 249万円 |
12か月目 | 299万円 |
14か月目 | 358万円 |
16か月目 | 430万円 |
18か月目 | 516万円 |
20か月目 | 619万円 |
22か月目 | 743万円 |
24か月目 | 892万円 |
26か月目 | 1,070万円 |
28か月目 | 1,284万円 |
30か月目 | 1,541万円 |
32か月目 | 1,849万円 |
34か月目 | 2,219万円 |
36か月目 | 2,662万円 |
38か月目 | 3,195万円 |
40か月目 | 3,834万円 |
42か月目 | 4,601万円 |
44か月目 | 5,521万円 |
46か月目 | 6,625万円 |
48か月目 | 7,950万円 |
50か月目 | 9,540万円 |
52か月目 | 11,448万円 |
54か月目 | 13,737万円 |
56か月目 | 16,484万円 |
58か月目 | 19,781万円 |
60か月目 | 23,738万円 |
5年目で2億3738万円になります。
複利の力は絶大なのです。
2ヵ月で20%の予算増はかなりレベルが高いので難しいかもしれませんが
2ヵ月で100万円を110万円にする目標であれば可能な気がしてこないでしょうか?
それでも、5年後には資産が17.4倍になっています。5年後のFXの月収は約80万円です。常に10%増やすことを1日単位、1週間単位、1ヶ月単位で目標におけば良いのです。
FXの投資予算:100万円の場合
- 1か月分の予算:50万円
- 1週間分(4週計算)の予算:12万5000円
- 1日分(5日計算)の予算:2万5000円
という予算の場合は
- 1か月分の目標:+5万円
- 1週間分(4週計算)の目標:+1万2500円
- 1日分(5日計算)の目標:+2500円
です。
当然、日々浮き沈み、プラスマイナスはあるはずですが、平均して+10%というのを予算に対して目標設定するだけです。
4万通貨ペアで25pipsの損切りリミットを設定してトレード
で1日2回のチャンスがあるなら
50pipsの予算ですから、+5pips勝てばいいだけです。
+30pipsの勝ち
-25pipsの負け
です。1勝1敗でも問題なく目標達成になるのです。
まとめ
この資金管理方法の良いところは
少額の予算から始めても
1日あたりの勝てるpips数が10~30pipsでも
徐々にロット数が予算に応じて増えていくことで
複利効果が最大限に活用され、数年後には十分な資金、収入になるということなのです。
一獲千金で100pips~200pips抜くトレード手法を選択する投資家の方もいますが、プロのディーラーでも一回に抜くpips数とうのはデイトレードであれば30~40pips程度なのです。
それが一番安定して抜けるpips数ということであれば、徐々に取引ロット数を引き上げていく方が有効だと考えるのは当然です。
しかし、極端にロット数を引き上げてしまうと心理的プレッシャーが増大してしまい、今まで通りの手法なのに儲けられないという弊害も出てきます。この手法であればなだらかにロット数が増えていくため、それほど心理的プレッシャーが増えることもありません。
FXは計画的に資金管理をしながら、トレードスキルを伸ばして資産を増やすことが重要なのです。