「MT4とMT5ってどっちが良いの?」
「MT4とMT5はどっちを使うべきなの?」
「MT5って良くないんでしょ?」
「MT4とMT5の違いは何?」
・・・
と、MT5の悪評ばかりが浸透してしまいましたが、MT5もアップデートを繰り返しながら、徐々に使い勝手が良い状態になってきているようです。今回は、実際にMT5でトレードしてみて、今後はMT5でも良いのかもしれないという点をレビューしてみました。
実際にXMでMT5をダウンロードする
XMは
- PC対応MT5
- Mac対応MT5
- MT5 WebTrader
- iPhone対応MT5
- Android対応MT5
と、すべてのデバイスで「MT5」に対応しています。ちなみにXMが「MT5」に対応したのは2017年3月4日ですので、ここ最近対応したということになります。
海外FX業者にも、徐々に「MT5」対応の業者が増えてきています。
MT5が使える主な海外FX業者
XM
FBS
IFCMarket
Fxpro
Ace Forex
XMでMT5を利用する手順
既にお持ちの口座から「追加口座を開設する」ボタンをクリックします。
取引プラットフォームタイプで「MT5」を選択し、新規の口座を開設します。
注意点
「MT4」口座と「MT5」口座は別物ですので、既存のMT4口座のID/PASSでMT5口座にはログインできません。新しい口座を作る必要があるのです。
MT5のダウンロードページから「MT5」のセットアップファイルをダウンロードします。
MT4の時と同じ手順でインストールします。
新規で開設した口座のID/PASSで無事ログインできました。
MT4とMT5の違いを個別に比較
メニューウィンドウを比較
MT4
MT5
違いはどこ?
アイコンの大きさとデザインが変わったぐらいです。MT5の方がアイコンが大きいので見やすいぐらいの違いです。
時間足を比較
MT4
MT5
違いはどこ?
MT4 9段階
M1(1分足)
M5(5分足)
M15(15分足)
M30(30分足)
H1(1時間足)
H4(4時間足)
D1(1時間足)
W1(週足)
MN(月足)
MT5 22段階※2017年7月時点
M1(1分足)
M2(2分足)
M3(3分足)
M4(4分足)
M5(5分足)
M6(6分足)
M10(10分足)
M12(12分足)
M15(15分足)
M20(20分足)
M30(30分足)
H1(1時間足)
H2(2時間足)
H3(3時間足)
H4(4時間足)
H6(6時間足)
H8(8時間足)
H12(12時間足)
D1(1時間足)
W1(週足)
MN(月足)
圧倒的にMT5の方が時間足が多くなりました。さすがに22段階も不要ですが、10分足、2時間足、8時間足、12時間足ぐらいは利用する方も多いかもしれません。
時間足のバリエーションが増えたので、より細かい分析や複数の時間足を見比べてのトレードが可能になっています。
気配値を比較
MT4
MT5
違いはどこ?
MT4は「通貨ペアリスト」「ティックチャート」の2つでした。
MT5では「通貨ペアリスト(銘柄)」「ティックチャート」「プライスボード」「詳細」の4つを表示することができます。
「詳細」を開けば、「高値」「安値」「直近価格」が表示されるので、一つの通貨ペアでトレードする分にはこちらの指標の方が便利と言っていいでしょう。
「プライスボード」はチャートの左上にある「プライスボード」が縦に並んでいるだけなので、ここで登録したつ受けペアがいつでもワンクリック注文できるということです。
さらにMT5では「クリックして追加」という画面に通貨ペアの一部を入力すれば、追加したい通貨ペアの候補が表示されるので、googleのようなノリで通貨ペアを追加することができます。
MT5の方が格段に使いやすくなっている印象です。
ナビゲーターウィンドウを比較
MT4
MT5
違いはどこ?
MT4の場合は「Examples」の下に個別のインディケータがずらずらと表示されてしまうため、開いた状態だとスクロールしないと「EA」にたどり着かいない状態でした。
MT5は、フォルダが整理されているので全体のナビとして機能する形になっています。
データウィンドウを比較
MT4
MT5
違いはどこ?
MT5では[Tick Volume]と「Spread」が表示されています。
チャートを比較
MT4
MT5
違いはどこ?
チャートは見てもほとんど違いが分かりません。
板情報画面
MT4
なし
MT5
違いはどこ?
板情報の画面で、ワンクリックで「指値注文」が可能になっています。直感的に指値注文ができるメリットがあります。
「MT4」と「MT5」を使い比べてみた結論
「MT5」は「MT4」のバージョンアップされたものですから、使いやすくなっているのは間違えありません。
細かい微調整が多い為、大きな改良点で言えば「時間軸が増えたこと。」「板注文画面でワンクリック注文ができること」ぐらいしかありませんが、
見やすさやわかりやすさは、「MT5」の方が優れている印象です。
「じゃあ、なんでMT5は今まで普及してこなかったのか?」
「MT5」が登場した2011年当初は色々な問題点があったからです。
普通は、「iOS」「Windows」「PS」・・・、どんなアプリケーションでも、新しいバージョンが登場したら、ユーザーは自然に移行するものなのですが、
- 「MT4」のカスタムインディケーターが「MT5」と互換性がなく、使えない
- 「MT4」のエキスパードアドバイザーが「MT5」と互換性がなく、使えない
- 「MT5」のカスタムインディケーターは開発が難しくなったため使える人が減った
- 「MT5」のカスタムインディケーターは普及が進まないため数が少ない
- 「MT5」にはストラテジーテスターがなくバックテスト機能がない
- 「MT5」は同じ通貨ペアの注文は合算されてしまうため「両建て」ができない
- 「MT5」はPCのメモリ消費が増えたので性能が悪いPCだと動きが悪い
- チャート上の4本値を表すOpen[0], High[0], Low[0], Close[0]が使えない
・・・
と
- 「MT4」のEAやインディケーターとの互換性がないこと
- 「MT4」で使えた機能がなくなったこと
- 「両建て」ができなくなったこと
- メモリ消費が大きくなったこと
という大きな問題点があったため、MT4からMT5に移行する理由が皆無だったのです。
しかし、MT5がリリースされたのは2011年です。
執筆次点は2017年ですから、6年経過しています。
6年のアップデートで大分改善されてきたのです。
改善された問題点
「MT5」は同じ通貨ペアの注文は合算されてしまうため「両建て」ができない
→ 注文ごとに合算されずに個別にポジションを取るようになりました。「両建て」もできるということです。
「MT5」にはストラテジーテスターがなくバックテスト機能がない
→ ストラテジーテスター機能は復活しました。
チャート上の4本値を表すOpen[0], High[0], Low[0], Close[0]が使えない
→ 普通に4本値は表示できます。
残された問題というのは
- 「MT4」のEAやインディケーターとの互換性がないこと
- メモリ消費が大きくなったこと
の2点なのです。
メモリ消費が大きくなったこと
に関しては
この6年でPCのスペックも大分向上しています。
実際に私が使ってみた印象では、高性能のPCであれば「MT5」の方がサクサク動く印象です。
古いPCでは「MT4」の方がメモリ消費が少ない為、軽く動くのですが、「MT5」が登場したのは6年前ですので、古いPCと言っても、当時の最新型ですから、「MT5」を起動させて遅くなるということは、ほとんどなくなっているのです。
「MT4」のEAやインディケーターとの互換性がないこと
に関しては
- 変換ツール「MT4 to MT5 code converter」
- インクルード機能
を駆使すれば、MT4からMT5へ変換することも可能です。
大きな問題点は
- インディケーターやEAが開発しにくくなった。
- 「MT5」の悪評が広まってしまった。
ため、「MT5」対応のカスタムインディケーターやEAがまだまだ普及しきれていないことにあるのです。
EA販売サイトの「fx-on」等を見ても、「MT5対応EA」というのはほとんどないのが現状です。
しかし、販売会社「MetaQuotes Software Corp.」のウェブサイトを見ると
「MT5」を普及させたい!
という思いが強く、「MT4」のダウンロードも一応できますが、サイト全体が「MT5」一色です。
「MT5」のアップデートの頻度は「Mt4」の数倍の頻度であり、どちらに力を入れているのかも一目瞭然です。
2017年、7月までの「MT5」のアップデート回数 10回
21 July 2017 MetaTrader 5 Build 1640: creating and testing custom symbols
8 June 2017 MetaTrader 5 iOS build 1605: opening a preliminary brokerage account
26 April 2017 MetaTrader 5 Build 1596: access to the price history
13 April 2017 MetaTrader 5 Android build 1576: Trading history features positions
30 March 2017 MetaTrader 5 iOS build 1547: trading history in the form of positions
24 March 2017 MetaTrader 5 Build 1570: improved Market showcase and extended MQL5 template functions
17 February 2017 MetaTrader 5 Platform Build 1545: fast switching between windows and changing price values with the mouse wheel
9 February 2017 MetaTrader 5 iOS build 1509: Log in to MQL5.com with Facebook
27 January 2017 MetaTrader 5 build 1525: Representing trading history as positions and tester improvements
18 January 2017 MetaTrader 5 Android build 1506: Trade filtering and sorting
2017年、7月までの「MT4」のアップデート回数 1回
3 February 2017 MetaTrader 4 Platform build 1045
「MetaQuotes Software Corp.」は導入している海外FX業者にも、「MT5を推して」とプレシャーを掛けていることは間違えありませんので、徐々にですが普及は進んでいくと思われます。
現段階で言えることは
「EA」や「カスタムインディケーター」を利用する投資家
→ 「MT4」のままの方が良い
「EA」を利用しない、MT5標準搭載のインディケーターで十分という投資家
→ 「MT5」に移行した方が良い
ということです。
「EA」による自動売買や「カスタムインディケーター」を利用したトレードをメインにしている投資家の方は、「EA」や「カスタムインディケーター」の提供側が「MT5」優勢になるまでは変える必要性がないのです。「MT5」が優勢になってから移行しても、問題はないので急ぐ必要はありません。
筆者の場合は
- 「EA」を使わない裁量トレードであること
- 「インディケーター」は駆使するものの、標準搭載のインディケーターを組み合わせるだけ
ですから、使いやすい「MT5」に移行することにしました。
- 時間足が多いこと
- 使いやすいこと
- 板注文画面でワンクリック注文が可能なこと
- 新しい物好き
というポイントで、もうそろそろ「MT5」にしてしまっても良いだろう。という結論です。
FX初心者の方にも、使い勝手の良い「MT5」をおすすめします。
「MT4」と「MT5」には、明確なメリットデメリットがあるので、メリットデメリットを理解したうえで「MT4」と「MT5」を選べば良いのです。
MT5が使える主な海外FX業者
XM
FBS
IFCMarket
Fxpro
Ace Forex
MT5を利用する場合には、口座ごとMT5口座を開設する必要があるので注意が必要です。今まで利用していたMT4口座のID/PASSではMT5を利用することはできません。
また、ボーナス、ポイントプログラム、プレゼントキャンペーンやトレードコンテストなどの特典が「MT4口座」のみが対象で「MT5口座」は対象でないこともあります。事前に確認した上で、MT5口座に移行しましょう。