- 「海外FXでスプレッドを比較するときには何に注目すれば良いでしょうか?」
- 「海外FXでスプレッド比較するときの注意点を教えてください。」
- 「スプレッドの狭い海外FX業者の見つけ方を教えてください。」
海外FXに限った話ではありませんが、FXトレードでは「スプレッド」「取引手数料」、それを合算した「トレードコスト」というのは、稼ぐために重要な要素となってきます。トレードコストが安ければ安いほど、利益が増えるからです。海外FXでスプレッドを比較する場合にはどういうポイントに気をつけて比較すれば良いでしょうか?日本国内のFX業者のスプレッド比較とは、注意すべきポイントが違うため注意が必要です。
海外FXスプレッド比較のコツ
その1.海外FXのスプレッドは、「pip(pips)」表示
日本国内のFX業者を利用している投資家でも、慣れている方であれば「pips(ピップス)」という単位のことを利用している方も多いと思います。
「pips(ピップス)」とは
為替レートの最後のケタのこと
です。
米ドル/円なら「銭」の単位が「pips(ピップス)」になります。
例
米ドル/円
1銭 = 1pips(pip)
Bid(売値) 1ドル=110.868円
Ask(買値) 1ドル=110.871円
スプレッド 0.3銭(0.3pips)
ユーロ/米ドル
0.0001ドル = 1pips(pip)
0.01セント = 1pips(pip)※1ドル= 100セント
Bid(売値) 1ユーロ=1.17671ドル
Ask(買値) 1ユーロ=1.17675ドル
スプレッド 0.00004ドル(0.4pips)
ということになります。

「あれ、為替レートの最後の桁が1pipsじゃないの?」
元々は、米ドル/円などの表記は、小数点以下第二位までの表示でした。
- 以前 1ドル=110.86円
このときの為替レートの最後のケタが1pipsです。
しかし、狭いスプレッド競争が激化する中で、もう一段階下の桁が欲しいということで、小数点以下第三位までの表示に現在はなっています。
- 現在 1ドル=110.868円
現在の為替レートの最後のケタは0.1pipsです。
主要国通貨の1pipsの通貨単位
日本円 | 0.01円 | 1銭 |
米ドル | 0.0001米ドル | 0.01セント |
ポンド | 0.0001ポンド | – |
豪ドル | 0.0001豪ドル | – |
NZドル | 0.0001NZドル | – |
スイスフラン | 0.0001スイスフラン | – |
海外FX業者は、日本の顧客だけに商売をしているわけではありませんので、「何銭」という日本だけに通用する表記ではなく、「pips」という世界各国で通用する表記を採用しているのです。
海外FX業者のウェブサイトで、スプレッドが表記されるときも「pips」で表記されるので注意が必要です。
その2.平均スプレッドで比較する
国内FX業者の場合は、ほとんどの業者が
- 固定スプレッド(原則固定スプレッド)
を採用しています。
海外FX業者は
- 変動スプレッド
を採用しています。
変動スプレッドとは
刻一刻と、スプレッドが変動する仕組み
を言います。
変動スプレッドのメリット
- 最小スプレッドが狭くなる
変動スプレッドのデメリット
- スプレッドが常に変動するため、実際のトレードコストが読みにくく、他業者との比較も困難
固定スプレッドとは
常に一定のスプレッドが固定される仕組み
を言います。
固定スプレッドのメリット
- 常に同じスプレッドですので、トレードコストが一定で、他業者との比較も容易
固定スプレッドのデメリット
- 変動スプレッドの最小スプレッドと比較するとスプレッドが広くなる
海外FX業者では、9割以上の業者が「変動スプレッド」を採用しています。
「変動スプレッド」は、常にスプレッドが変動してしまうため、「変動スプレッドの最小スプレッド」と「固定スプレッド」を比較しても、意味がありません。
- 海外FX業者 A社 変動スプレッド:0.1pips~
- 海外FX業者 B社 固定スプレッド:0.5pips
となっていた場合でも、
海外FX業者 A社 変動スプレッドが
- 0.1pips、0.2pips、1.2pips、0.8pips、0.9pips、0.6pips・・・
と、刻一刻と変わってしまうのですから、
海外FX業者 B社 固定スプレッド
- 0.5pips
と比較して、広いのか?狭いのか?は、判断しようがないのです。
変動スプレッドは、スプレッド比較がしにくのです。

「じゃあ、どうすれば良いの?」
変動スプレッドの平均値で比較しましょう。
良心的な海外FX業者であれば、変動スプレッドの場合でも、「最小スプレッド」だけでなく「平均スプレッド」も公表しています。
平均スプレッドとは
変動スプレッドのスプレッドの平均値のこと
を言います。
平均値であれば
海外FX業者 A社 変動スプレッド
0.1pips、0.2pips、1.2pips、0.8pips、0.9pips、0.6pips・・・
→ 平均スプレッド:0.6pips
とうことがわかり
- 海外FX業者 B社 固定スプレッド:0.5pips
よりも、スプレッドが広いと判断することができるのです。
変動スプレッドの場合は、平均値(平均スプレッド)を比較することで
- 変動スプレッドの業者と変動スプレッドの業者が比較できる
- 変動スプレッドの業者と固定スプレッドの業者が比較できる
ことになるのです。
その3.取引手数料はpips換算して、トレードコストを算出して比較する
海外FX業者の場合も、多くの海外FX口座では、取引手数料無料の口座となっていますが、一部の口座(VIP口座、ECN口座、ゼロスプレッド口座)では、取引手数料有料のものも少なくありません。
トレードコストは
取引手数料 + スプレッド = トレードコスト
で計算されるものですから、取引手数料が有料の場合は、スプレッドだけ見て比較しても、実際のトレードコストが高いか安いかはわからないのです。
これでは、取引手数料無料の海外FX口座と取引手数料有料の海外FX口座の公平な比較検討はできません。

「じゃあ、どうすれば良いの?」
取引手数料をスプレッドに換算して、トレードコストを計算して比較しましょう。
米ドル/円の場合
取引手数料:1ドル(往復)/ロット = 0.1pips<
で計算されます。
海外FX業者の場合
1ロット = 10万通貨(10万ドル)に対して、1ドルの往復コスト → 10万分の1ですから
- 0.0001米ドル(1万分の1) = 1pips
- 0.00001米ドル(10万分の1) = 0.1pips
と同等という計算になります。
計算例
- 取引手数料(片道):5ドル
- 平均スプレッド:0.3pips
トレードコスト = 0.5pips × 2(往復) + 0.3pips = 1.3pips
- 取引手数料(往復):8ドル
- 平均スプレッド:0.5pips
トレードコスト = 0.8pips + 0.5pips = 1.3pips
となります。
スプレッドというのは、「買値」と「売値」の差ですから、往復取引に応じて発生します。そのため、取引手数料もpips換算するときには「往復」で計算しなければなりません。しかし、多くの海外FX業者は、少しでも取引手数料を安く見せるために「片道」表記が多いので注意が必要です。
その4.海外FX業者の自社調査の平均スプレッドではなく、第三者の調査した平均スプレッドの方が信頼性が高い
海外FX業者の自社調査の平均スプレッドには
- いつ調査したのか?
- 何分置きに測定したデータなのか?
- どのくらいのサンプル数の平均値なのか?
が記載されていないことがほとんどです。
XMTradingの場合

平均スプレッド:1.6pips
ということですが
- いつ調査したのか?
- 何分置きに測定したデータなのか?
- どのくらいのサンプル数の平均値なのか?
は書かれていません。
ほぼどの海外FX業者も、これらの情報はなく、ただ「平均スプレッド」を公開しているところが多いのです。
これでは
- 測定期間が違う
- 測定サンプル数が違う
- 測定時期が違う
のですから、正確なスプレッド比較はできないのです。
当サイトでは、主要な海外FX口座に対して
5分置きのスプレッドを測定し、同環境でスプレッドの平均値を算出しています。
2018年1月1日から、現在までの5分置きのスプレッドの平均値です。
USDJPY | EURJPY | GBPJPY | AUDJPY | CADJPY | EURUSD | AUDUSD | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
業者名 (手数料:片道) | 今月の 平均 | 今月の 平均 | 今月の 平均 | 今月の 平均 | 今月の 平均 | 今月の 平均 | 今月の 平均 |
AXIORY | 1.71pips | 2.08pips | 2.80pips | 2.37pips | 2.39pips | 1.54pips | 2.10pips |
LAND-FX | 1.97pips | 3.52pips | 4.57pips | 3.91pips | 4.63pips | 1.90pips | 2.47pips |
FBS | 2.25pips | 3.18pips | 5.28pips | 2.76pips | 3.15pips | 1.47pips | 2.30pips |
TitanFX | 1.36pips | 1.80pips | 2.55pips | 1.99pips | 2.36pips | 1.35pips | 1.64pips |
XM | 2.16pips | 3.23pips | 4.88pips | 3.90pips | 4.20pips | 2.24pips | 2.50pips |
XM_ZERO($5) | 0.67pips | 1.26pips | 2.51pips | 1.76pips | 2.05pips | 0.61pips | 0.99pips |
AXIORY_ECN($3) | 0.75pips | 1.11pips | 1.88pips | 1.22pips | 1.22pips | 0.53pips | 0.93pips |
IronFX | 2.30pips | 2.99pips | 5.48pips | 5.67pips | 5.98pips | 2.36pips | 2.62pips |
BigBoss | 2.44pips | 3.77pips | 5.02pips | 3.22pips | 3.92pips | 2.84pips | 3.01pips |
TitanFX_ECN | 0.46pips | 1.18pips | 1.68pips | 1.37pips | 1.46pips | 0.56pips | 1.00pips |
GEMFOREX | 2.34pips | 2.56pips | 4.10pips | 2.96pips | 3.60pips | 2.08pips | 2.51pips |
HFMarkets | 2.21pips | 2.76pips | 4.24pips | 3.19pips | 3.50pips | 1.55pips | 2.14pips |
TTCM | 2.45pips | 2.07pips | 2.17pips | 2.10pips | 2.15pips | 1.90pips | 2.42pips |
この方法でようやく
同条件の海外FX口座の平均スプレッドが算出でき、公正なスプレッド比較ができるのです。
その5.平均スプレッドを公開していない海外FX業者は、どうやって比較すれば良いのか?
最終手段ですが、当サイトの主要海外FX口座比較にも、登場しない海外FX業者、海外FX口座で、しかも、平均スプレッドを公開していない場合は
口座開設をして、同時刻のリアルタイムスプレッドを、何回か測定して、スプレッドを比較する必要があります。
- MT4口座を開設して
- 同時に複数のMT4の画面を開いて
- スプレッド部分を開いた状態で、キャプチャを取れば
その瞬間のスプレッドの違いがわかります。

XMTrading
Bid 106.116
Ask 106.149
スプレッド:3.3pips
TitanFX
Bid 106.124
Ask 106.142
スプレッド:1.8pips
この瞬間では、TitanFXの方がスプレッドが狭いことがわかるのです。これを5回、10回繰り返せば、どちらの海外FX口座のスプレッドが狭いかは明らかになるはずです
その6.情報公開がきちんとしている海外FX業者ほど、スプレッドが狭い傾向
基本的に
スプレッドが狭い海外FX業者
「売り」であるスプレッドの狭さをアピールするためには、平均スプレッドやリアルタイムスプレッドなど、積極的な情報開示をしています。
それが自社の優位性を示す材料だからです。
スプレッドが広い海外FX業者
「デメリット」であるスプレッドの狭さを隠すためには、最小スプレッドなどの、ごく一部の情報開示だけに留まる傾向があります。
それが自社の弱点・弱みを隠す方法だからです。
一概には、言えませんが、できるだけ情報公開・情報開示を積極的に行っている海外FX業者を選ぶことが、スプレッドの狭い海外FX業者を選ぶことにつながるのです。
スプレッドの情報公開の重要度
- 平均スプレッド(計測時期や計測方法などの情報付)
- 平均スプレッド
- リアルタイムスプレッド
- 最小スプレッド
- スプレッドに関する情報なし
その7.傾向としては、取引手数料有料の口座の方がトレードコストが安い
あくまでも、傾向ですが・・
- 取引手数料無料の口座
- 取引手数料有料の口座
では、取引手数料有料の口座の方がスプレッドが狭い傾向があります。
例えば、当サイトで計測したTitanFXとAXIORYの方がスプレッド測定では
TitanFX:Zeroスタンダード口座の米ドル/円の平均スプレッド
- 1.41pips
- 取引手数料:無料
- トレードコスト = 1.41pips
TitanFX:Zeroブレード口座の米ドル/円の平均スプレッド
- 0.36pips
- 取引手数料(片道):3.5ドル
- トレードコスト = 0.35pips × 2(往復) + 0.36pips = 1.06pips
取引手数料有料のZeroブレード口座の方が、0.35pipsトレードコストが安くなる
口座の種類 | Zeroスタンダード口座/STP | Zeroブレード口座/ECN |
取引手数料 (片道) | 無料 | 3.5ドル |
最小スプレッド 米ドル/円 | 1.00 | 0.00 |
平均スプレッド 米ドル/円 | 1.33 | 0.33 |
最大レバレッジ | 500倍 | 500倍 |
最低取引通貨 | 1,000通貨 | 1,000通貨 |
最低入金額 | 2万円相当 | 2万円相当 |
AXIORY:スタンダード口座の米ドル/円の平均スプレッド
- 1.67pips
- 取引手数料:無料
- トレードコスト = 1.41pips
AXIORY:ナノスプレッド口座の米ドル/円の平均スプレッド
- 0.36pips
- 取引手数料(片道):3ドル
- トレードコスト = 0.3pips × 2(往復) + 0.63pips = 1.23pips
取引手数料有料のZeroブレード口座の方が、0.18pipsトレードコストが安くなる
口座の種類 | スタンダード口座/MT4/STP | ナノ口座/MT4/ECN | スタンダード口座/cTrader/STP | ナノ口座/cTrader/ECN | テラ口座/MT5/ECN |
取引手数料 (片道) | 無料 | 3ドル | 無料 | 3ドル | 3ドル |
最小スプレッド 米ドル/円 | 1.10 | 0.10 | 1.10 | 0.10 | 0.10 |
平均スプレッド 米ドル/円 | 1.60 | 0.60 | 1.60 | 0.60 | |
最大レバレッジ | 400倍(~10万ドル) 300倍(~20万ドル) 200倍(20万ドル~) | 400倍(~10万ドル) 300倍(~20万ドル) 200倍(20万ドル~) | 400倍(~10万ドル) 300倍(~20万ドル) 200倍(20万ドル~) | 400倍(~10万ドル) 300倍(~20万ドル) 200倍(20万ドル~) | 400倍(~10万ドル) 300倍(~20万ドル) 200倍(20万ドル~) |
最低取引通貨 | 1,000通貨 | 1,000通貨 | 1,000通貨 | 1,000通貨 | 1,000通貨 |
最低入金額 | 2万円相当 | 2万円相当 | 2万円相当 | 2万円相当 | 2万円相当 |
結果になっています。
つまり、トレードコストをできるだけ抑えたいのであれば、取引手数料有料の海外FX口座の方が有利になる可能性が高いということです。
海外FXのスプレッド比較のコツ
海外FX業者のスプレッド比較のコツは
- その1.海外FXのスプレッドは、「pip(pips)」表示
- その2.平均スプレッドで比較する
- その3.取引手数料はpips換算して、トレードコストを算出して比較する
- その4.海外FX業者の自社調査の平均スプレッドではなく、第三者の調査した平均スプレッドの方が信頼性が高い
- その5.平均スプレッドを公開していない海外FX業者は、どうやって比較すれば良いのか?
- その6.情報公開がきちんとしている海外FX業者ほど、スプレッドが狭い傾向
- その7.傾向としては、取引手数料有料の口座の方がトレードコストが安い
などがあります。
スプレッド比較のコツを抑えることで、スプレッドの狭い、トレードコストの安い海外FX業者、海外FX口座を見つけることができるはずです。