「海外FXではスワップポイントは低い業者の方が良い!?」なんて、言っている意味が分からないと思う方も多いと思いますが、その理由を解説します。
そもそも、スワップポイントとは?
中央銀行が設定する政策金利の金利差による利益をFX業者が投資家に還元するもの
です。
例えば、2016年8月時点の日本と米国の政策金利は
- 日本の政策金利 0.10%
- 米国の政策金利 0.50%
です。
こんなことはありえませんが
個人が政策金利と同等の金利で銀行からお金を借りて「日本円 → 米ドル」に1万通貨の両替をして政策金利と同金利の預金金利の銀行に預金した場合
1万ドルの年率0.40%の利息の含み益が出るはずです。
1ドル=100円、と仮定した場合、年間の利息収入が4,000円です。
日割りに直すと11円ほどになります。
これが個人ではなく、証券会社を通してトレードをしても、投資家に還元されて、スワップポイントという呼び方に変わるのです。
実際には、米ドル/円の「買い」のスワップポイントは
- 外為どっとコム:11円
- ヒロセ通商:5円
- DMM.com:15円
とスワップポイントの基準値は11円だとしても、それよりも多く設定しているところも、少なく設定しているところもあるのです。また、FX業者が政策金利を決めている中央銀行に預けているわけではなく、インターバンク市場での短期金利が適用されるので、上記の計算例よりも含み益は大きくなります。
当然、証券会社は手数料を取らずに単純にスワップポイントを付与してくれているわけではありません。
外為どっとコムのスワップポイント
米ドル/円
買い:11円
売り:-30円
ですから、「買い」と「売り」に差があるというのは、その差額は手数料としてFX業者が手に入れているのです。
スワップポイントの設定とFX業者の収益の関係性
基本的には
スワップポイントを高く設定すれば
- スワップポイント分の手数料収入は減る
ということになりますし、
スワップポイントを低く(マイナスに)設定すれば
- スワップポイント分の手数料収入は増える
ことになります。
仮にFX業者が同じ利益を出そうとしたら
スワップポイント分の手数料収入が減る → スプレッドを広げる必要がある
スワップポイント分の手数料収入が増える → スプレッドを抑えられる
となります。
結局、スワップポイントが高くても、その分スプレッドが割を食うのです。
FX業者が得ている利益が一律ではありませんし、薄利でサービスに力を入れているFX業者もありますので、一概には言えないのですが・・・
それでも
スワップポイントの高いFX業者 → スプレッドが広い可能性が高い
スワップポイントの低いFX業者 → スプレッドが狭い可能性が高い
という傾向になる可能性は高いのです。
海外FX業者で考える場合
を参考に見てみると
STPでの平均スプレッドが海外FX業者の中でもかなり狭い設定のLAND-FXは、スワップポイントのほとんどが真っ赤(マイナス)です。「売り」も「買い」もマイナス幅が大きいのです。
つまり、LAND-FXはスワップポイントは捨てて、スプレッドの狭さで勝負している海外FX業者ということができるのです。
海外FXではスワップポイントよりもスプレッドが重要
スワップポイントは、デイトレードでは付与されません。原則として市場が動いている日のニューヨーク市場の取引終了時点で付与されることになります。サマータイムなら日本時間の午前6時ですから、1日持ち越さないとスワップポイントは付与されないのです。
ハイレバレッジトレードができるメリットがあるのが海外FXですので、海外FXを活用している投資家の多くは、その日のうちにトレードを終了させるデイトレード派が多いはずです。海外FXを活用する投資家でも、一部の方は、エマージェンシー通貨でのスワップポイント狙い、業者間アービトラージでのスワップポイント獲得で稼いでいる方もいるのですが、大抵の場合は短期売買です。
だとしたら
海外FXをするのであれば、スワップポイントが低い分、スプレッドの狭さを実現している海外FX業者を選んだ方が良い
という考え方になります。
あえて、スワップポイントが低い、マイナスだらけの海外FX業者を選んだ方が、スプレッドが狭くて利益が出やすい可能性があるのです。
このような視点を持って海外FX業者のサービスを比較することで、実際の海外FX業者のスプレッドを使う前に予測することが可能になります。あくまでも、スプレッドを決定する要素のひとつですが、参考にしてください。