海外FXはハイレバレッジでトレードができるため、資金力が少なくても、ある程度の通貨量でトレードが可能になります。だとすれば、勝率の高いテクニカルトレードの方が海外FXにはマッチするはずです。今回は初心者向けのテクニカルトレード方法ですが「ボリンジャーバンドと一目均衡表の遅行スパンによるシンプルトレード」でトレードすると結果はどうなるのか?1週間実験してみました。
「ボリンジャーバンドと一目均衡表の遅行スパンによるシンプルトレード」とは?
今回の「ボリンジャーバンドと一目均衡表の遅行スパンによるシンプルトレード」では「ボリンジャーバンド」と「一目均衡表」を利用します。一つずつ解説しています。
「ボリンジャーバンド」とは
相場の振れ幅(ボラティリティ)を一定期間の価格データから測定し、統計学の「標準偏差」の考え方を利用して、価格の変動範囲を予測し、チャート上に表示するテクニカル指標のこと
を言います。
移動平均線をベースに、どのくらいの割合でその価格が表示されるのか?統計学のデータがそのままチャートになったものがボリンジャーバンドです。
「標準偏差」の見方は
- プラスマイナス1σに入る割合:68.26%
- プラスマイナス2σに入る割合:95.44%
- プラスマイナス3σに入る割合:99.73%
となります。
この「±1σ」「±2σ」「±3σ」・・という確率のラインをボリンジャーバンドバンドはチャート上で示してくれるのです。
基準となる真ん中の線は、移動平均線であり、「ミドルライン」「センターライン」と呼ばれます。
今回利用するボリンジャーバンドのバンドは「±3σ」のみです。他のものは表示させません。
プラスマイナス3σに入る割合:99.73% ≒ 「±3σ」よりも実勢レートがはみ出す確率:0.27%
と考えます。
整理すると
「+3σ」よりも、実勢レートが上にある
→ 0.27%しか発生しない希少な事象
→ この後のレートは「+3σ」の内側に戻る可能性が高い ≒ 下降する可能性が高い
→ 「売り」エントリーで勝つ可能性が高い
「-3σ」よりも、実勢レートが下にある
→ 0.27%しか発生しない希少な事象
→ この後のレートは「-3σ」の内側に戻る可能性が高い ≒ 上昇する可能性が高い
→ 「買い」エントリーで勝つ可能性が高い
と考えることができるのです。
MT4/MT5の設定
インジケーターの「Bollinger Bands」を選択
- 期間「20」
- 標準偏差「3」
- スタイル:緑
を選択します。
「遅行スパン」とは?
「遅行スパン」は、実勢レートをローソク足26個分(日足なら26日分)、後ろに移動させた線のこと
を言います。
ローソク足26個分、後ろに平行移動させた線のことです。
実際にチャート上で「遅行スパン」を見てみるとこうなります。
MT4/MT5の設定
「遅行スパン」は「一目均衡表」というインジケーターの一部の機能ですので、「一目均衡表」を表示されます。
- 転換線:None
- 基準線:None
- 遅行スパン:ピンク
- 先行スパンA:None
- 先行スパンB:None
「ボリンジャーバンドと一目均衡表の遅行スパンによるシンプルトレード」手法の考え方
今回の「ボリンジャーバンドと一目均衡表の遅行スパンによるシンプルトレード」手法では
- 「遅行スパン」がボリンジャーバンドの「+3σ」を上に抜けたら「買い」エントリー
- 「遅行スパン」がボリンジャーバンドの「-3σ」を下に抜けたら「売り」エントリー
というシンプルな考え方でエントリーします。
その理由は
「遅行スパン」がボリンジャーバンドの「+3σ」を上に抜けるということは
- ローソク足26個分過去ののときの0.27%しか発生しないライン(「+3σ」)を現在の実勢レートが上に抜けた。
≒ 強い上昇トレンドが発生している
と判断します。
- 強い上昇トレンドが発生している → 「買い」エントリー
となるのです。
「遅行スパン」がボリンジャーバンドの「-3σ」を下に抜けるということは
- ローソク足26個分過去ののときの0.27%しか発生しないライン(「-3σ」)を現在の実勢レートが下に抜けた。
≒ 強い下降トレンドが発生している
と判断します。
- 強い下降トレンドが発生している → 「売り」エントリー
となるのです。
「ボリンジャーバンドと一目均衡表の遅行スパンによるシンプルトレード」手法とは?
ルールその1.「遅行スパン」がボリンジャーバンドの「±3σ」を抜けたら、エントリー
今回のトレード手法は、非常にわかりやすいエントリーポイントになります。
- 「遅行スパン」がボリンジャーバンドの「+3σ」を上に抜けたら「買い」エントリー
- 「遅行スパン」がボリンジャーバンドの「-3σ」を下に抜けたら「売り」エントリー
です。
ルールその2.「遅行スパン」がボリンジャーバンドの「±3σ」内側に戻ったら、エグジット
「買い」ポジション保有時
- 「遅行スパン」がボリンジャーバンドの「+3σ」の内側に戻ったら、エグジット
「売り」ポジション保有時
- 「遅行スパン(遅行線)」がボリンジャーバンドの「-3σ」の内側に戻ったら、エグジット
「ボリンジャーバンドと一目均衡表の遅行スパンによるシンプルトレード」のメリット
- エントリータイミングが明確
- エグジットタイミングが明確
- 一回の勝ち幅が大きい
- エントリー機会が多い
「ボリンジャーバンドと一目均衡表の遅行スパンによるシンプルトレード」のデメリット
- だましが多く、勝率はそこまで高くない
「ボリンジャーバンドと一目均衡表の遅行スパンによるシンプルトレード」で注意すべきこと
一瞬だけ「±3σ」を抜けたときは回避する
- 「遅行スパン」がボリンジャーバンドの「+3σ」を上に抜けたら「買い」エントリー
- 「遅行スパン」がボリンジャーバンドの「-3σ」を下に抜けたら「売り」エントリー
というエントリータイミングですが・・・
一瞬、「遅行スパン」がボリンジャーバンドの「+3σ」を上に抜けて、すぐに戻ってしまうケースがあります。
このときは、スプレッド分損をしてしまうため、ある程度確実に出たと判断するため、少しだけエントリータイミングを遅らせるのがだましを排除するコツになります。
「ボリンジャーバンドと一目均衡表の遅行スパンによるシンプルトレード」実験レポート
検証条件
採用したチャート
- ボリンジャーバンド:標準偏差3、期間20
- 一目均衡表「遅行スパン」:基準線26
- 5分足
- 米ドル/円
採用したルール
- 「遅行スパン」がボリンジャーバンドの「+3σ」を上に抜けたら「買い」エントリー
- 「遅行スパン」がボリンジャーバンドの「-3σ」を下に抜けたら「売り」エントリー
- 「買い」ポジションで「遅行スパン」がボリンジャーバンドの「+3σ」の内側に戻ったらエグジット
- 「売り」ポジションで「遅行スパン(遅行線)」がボリンジャーバンドの「-3σ」の内側に戻ったらエグジット
検証期間
2018年12月10日~2018年12月14日
2018年12月10日
ポジション方向「売り」
エントリー:112.267
エグジット:112.355
-8.8pips損失
ポジション方向「買い」
エントリー:112.473
エグジット:112.395
-7.8pips損失
ポジション方向「買い」
エントリー:112.547
エグジット:112.728
+18.1pips儲け
ポジション方向「買い」
エントリー:112.784
エグジット:112.886
+10.2pips儲け
2018年12月10日~2018年12月11日
ポジション方向「買い」
エントリー:113.104
エグジット:113.195
+9.1pips儲け
ポジション方向「買い」
エントリー:113.322
エグジット:113.296
-2.6pips損失
ポジション方向「売り」
エントリー:113.153
エグジット:113.157
-0.4pips損失
ポジション方向「売り」
エントリー:113.131
エグジット:113.049
+8.2pips儲け
ポジション方向「買い」
エントリー:113.108
エグジット:113.088
-2.0pips損失
ポジション方向「買い」
エントリー:113.102
エグジット:113.121
+1.9pips儲け
2018年12月11日~2018年12月12日
ポジション方向「売り」
エントリー:113.052
エグジット:113.054
-0.2pips損失
ポジション方向「買い」
エントリー:113.13
エグジット:113.152
+2.2pips儲け
ポジション方向「買い」
エントリー:113.224
エグジット:113.383
+15.9pips儲け
ポジション方向「買い」
エントリー:113.389
エグジット:113.386
-0.3pips損失
2018年12月12日
ポジション方向「買い」
エントリー:113.44
エグジット:113.457
+1.7pips儲け
ポジション方向「売り」
エントリー:113.404
エグジット:113.382
+2.2pips儲け
ポジション方向「売り」
エントリー:113.359
エグジット:113.261
+9.8pips儲け
2018年12月12日~2018年12月13日
ポジション方向「買い」
エントリー:113.323
エグジット:113.434
+11.1pips儲け
ポジション方向「売り」
エントリー:113.398
エグジット:113.424
-2.6pips損失
2018年12月13日~2018年12月14日
ポジション方向「買い」
エントリー:113.523
エグジット:113.5
-2.3pips損失
ポジション方向「買い」
エントリー:113.509
エグジット:113.638
+12.9pips儲け
ポジション方向「売り」
エントリー:113.528
エグジット:113.54
-1.2pips損失
ポジション方向「売り」
エントリー:113.519
エグジット:113.488
+3.1pips儲け
2018年12月14日
ポジション方向「買い」
エントリー:113.534
エグジット:113.536
+0.2pips儲け
ポジション方向「買い」
エントリー:113.596
エグジット:113.628
+3.2pips儲け
ポジション方向「売り」
エントリー:113.487
エグジット:113.367
+12.0pips儲け
結果
勝敗:16勝10敗
損益:+93.6pips
考察
エントリータイミング、エグジットタイミングが明確
ボリンジャーバンドの「±3σ」と「遅行スパン」しか利用しないので、非常にシンプルなトレード手法です。
その上
- 「遅行スパン」がボリンジャーバンドの「±3σ」を超えたら、エントリー
- 「遅行スパン」がボリンジャーバンドの「±3σ」の内側に戻ったら、エグジット
ですから、エントリータイミング、エグジットタイミングが非常に明確です。初心者でも、迷わずにトレードできます。
トレード機会が多い
5営業日で、26回のトレード機会ですから、十分にトレード機会の多いトレード手法と言えます。
デイトレードでも、1日5回~6回はトレード可能です。
「だまし」が多い点がデメリット
エントリータイミング、エグジットタイミングが明確で、使うテクニカル分析指標が少ないことも影響していますが
「だまし」が多く、勝率も、61.5%と決して高くない数値です。
これは、今回のトレード手法のデメリットと言えます。
これを改善するためには、もう一つくらいテクニカル分析指標を追加して、「だまし」を排除するためにどのような方法論があるのか?カスタマイズする必要があります。
まとめ
「ボリンジャーバンドと一目均衡表の遅行スパンによるシンプルトレード」では
- エントリータイミング、エグジットタイミングが明確
- トレード機会が多い
- 「だまし」が多い点がデメリット
という特徴があるトレード手法です。使っているテクニカル分析指標の仕組みがわかりやすく、エントリータイミング、エグジットタイミングが明確ですので、初心者の方におすすめできるトレード手法です。ただし、勝率が低い分、「だまし」を解除するための改良が必要になります。