海外FXでおすすめの資金管理方法【ヘッジファンドの資金管理方法】

「自分の資金だったら、どのくらいのポジションを持つべきなのか?」FXトレードではどのくらいのロットでポジションを持つのか?何pips下にロスカットを入れるのか?適切な設定を理解していない投資家も多いようです。今回は海外FXで確実に儲けるための適切な「ポジション」「損切り」について解説します。

真似をすべき欧米のヘッジファンドの資金管理方法

ヘッジファンド(Hedge fund)とは

顧客から預かった資金を複数の金融商品に分散投資することで化させて、高い運用収益を得ることを目的とした組織や基金のこと。投資信託などもヘッジファンドの一種であり、FXトレードの市場参加者としては機関投資家に分類されるもの。

ヘッジファンドは、株式よりも、商品先物や金融先物へ投資することが多く、ハイリスク・ハイリターンを目指して運用されることが多いものです。

ヘッジファンド(Hedge fund)は、日本ではそれほどメジャーな存在ではありませんが、欧米では富裕層の投資先として選択されることが多く、ヘッジファンドのファンドマネージャーは巨額な資金を運用するため、運用成績の良いファンドマネージャーは数億円を有に超える報酬を得ているのです。

2012年4月、ヘッジファンドの運用資産総計が史上最高の2.13兆米ドルを記録するなど、簡単に言えば「投資のプロ」と言える存在です。

「投資のプロ」であるヘッジファンドが採用している資金管理方法は、高いリスクを回避するためのノウハウによって生み出されたものであり、ハイレバレッジトレードが可能な海外FXでも、通用する側面を持っているのです。

ヘッジファンドの資金管理方法の基本

当初証拠金額 - 保有しているポジションの必要証拠金 = コア・エクイティ

損切り水準 = コア・エクイティ × 1.0%

計算例

  • 証拠金額:100万円
  • ポジション:0円
  • 「米ドル/円:100円」で買いポジションを持つケース

コア・エクイティ = 100万円 - 0円 = 100万円
損切り水準 = 100万円 × 1.0% = 1万円

1万円で損切りする形でポジションを持つ
  • 1万通貨のポジション → 損切りライン100pips
  • 2万通貨のポジション → 損切りライン50pips
  • 5万通貨のポジション → 損切りライン20pips
  • 10万通貨のポジション → 損切りライン10pips

デイトレードであれば、損切りラインは40pips前後に置くのが適切なので、保有するポジションは2万通貨~2万5千通貨が適切なライン

ということになります。

  • 証拠金額:100万円
  • ポジション:20万円
  • 「米ドル/円:100円」で買いポジションを持つケース

コア・エクイティ = 100万円 - 20万円 = 80万円
損切り水準 = 80万円 × 1.0% = 8,000円

8,000円で損切りする形でポジションを持つ

1万通貨のポジション → 損切りライン80pips
2万通貨のポジション → 損切りライン40pips
5万通貨のポジション → 損切りライン16pips
10万通貨のポジション → 損切りライン8pips

デイトレードであれば、損切りラインは40pips前後に置くのが適切なので、保有するポジションは2万通貨が適切なライン

ということになります。

ヘッジファンドの資金管理方法のメリット

損切りを1.0%に設定すれば、常に100回以上取引できる状態を維持する

この資金管理方法は「使っていない証拠金の1.0%」が損切りラインと設定するため、極論言えば永遠に100回以上取引できる設計となっています。

回数 未使用証拠金 割合 損切り 残った証拠金
1 1,000,000 1.00% 10,000 990,000
2 990,000 1.00% 9,900 980,100
3 980,100 1.00% 9,801 970,299
4 970,299 1.00% 9,703 960,596
5 960,596 1.00% 9,606 950,990
6 950,990 1.00% 9,510 941,480
7 941,480 1.00% 9,415 932,065
8 932,065 1.00% 9,321 922,745
9 922,745 1.00% 9,227 913,517
10 913,517 1.00% 9,135 904,382
11 904,382 1.00% 9,044 895,338
12 895,338 1.00% 8,953 886,385
13 886,385 1.00% 8,864 877,521
14 877,521 1.00% 8,775 868,746
15 868,746 1.00% 8,687 860,058
16 860,058 1.00% 8,601 851,458
17 851,458 1.00% 8,515 842,943
18 842,943 1.00% 8,429 834,514
19 834,514 1.00% 8,345 826,169
20 826,169 1.00% 8,262 817,907
21 817,907 1.00% 8,179 809,728
22 809,728 1.00% 8,097 801,631
23 801,631 1.00% 8,016 793,614
24 793,614 1.00% 7,936 785,678
25 785,678 1.00% 7,857 777,821

つまり、25連敗しても785,678円の証拠金があり、その1.0%を損切りラインにすると最低でも100回以上は取引できる状態になります。

永遠に100回以上取引できる損切り水準での取引を設定するための資金管理方法

なのです。

  • ヘッジファンドは、運用成績をプラスに持っていかなければならない。
  • ヘッジファンドは、ハイリスクの投資をする
  • ヘッジファンドの資金は、顧客資金

「長期的な視点で負けられない」
「ハイリスクの投資のリスクをヘッジする」

ために生み出された資金管理方法なのです。

だからこそ

「ハイレバレッジでトレードをする」
「長期的に安定して稼ぎたい」

という海外FXにマッチした資金管理方法と言えます。

ヘッジファンドの資金管理方法で海外FXの資金管理をするポイント

「じゃあ、資金が10万円しかない私の場合、2000通貨でトレードしなければならないの?」

そうではありません。

多少の強弱は付けても良いと思います。

ヘッジファンドの場合は、運用する金額が極めて巨額なので固く見ての1.0%です。

海外FXの場合は

手堅い資金管理:コア・エクイティ × 1.0%(100回で資金不足)
多少強気の資金管理:コア・エクイティ × 3.0%(33回で資金不足)
リスクを取る資金管理:コア・エクイティ × 5.0%(20回で資金不足)

これは筆者の感覚的なものですが

コア・エクイティ × 3.0%

でトレードを設計しても良いかと思います。

計算例

証拠金額:10万円
ポジション:0円
「米ドル/円:100円」で買いポジションを持つケース

コア・エクイティ = 10万円 - 0円 = 10万円
損切り水準 = 10万円 × 3.0% = 3000円

3000円で損切りする形でポジションを持つ
  • 3000通貨のポジション → 損切りライン100pips
  • 5000通貨のポジション → 損切りライン60pips
  • 6000通貨のポジション → 損切りライン50pips
  • 1万通貨のポジション → 損切りライン30pips

デイトレードであれば、損切りラインは40pips前後に置くのが適切なので、保有するポジションは6000通貨~1万通貨が適切なライン

となります。

トレード手法によって、損切りラインは多少前後するはずですので

  • 6000通貨のポジション → 損切りライン50pips
  • 1万通貨のポジション → 損切りライン30pips

を使い分けるような運用をおすすめします。

ヘッジファンドの資金管理方法を海外FXで利用するときの注意点

横着しないで都度計算する

資金10万円で「1万通貨のポジション → 損切りライン30pips」が適切なのね。わかった簡単。

と言って、ずっと1万通貨で資金がなくなるまで取引してしまったら、この資金管理方法を使っていないのと同じことです。

負けて証拠金が減るたびにきちんと「損切り水準」を減らしていかないと意味がないからです。

証拠金額:10万円で「3.0%」の場合の損切り水準の推移

回数 未使用証拠金 割合 損切り 残った証拠金
1 100,000 3.00% 3,000 97,000
2 97,000 3.00% 2,910 94,090
3 94,090 3.00% 2,823 91,267
4 91,267 3.00% 2,738 88,529
5 88,529 3.00% 2,656 85,873
6 85,873 3.00% 2,576 83,297
7 83,297 3.00% 2,499 80,798
8 80,798 3.00% 2,424 78,374
9 78,374 3.00% 2,351 76,023
10 76,023 3.00% 2,281 73,742
11 73,742 3.00% 2,212 71,530
12 71,530 3.00% 2,146 69,384
13 69,384 3.00% 2,082 67,303
14 67,303 3.00% 2,019 65,284
15 65,284 3.00% 1,959 63,325
16 63,325 3.00% 1,900 61,425
17 61,425 3.00% 1,843 59,583
18 59,583 3.00% 1,787 57,795
19 57,795 3.00% 1,734 56,061
20 56,061 3.00% 1,682 54,379
21 54,379 3.00% 1,631 52,748
22 52,748 3.00% 1,582 51,166
23 51,166 3.00% 1,535 49,631
24 49,631 3.00% 1,489 48,142
25 48,142 3.00% 1,444 46,697

25連敗した後には

証拠金額:48,142円
損切り水準:1,444円

になっているのですから

損切りラインを40pipsに置くとしたら

1444円 / 40pips = 3610

適切なポジションは3000通貨~4000通貨になるのです。

この段階でも資金が10万円のときの適切なポジション数1万通貨でポジションを持っていたら、あと数回で資金は枯渇します。

負けて証拠金が減ったら、取引するサイズも合わせて減らしていくのがこの資金管理方法のキモなのです。

ヘッジファンドの資金管理方法を海外FXで利用するときの活用法

リスクのコントロール

この資金管理方法の場合

損切り水準 = コア・エクイティ × 1.0%

この「%」のところを何%に設定するかでリスクが変動することは説明した通りです。

手堅い資金管理:コア・エクイティ × 1.0%(100回で資金不足)
多少強気の資金管理:コア・エクイティ × 3.0%(33回で資金不足)
リスクを取る資金管理:コア・エクイティ × 5.0%(20回で資金不足)

例えば

  • 初心者で確固たるトレードテクニックを身につけていない人
    → 「1%」を採用して、トレード経験を増やしながら勝率を引き上げることを重視すべき
  • 明確に勝てるトレードテクニックが確立されている上級者
    → 「5%」を採用して、早く資産額を増やすことを重視すべき
  • 「3%」でトレードしていたが負け続けている人
    → 「1%」に下げて、今一度自分のトレードテクニックの精度を上げるべき
  • 「3%」でトレードしていたが初期証拠金よりも大きく利益が出てい人
    → 「5%」に挙げて、早く資産額を増やすことを重視すべき

となります。さらに

  • 初期証拠金額よりも儲けた利益分に対しては「5%」
  • 初期証拠金額の分は「3%」
  • 初期証拠金額の半分を切ったら「1%」

と資金額によって、リスク割合を変動させる活用法も良いと思います。

まとめ

ヘッジファンドの資金管理方法は

当初証拠金額 - 保有しているポジションの必要証拠金 = コア・エクイティ
損切り水準 = コア・エクイティ × 1.0%

というものです。

この資金管理方法のキモは

常に「残っている資金の1.0%」を損切り水準に設定することで、資金が減っても、その分取引サイズを小さくすることで、常に100回以上の取引回数がある状態を継続できるところにあります。

「かなり固めの設定」だと思う方も多いかと思いますが、ハイリスクの投資を前提にしたヘッジファンドの取引では、このぐらいが適正水運なのです。

海外FXでも、安定的に勝つためにはこの「資金管理方法+α」ぐらいの資金管理をして、取引回数を増やす資金管理方法がベターなのです。

「ハイレバレッジだからこそ、少額資金でも大きなポジションが持てる海外FX」と矛盾する部分も出てきますが、海外FXだからといって、少額資金で常に数百倍のレバレッジを掛けた取引をしていたら、数回の負けで資金がなくなってしまいます。

海外FXトレードでは

手堅い資金管理:コア・エクイティ × 1.0%(100回で資金不足)
多少強気の資金管理:コア・エクイティ × 3.0%(33回で資金不足)
リスクを取る資金管理:コア・エクイティ × 5.0%(20回で資金不足)

という資金管理をおすすめします。

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